高木 豊氏が語るNPB新監督3人の印象と、1年目で解決すべき...の画像はこちら >>

現役時代はヤクルト、巨人でもプレーした、DeNAの相川新監督。昨季リーグ2位だったチームを頂点に導けるか

2026年のプロ野球、新たにチームの指揮を託された相川亮二新監督(DeNA)、池山隆寛新監督(ヤクルト)、サブロー新監督(ロッテ)に求められることは何か。

かつて大洋(現DeNA)などの主力選手として活躍し、現在はYouTuberとしても活動する野球解説者の高木 豊氏に、各監督とのエピソードも交えて語ってもらった。

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――高木さんにとっては古巣の後輩、相川新監督の印象から伺えますか?

高木 豊(以下、高木) 三浦大輔前監督も相川も、04年のアテネ五輪の野球日本代表で一緒に戦った仲です(高木氏は守備走塁コーチ)。

キャッチャーの主戦は城島健司(現ソフトバンク・チーフベースボールオフィサー)でしたが、控えだった相川がそのサポートをずっとしていました。対戦相手の特徴を伝えたり、ベンチからサインを送ったり。短期間の大会でデータを頭に詰め込むことは大変ですが、そういった作業を進んでやってくれていました。

五輪が終わってチームが解散するとき、城島は自分のミットに選手全員のサインをもらって、相川にプレゼントしていましたよ。それだけ感謝していたんでしょう。

――相川新監督には、個人的に思い入れがある?

高木 やっぱり、かわいい後輩ですよ。それと、アテネ五輪の日本代表が史上初のオールプロで結成されたチームで、長嶋茂雄監督が選手たちに「〝野球の伝道師〟となって、野球の素晴らしさを後世に伝えていってほしい」というお話をされたんです。

そこにいた三浦がDeNAで監督を務め、そのバトンを相川につないだというのは感慨深いですし、応援しているので頑張ってほしいですね。

――指揮官として、どんな戦い方をしそうですか?

高木 戦い方はオーソドックスだと思います。意外と固定観念が強い人間なので、突拍子もないことはあまりしないんじゃないかなと。

現役時代のリードにしても、「この状況で、このコースに要求するか?」みたいなケースはあまりなかったので。

――続いてヤクルトの池山新監督ですが、高木さんは現役時代が重なっていますね。グラウンドで話をすることはありましたか?

高木 一緒にごはんを食べに行くといったことはなかったですが、グラウンドではたまに会話をしていました。共通していたのは、お互いに守備を頑張っていたけれど、なかなかゴールデン・グラブ賞を受賞できなかったことです(高木氏は1983年に二塁手部門で、池山監督は92年に遊撃手部門で受賞)。

池山の場合は、同じポジションに守備の名手の川相昌弘(巨人ほか)がいたんです。ただ、僕の目から見ると、池山のほうが守備を頑張っていたシーズンもあったんですよ。

僕も、二塁手として(当時の)日本記録となるシーズン守備率(.997)をマークした87年でも、受賞できなかったりして......。

だから池山が守備を頑張っても受賞できなかった年に、「頑張っていたのに、かわいそうだな」と話しかけたら、「豊さんもそうですよね」と。彼とは同じ境遇にある、という感覚がありました。

――池山さんは豪快なバッティングだけではなく、守備にも定評がありましたね。

高木 豪快なスイングでバックスクリーンにホームランを打ち、〝ブンブン丸〟という愛称で呼ばれたりもしていましたが、守備も大切にしていました。肩も強かったですし、彼の守備はすごく迫力がありましたね。

僕も池山も一度だけではありますが、ゴールデン・グラブ賞を受賞できて良かったと思いますよ。

――池山新監督に期待することは?

高木 投打とも課題の多いチームをどう整備していくのか。村上宗隆がメジャーに挑戦することが決まり、塩見泰隆も故障が多くて計算できない。山田哲人も衰えが顕著でセカンドでは無理だろうという見方があり、コンバートになるかもしれない。

まずはどんな采配を振るかではなく、どんな選手がそろうか、そろえられるかということ。ある程度戦える態勢が整ってからじゃないと、采配どころではないですから。

――そのヤクルト同様、昨季はリーグ最下位に沈んだロッテ。サブロー新監督との接点はありますか?

高木 グラウンドで何回か話したことはありますが、そこまで深い話はしていません。秋季キャンプでは〝昭和〟や〝厳しさ〟というフレーズを前面に出していましたが、どこまで〝昭和の野球〟に徹するのか、という部分に注目しています。

昭和の野球はレギュラー中心でしたし、選手たちの打順も守備位置も固定されていました。今のプロ野球は、ベンチにいるメンバーを回しながら戦う傾向がありますが、昭和の野球をするのであれば、固定して戦ってほしいです。

ただ、ロッテはレギュラーと呼べる選手がいません。

来季、開幕から固定で使われそうなのは、新人王を受賞した西川史礁くらいじゃないですかね。外野は選手層が比較的厚いですが、内野はなかなか名前が出てこない。ヤクルトと同じく、チームの立て直しは大変だと思いますよ。

――サブロー監督には、どんなことが求められる?

高木 彼は現役時代、4番も打った年にチームを日本一に導いていますよね(05年、10年)。それまでは一発のあるバッターが4番を務めることが基本線でしたが、当時のボビー・バレンタイン監督らがサブローを4番にして打線を機能させた。ということは、「どのようにつないでいけばいいのか」という意識がすごく強い人間だと思うんです。

今はピッチャーのレベルが高くなっているので、なかなかつないで点を取るのは難しい。一発であったり、足を使ったり、そういう部分で勝機を見いだしていく傾向があります。

ロッテの場合は、髙部瑛斗や藤原恭大、友杉篤輝ら足を使える選手が多いので、それらを踏まえてつなぐ野球をどうアレンジしていくか。つなぐ4番、チームを勝たせるための4番だったサブローが、そういった経験を生かして野球をしてくれると面白そうですね。

取材・文/浜田哲男 写真/産経新聞社

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