都内で人気のちゃん系、「新橋ニューともちん 神保町店」。中華そばはライス1杯無料で750円!
2026年に全国的に注目されるラーメンは? 年間600杯を超える実食レビューを発信する『ラーメン一杯いくらが正解なのか』(ハヤカワ新書)著者の井手隊長が大予想します!
【ラーメンは26年を生き残れるのか?】2026年のラーメン業界を語る上で、まず読者に突きつけなければならない現実がある。
小麦や豚肉、スープ用の食材など原材料費の値上がり。大量にスープを炊くラーメン店にとっては、光熱費の値上がりも死活問題。さらに、人件費の上昇も忘れてはならない。結果、首都圏ではラーメン1杯1000円超えが当たり前になったが、客の感覚はそう簡単に切り替わらない。
ラーメンは長年〝日常食〟として消費されてきた。多少の値上がりは許容されても、日常食が〝ごちそう価格〟になるのは本能的に拒まれる。店側がどれだけ原価上昇を訴えても、客は納得しきれない。この認識のズレこそが、今のラーメン業界が抱える最大のジレンマだ。
このひずみの中で、25年のラーメン業界は必死にもがいていた。そして、そのもがきの先に見えてきたのが、26年の姿である。
まず、価格高騰への現実的な回答として急浮上したのが「汁なし系」だ。
現在、「東京油組総本店」「元祖油堂」などが、ラーメン1杯1000円超えが当たり前となった首都圏で躍進しており、「汁なし系」はもはや〝変化球〟でないのは明らかだ。安定して儲かる主力商品として地位を確立している。この波は地方都市にも一気に広がることになるだろう。
汁なし系、東京・池袋の「油そば 鈴の木」の辛まぜそば900円。麺や肉の増量などのトッピングも自由自在。
さらに、全国的に個人店では、ラーメン一本勝負から脱却し、【原価をかけたラーメン+利益を支える汁なし】という2枚看板体制が増えていくはずだ。
汁なしで利益を取る分、ラーメンの原価率が多少高くてもやっていけるという、「店全体の利幅で考える」やり方だ。これは味の問題ではなく、合理化を極めた生存戦略なのである。
そんな合理化の流れと並行して、真逆とも言える動きも起きている。
半濁り系、「らーめん3000」の醤油らーめん1000円。昨年、東京・駒込に開店し、首都圏に半濁りファンを増加させている
90~00年代の東京ラーメンを源流としながら、技術は完全に現代化された。懐かしいのに新しい。この二重構造が若年層とベテラン層の両方をつかんだ。
派手さより完成度を追求する姿勢は、結果として店の寿命を延ばし、地域に根づくラーメンを増やしていくこととなる。この静かな進化は、今年も止まらない。
そして、26年も引き続き人気を維持するのが「ちゃん系」だ。赤いテント、少ないメニュー、豚清湯(チンタン)のショッパウマスープ。
「ちゃん系」の本当の強さは、ノスタルジーではない。「ノーリーズン、説明不要でうまい」ことだ。情報過多の時代に、考えずに食えて確実に満足できる。この思考停止型の快楽は想像以上に強い。
なぜかビートルズを流している店が多いのも個人的にポイントが高い。令和の今、ビートルズを聴きながら「ちゃん系」を食べる気持ち良さはオジサンならきっとわかってもらえるだろう。
立ち食いスタイルでコンパクトな店構えが特徴の「新橋ニューともちん 神保町店」
何より「ちゃん系」は、店側のオペレーションが比較的シンプルで再現性が高く、初訪問でも失敗しない安心感がある。ただ腹をすかせて行き、黙って食えば満たされる。
この強制力のない満足感こそが、「ちゃん系」が幅広い層に支持される最大の理由だ。26年、全国の至る所で「ちゃん系」の赤テントを見ることになっても不思議ではない。
「ちゃん系」はブームを超えて〝街のインフラ〟として定着していくだろう。
一方で、新たな刺激として存在感を増しているのが「麻辣湯(マーラータン)」だ。薬膳の健康イメージ、スパイス感、カスタマイズ性。チェーン各社が限定メニューとして投入し、市場は一気に温まった。
ラーメン店にとっても無視できない存在であり、「中本」「鬼金棒」とは違って女性中心にウケているのも注目点で、業界に〝令和の辛みブーム〟を起こせる可能性も十分に秘めている。26年、辛さをどう扱うかは明暗を分けるテーマになるだろう。
そして、最も大きな構造変化が個人店M&Aの加速だ。吉野家HD、クリエイト・レストランツHD、松屋フーズHD、魁力屋などがラーメン店を買収する流れが今年はさらに強まる。
最近のホットなニュースは松屋フーズによる、「六厘舎」などを展開する松富士食品の買収だ。つけ麺という専門ジャンルで確固たる地位を築いた「六厘舎」はゼロからは生み出しにくいブランドであり、大手にとって極めて魅力的な資産だった。
職人技術と経営スキルの乖離、事業承継問題、人材不足。3~5店舗規模で成功している店ほど、個人で抱えることの限界が見えてくる。
最後に、カップ麺の話をしておきたい。市場は二極化する一方で、名店監修で培われた技術を生かした〝ノーネーム商品〟のレベルが異常なほど高くなっている。
セブン-イレブンの「セブンプレミアム」、ファミリーマートの「ファミマル」、ローソンのオリジナルカップ麺は、年々完成度を上げ、もはや〝安かろう〟の領域を完全に脱した。各社がしのぎを削ることで、スープの厚み、麺の食感、香りの再現度は確実に進化した。
店名がなくても納得できる一杯が増えた結果、消費者の舌は確実に鍛えられているから、ラーメン店は本当に大変だ。
今のラーメン業界は、最もシビアかつ、面白いフェーズに入ってきている。26年も、目が離せない。
取材・文・撮影/井手隊長
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