元米陸軍情報将校が警告「米中戦争はすでにもう始まっている!!...の画像はこちら >>

12月10日、日本海上空を飛ぶ空自F15戦闘機3機、F35戦闘機3機を、米空軍B52爆撃機2機が護衛した(写真:防衛省)

元米陸軍情報将校が警告「米中戦争はすでにもう始まっている!!」
四国沖を飛行する中露爆撃機編隊を、空母遼寧から発艦した中国海軍戦闘機が護衛していた(写真:防衛省)

四国沖を飛行する中露爆撃機編隊を、空母遼寧から発艦した中国海軍戦闘機が護衛していた(写真:防衛省)

12月6日、中国の空母「遼寧(りょうねい)」から飛び立ったJ-15が、F-15Jに対して約30分間にわたり断続的にレーダー照射した。そしてその3日後には、中国軍とロシア軍(以下、露軍)の爆撃機が太平洋上へ進出し、日本南部上空を飛行した。

『週刊プレイボーイ』本誌では先だってその中国軍の真意や"能力不足"を分析。その記事でも米軍との関わりに触れたが、元米陸軍情報将校の飯柴智亮氏は「米中戦争はすでに開始されており沸点は近い」と警告する。

「そもそも、その米中戦争はいつ始まったのか。意見は色々とあると思いますが、1999年が『米中戦争元年』と考えていいと思います。

この年は米空軍による在ベオグラード中国大使館爆撃事件がありました。同時に中国軍のハイブリット戦争戦略の原点である論文『超限戦』が発表された年でもあります。

ちなみに米中戦争の中国側の失敗は、この『超限戦』の発表です。国家機密扱いにしておけばよかったのですが、手の内をバラしたことで中国は不利になりました」

そして、今回のレーダー照射事件の原点はここだと断言するのが、2001年の海南島事件だ。

「米海軍偵察機と中国軍戦闘機が空中接触した事件です。中国戦闘機は墜落、米海軍偵察機は海南島に緊急着陸しました。

また2021年には、米潜水艦コネチカットが海図にない海底の山に接触した事故がありましたが、あれも中国海軍から何らかの攻撃があったと考えていいでしょう。例えば弾頭が付いてない魚雷を被弾した、などです。

他にもこの25年間、米中間ではかなりの数の接触があり、それらは国際政治の理由から発表されていません」

影ですでに動いている米中戦争。本格化すれば、確実にその最前線として日本列島も含まれる。今後の米中戦争の展開はどうなるのだ。

「最前線は第6世代戦闘機、フォード級空母、そして新型攻撃型原潜SSN-Xの開発にあります。これらを軸にした艦隊を完成させた方が勝利するでしょう。そして、その情報戦争は熾烈を極めています」

情報戦が進む中、別の方面で大きな動きがあった。飯柴氏は「中国が米国に仕掛けるアヘン戦争の最前線にケリがついた」と言う。

「最重要な問題はフェンタニル問題です。フィラデルフィアに代表されるように、米国では安価で強力な鎮痛剤『フェンタニル』の過剰摂取により、ゾンビのようになった人たちが溢れています。

これらは中国から米国に郵便で送られてきていました。しかし、最近では取り締まりが厳しくなってしまった。そこで、中国は中南米に拠点を持つ麻薬カルテルに資金援助し、中南米産のフェンタニルを米国に密輸するようになったのです。

トランプ大統領がベネズエラを潰そうとしていた理由はここにあります。フェンタニルを運ぶ潜水艇を沈めたり拿捕している裏には中国がいます。これこそ、まさに現代のアヘン戦争です。その最前線のひとつが、トランプの速攻でケリがついたというわけです」

だが、これで米中戦争が終わるわけではない。冒頭でも警告したように、むしろ戦闘が本格化する危機は近づいているのだ。

「この沸点の見極めが重要でしょうね。沸騰してから『うわ、やばいじゃん』ではなくて、いつ危機が来てもいいように日本が準備しておかないといけません。

1月9日に中露爆撃機の計4機が東京まで700㎞の地点まで接近しました。それが、沸点対策として日本の準備・練習に最適でした。中露爆撃機による、日本首都圏への核攻撃のシミュレーションに役立ったはずです」

今回、東京に近づいた中露の爆撃機は「H-6」(中国)と「Tu-95」(ロシア)。

H-6は推定射程1500~2500㎞以上の核弾頭を装着可能な空対地巡航ミサイル「CJ20」の発射能力を持つ。最大6発搭載可能で、そしてその搭載核弾頭の威力は推定20~90ktだ。

さらにTu-95は、核弾頭搭載の新型のステルス巡航ミサイル「Kh-102」を最大8発搭載可能で、射程は2500km~5500km以上。その核弾頭の威力は250~450ktとなっている。

ちなみに長崎に投下された原爆の威力は約20kt、広島は約15ktだった。つまり、今回の4機で、広島と長崎に落とされた原爆約500発分の威力があるのだ。もし使用されれば、東京を含む首都圏は確実に消滅する。

「去年、『ハウス・オブ・ダイナマイト』(キャスリン・ビグロー監督)という映画が公開されました。

アメリカに向けて発射国の分からない核ミサイルが接近して、シカゴが消滅するまでの15分間の話です。国家を存続するために米大統領、国防長官、さらにその他必要な人材はすぐに安全な場所に避難。それ以外の政府職員は、自分の社会保障番号を某所に通知して、死亡リストの準備を開始しました。

あの日、日本政府の動きはあったのでしょうか? 高市(早苗)首相は、首都圏からヘリで脱出し、日本国、そして自衛隊の指揮が執れる核退避壕に移動したのでしょうか?」

元米陸軍情報将校が警告「米中戦争はすでにもう始まっている!!」
有事の際には米国大統領と首脳側近は全力でこの「エアフォースワン」に乗って空中に避難する。「終末の日に飛ぶ飛行機」と呼ばれていて、核戦争が発生した時に米軍の軍事指令センターとして機能する(写真:共同)

有事の際には米国大統領と首脳側近は全力でこの「エアフォースワン」に乗って空中に避難する。「終末の日に飛ぶ飛行機」と呼ばれていて、核戦争が発生した時に米軍の軍事指令センターとして機能する(写真:共同)

中露の爆撃機が、亜音速の巡航ミサイルを発射すれば、東京へ着弾するのに一時間弱。しかし、高市首相は終日、東京・赤坂の衆議院議員宿舎で過ごしていた。

「こういう事態では、核攻撃があるという前提で行動しなければなりません。米中戦争の最前線が日本列島全域になるのですから」

4機の中露爆撃機が来襲した翌日10日、一機の米空軍B-52爆撃機が、空自のF-15、F-35、計6機に守られながら日本海を飛行した。B-52の核兵器搭載能力は、射程2400㎞の核搭載巡航ミサイル「AGM86B」を最大20発。核弾頭W80は500~200ktの威力だ。

もし中露が日本へ核攻撃を行なった場合、果たしてトランプ米大統領は中露への報復核攻撃として、B-52搭載の核弾頭巡航ミサイルの発射許可を出すのだろうか......。

取材・構成/小峯隆生

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