【からあげ&ねこまんま】亀戸の酒場で出会った日替わりサービス...の画像はこちら >>
ある日、あるとき、ある場所で食べた食事が、その日の気分や体調にあまりにもぴたりとハマることが、ごくまれにある。

それは、飲み食いが好きな僕にとって大げさでなく無上の喜びだし、ベストな選択ができたことに対し、「自分って天才?」と、心密かに脳内でガッツポーズをとってしまう瞬間でもある。

そんな"ハマりメシ"を求め、今日もメシを食い、酒を飲むのです。

* * *

あけましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。本年も何卒、ハマりメシをよろしくお願いいたします。

さて、新年の挨拶もすんだところで、年明け一発目から新年感がまったくない話題で恐縮ながら、先日出会ってあまりにもインパクトが大きすぎた、からあげの話。

とある商業施設のそこの店舗にしか在庫がなく、取り置きをお願いしていた商品をピックアップにいかなければいけないというミッションがあり、久しぶりに、昼から亀戸の街に出かけていった。用事はすぐに終わり、あとは自由時間。亀戸の街を歩きだす。

なんとなくの想定として、大好きな「亀戸餃子」で、あの酒に合いすぎるライトな餃子を2、3皿つまみつつ一杯やり、さらに昼間から飲めそうな店を探してハシゴ酒ができればな、なんて考えていた。ところが亀戸餃子は、店の外まで待ち客の大行列。回転は早いだろうが、せっかちな僕はいったん別の飲める店を探したくて、さらに繁華街を徘徊する。

すると前方に「かんぱい家」という営業中の酒場が。

自分好みの古くて渋い酒場というよりは、まだ新しそうな、若干テンションが高めの店のようにも見えるも、看板に大きく「昼から飲んで何が悪い?」と書かれているのがいい。そう、なにも悪くない。

【からあげ&ねこまんま】亀戸の酒場で出会った日替わりサービスからあげは、まさかの42円! はたしてその実力は!?:パリッコ『今週のハマりめし』第219回
「大衆酒場かんぱい家 亀戸店」

「大衆酒場かんぱい家 亀戸店」

さらにすごいのが「爆裂価格」と書かれたサービスメニューの存在で、月?日曜まで、毎日なにかひと品が、信じられないような価格で提供されているらしい。この日は火曜日だったので、え~と、火曜のサービスは......なんと、「若鶏からあげ」が税込42円!?

【からあげ&ねこまんま】亀戸の酒場で出会った日替わりサービスからあげは、まさかの42円! はたしてその実力は!?:パリッコ『今週のハマりめし』第219回
まさに爆裂価格

まさに爆裂価格

もちろんまだ店の素性がわからないので、この看板メニューや、その隣にあるかなりお得に見える飲み放題プランで気を引いておいて、その他のメニューが意外と高く、最終的にそこまで安くなかった、というパターンもありえる。けれども、やっぱり42円のからあげは気になるし、それとつまみをもう1品頼んで、酒1、2杯でサクッと切り上げてしまえば、重篤なダメージを負うこともないだろう。ここは試しに入ってみることにしよう。

入店し、カウンター席に着く。年末ということで平日限定の60分1,098円の飲み放題は選べず、最安は120分1,758円。さすがにそんなに腰を落ち着けるつもりはないので、普通に「ホッピーセット」の白(484円)をチョイス。すぐにお通しの生キャベツ(429円)とともにやってきた。やっぱりお通しはあったか。この時点で先ほどの不安が、ほんの少しだけ大きくなる。

【からあげ&ねこまんま】亀戸の酒場で出会った日替わりサービスからあげは、まさかの42円! はたしてその実力は!?:パリッコ『今週のハマりめし』第219回
亀戸昼飲みスタート

亀戸昼飲みスタート

が、よく考えるとホッピーセットはかなりリーズナブルだし、卓上のチョレギサラダ風ドレッシングをかけて食べるキャベツはいいつまみになる。まだ判断するには早計だ。続いて、かなり豊富に取りそろえられたおつまみメニューのなかから、からあげと合わせて頼んでおいた「生ニラナムル」(429円)も到着。

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「生ニラナムル」

「生ニラナムル」

こんどは不安が少し払拭される。というのも、この生ニラナムルがシンプルにものすごく美味しいのだ。シャキッとしたにらは見るからに新鮮で、そこにごま油の香り、絶妙な塩気、ほのかな酸味。食べても食べても具体的になにで味つけてあるかがわからないバカ舌ながら、これは間違いなく、今まで食べてきたにら料理のなかでも上位に入るうまさだ。量もたっぷりで、ホッピーがぐいぐい進む。

そしてこのあと、いよいよ42円のからあげが登場するわけだけど、その衝撃がすごかった。今までちまちまと、得かな? 損かな? などと頭のなかで考えていた自分がバカみたいだ。つまりやってきたからあげが、そのくらい有無を言わせぬ超絶インパクトな一品だったというわけで、大変申し訳ありませんでした。かんぱい家さま、今までの無礼な発言、すべて撤回させていただきます。

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若鶏からあげ

若鶏からあげ

届いた瞬間、小さく「えっ......」とつぶやいてしまった。なにしろ、からあげひとつひとつが巨大すぎる。写真でそのインパクトを伝えきれないのがもどかしいが、本当に自分のにぎりこぶしくらいある。いったん山を崩してみると、その巨大からあげが、全部で5個。

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存在感がすごい

存在感がすごい

さっそくひとつにかぶりつく。薄めでクリスピーな衣と、しっとり柔らかい肉。噛むと熱々の肉汁が口にあふれだし、塩加減やスパイシーさも絶妙。まるで誰もが思い描く理想像を形にしたようなからあげだ。

さらに個人的にポイントが高いのが、添えられたマヨネーズ。僕はマヨネーズに七味もしくは一味唐辛子をたっぷりとかけたものにからあげをディップし、それをおかずに白米をほおばるのが大好きなのだ。この量のからあげが目の前にある時点で、ハシゴ酒をしている余裕はなくなった。ならばこの店で心ゆくまで、思い残すことのないくらいに楽しんでやろう。

というわけで、ごはんものメニューのページを開き、ライスはなかったのでいちばん近い「温玉ねこまんま」(429円)を追加。よし、ここからはモードを変えて、からあげ&ごはん爆食タイムだ!

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「温玉ねこまんま」

「温玉ねこまんま」

ねこまんまの上に一味マヨをつけたからあげを並べてゆく。ごはんもまたけっこう大きめのどんぶりでやってきたんだけど、それでもからあげが巨大すぎ、一度にのせられたのは3個まで。そこに、これも合うに違いない残りのにらナムルを添える。

【からあげ&ねこまんま】亀戸の酒場で出会った日替わりサービスからあげは、まさかの42円! はたしてその実力は!?:パリッコ『今週のハマりめし』第219回
火曜日のからあげ丼

火曜日のからあげ丼

ザクっとジューシーで、マヨ一味の辛味とまろやかさまでまとってしまったからあげを口いっぱいに詰めこみ、さらにごはんを遠慮なくほおばる。シャキシャキのにらや、とろりとした温玉のアシストも強力だ。うまい。うますぎる。

合間にナカをおかわりしたホッピーを挟みつつ、この量だ。満腹中枢が働きはじめる前に食べられるだけ食べてやれ。と、ひたすらにがつがつ。

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ホッピーの清涼感が合う

ホッピーの清涼感が合う

やがて温玉が崩れた丼のなかはさまざまな味が入り混じる幸せの海状態となり、そこへのせきれていなかったからあげをどぼんと追加。
ふと冷静になって思い出すとこのからあげ、これ全部で42円なんだよな......。ちょっと理解が追いつかないぞ。

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幸せの海

幸せの海

これだけ満足感のあるからあげ丼を堪能し、けっきょくホッピーのナカは2回追加して、お会計は2,000円ほどだった。序盤、疑ってしまいすみません。僕は圧倒的に支持します。かんぱい家 亀戸店

取材・文・撮影/パリッコ

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