日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。「アバター」シリーズ、待望の最新作!* * *
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』評点:★2点(5点満点)
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おなじみのクライマックスがまたもや繰り返される

3作目にして、このシリーズの持つ弱点があまりにもはっきり露呈してしまった感は否めない。

物語性がどこまでも希薄なのだ。

そのことは、9時間を越すシリーズを通じて、惑星パンドラを巡る状況がほとんど変化していないことからも明らかだ。

だから今回もクライマックスはナヴィ族と悪い地球人との戦いで、VFX技術の粋を凝らした大バトルが繰り広げられる。

もちろん小さな変化はそこかしこにあって、例えば本作でイカが大活躍するのは楽しかったし、さらに悪いナヴィ族が参戦したことでバトルがややこしくなったりはしているが、イカんせんマンネリの誹りを免れるものではない。

ジェームズ・キャメロン監督の過去作を想起させる場面がいくつも投入されているのも、ファンサービスなのか手持ちのカードが不足しているのか微妙なところだ。

それこそ『エイリアン2』よろしく、女同士の戦いで片方が相手を「ビッチ!」と罵る場面を観て、我々は何を思えば良いのだろうか?

主人公が感動的なスピーチを聞かせるはずの場面が「お父さんは凄い演説をしてみんなを結束させた...(大意)」と、ナレーションで処理されていたのにも驚愕させられたが......。

STORY:地球滅亡の危機に瀕した人類は神秘の星パンドラへの侵略を開始。アバターとして潜入した元海兵隊のジェイクはパンドラで家族を築き、人類と戦う決意をする。しかし、今度はパンドラの"灰の部族"アッシュ族と対峙することになる

監督:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントンほか
上映時間:197分

全国公開中

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