盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎「『R-1』MC、冠番組、大悟さ...の画像はこちら >>

盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎さん

『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎。彼のコラムが週刊プレイボーイで好評連載中! その名も「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」。

第8回は、濱田さんがこの一年を振り返ります!

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今回は年内最後に発売される号ということで、この一年を振り返ってみようと思います。

2025年になって最初にあった大きな仕事は2月にやった『R-1グランプリ』準決勝のMCです。

『R-1』はフジテレビ系の全国放送。当時、フジテレビは問題の真っただ中。準決勝でも会場にはフジテレビの関係者がちらほら。そして濱田祐太郎は時事ネタが好き。これは言うしかない。

......さすがに剛速球のストレートは控えましたが、さらっとネタをMCに滑り込ませました。そしたら一緒にMCをやっていたはりけ~んずのおふたりに「おまえ、すごいな!」と舞台上でツッコまれました。

そんな毒舌が良かったのか、その後『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日系)という番組に毒舌芸人として出演。それも、オンラインカジノ疑惑でテレビ出演を見合わせていた、とろサーモン・久保田(かずのぶ)さんの代役。

出演依頼が来たときに「え? 僕ってそっちの芸風だったの?」と驚きました。

僕は品行方正で誰も傷つけない笑いの申し子だと思ってたのに、まさか自分が毒舌だったなんて知りませんでしたよ。

久保田さんの代役っていうのがもう面白くて。僕はスマホの画面が見えないので、芸人の中で唯一オンカジができないから番組も安心というわけですね。僕以外の芸人は全員やってるんじゃないですかね。あれ、やっぱり毒舌かも。

4月には『5時に夢中!』(TOKYO MX)に出演。生放送で「胸よりお尻のほうが好きです」と大発表。下ネタOKの番組も大好き。

5月には吉本新喜劇とコラボして、なんと主役をやらせていただきました。間寛平さんに協力していただいて実現したので、僕にとって寛平さんは恩人なんです。この公演の評判がものすごく良くて、26年5月にも、もう一度新喜劇をやらせてもらえることになりました。

6月には僕のエッセー集『迷ったら笑っといてください』(太田出版)が発売。

そして7月と8月は、まあ暑かった。あ、振り返りじゃなくて、ただの夏の感想でした。

9月には僕の冠番組『濱田祐太郎のブラリモウドク』(ABCテレビ)の熱海編が放送。そのロケで人生初のシュノーケリングにチャレンジしました。楽しかったなあ。

10月には『大悟の芸人領収書』(日本テレビ系)に出演。そこで「目が見えないけど『逃走中』に出演してハンターから逃げ切りたいです」と僕が言ったら、MCの千鳥・大悟さんに「逃げ切っても、逆に開始3秒で捕まってもおもろいな」と最高のコメントを言ってもらいました。ぜひ『逃走中』には出演したいです!

11月には『水曜日のダウンタウン』(TBS系)に出演し、安田大サーカスクロちゃんにドッキリを仕掛けました。『水ダウ』のモンスターと共演できてうれしかったです。

濃い一年でしたが、一番の出来事はなんといっても「インスタのハチミツ事件」ですね。

僕は普段からインスタグラムに自分で撮った写真を投稿してるんですけど、目が見えないのでどんな写真になってるのか毎回わからない。だからフォロワーがどんな写真になっているのかコメントで教えてくれたりするんです。

それでこの前、差し入れでもらったハチミツの瓶の写真を投稿したら、「ふたの上に堂々と陰毛が乗ってます」ってコメントがたくさん来て、そこで初めてそんな写真になっていることを知りました。

これが僕の2025年です。今年もありがとうございました。

●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう) 
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】

撮影/梅田幸太

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