高市首相が伊勢神宮を参拝。「勝たせてください」と祈りに行ったのだろうか? いよいよ波乱の衆議院選挙が始まる(写真:共同)
ロシア・ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。
* * *
――高市早苗首相は1月5日、安倍首相の遺影を掲げながら伊勢神宮に参拝しました。
これは、1944年の大日本帝国の国策映画『かくて神風は吹く』で北条時宗が言ったセリフ、《心をもって、皇御国を守らんとする、これらの赤誠、天に通ず。4000余りの敵舟を一夜のうちに覆滅し候。これ、皆、伊勢におわします皇祖神霊の御神業》を感じさせます。
そして1月14日に高市首相は、23日召集の通常国会の冒頭で衆院解散をする意向を自民党幹部に伝えました。「脳内戦艦サナエ」、ついに決戦の海へ出撃ですか?
佐藤 奇襲攻撃の成功を祈願したのでしょう。
――真珠湾攻撃、ですか?
佐藤 そうです。奇襲攻撃だから、当時のアメリカも対応できませんでした。
――ならば自民は勝てる! 神風は吹きますね!?
佐藤 アメリカのプロレスラー、グレート東郷の真珠湾奇襲攻撃を連想させる「パールハーバー攻撃」って知っていますか?
――なんですか、それ?
佐藤 グレート東郷は試合中に自分がピンチになると、『許してくれ』と卑屈なまでの詫びを懇願します。それで、相手が攻撃を止めた直後に、急所蹴りを放ち、パンツの中に入れた塩を相手の目にかけたりと、卑怯な技を使うことでアメリカ国民に真珠湾攻撃を想起させていたんですよ。
――目潰しして敵に勝つ!!
佐藤 そう。なぜなら、立ち向かう相手の大勢(たいせい)がわからないから、奇襲をかけるんです。
――成功すれば、神風が吹き、「脳内戦艦サナエ」は勝利するのですか? それとも、自民党玉砕となるのか......。
佐藤 いまこの瞬間になって、読めない風になってきています。だから、立憲と公明なんですよ。中道連合として、合同名簿で対抗するんです。
――その名は「中道改革連合」。すさまじいネーミングです。
佐藤 過去の経緯から考えるならば、ごく自然なネーミングです。
いま、日本の政治で重要なのは、生命尊重、人間主義、平和という中道の価値観を持つ政治勢力が結集することです。中道は、中間ではありません。中間とは、右と左の間でバランスをとるということです。世の中が右になびけば右に寄り、左になびけば左になびきます。
中道は、これと根本的に異なる概念です。中道は創価学会における重要な価値観でもあります。公明党が目指す中道政治について小説『新・人間革命』第11巻「躍進」の章で山本伸一(小説『人間革命』と『新・人間革命』において池田大作氏はこの名前で登場する)はこう述べています。
《「私どものめざす中道政治とは、一言でいえば、仏法の中道主義を根底にし、その生命哲学にもとづく、人間性尊重、慈悲の政治ということになります。
人間性尊重とは、人間生命の限りない尊厳にもとづき、各人各人の個性を重んじ、あらゆる人が最大限の幸福生活を満喫していけるようにすることにほかなりません。社会のいっさいの機構も、文化も、そのためにあるものと考え、政治を行うのが、人間性尊重の政治であり、それによって築かれる社会こそ、われらの理想社会であると思うのであります」
次いで彼は、資本主義も共産主義も、ともに「人間不在」の政治に陥り、本末転倒の姿となっていることに、本源的な行き詰まりがあると指摘していった。
「資本主義社会においては、利潤の追求が第一義であって、そのため、人間一人ひとりの幸福が犠牲にされることも少なくない。共産主義社会においても、画一的な経済体制、全体主義的な国家形態のもとに、個々の人間の自由は強く抑圧されている。
この結果、資本主義社会は、大衆の犠牲をなんとか少なくしようとする方向へ、修正を余儀なくされております。また、共産主義社会も、個人の自由を認めるように、大幅な修正を加えざるをえなくなっております。
世界の時代の趨勢は、真に人間性に立脚した中道主義、中道政治を求めて動いていることは明らかです。まさに、中道主義によって、平和と繁栄の新社会を築くことを、全民衆が心から待望する時代に入ったと、私は確信するものであります》(池田大作『新・人間革命』聖教ワイド文庫、2006年、332~333ページ)
ここで山本伸一が語った内容が、閉塞した政治状況を突破する鍵になると私も考えます。
現下の日本では、一方において排外主義に堕しかねない極端なナショナリズム、他方において共産主義革命を目指す勢力があります。そのいずれも国民に禍(わざわい)をもたらします。仏法の中道を現実の政治の言語に転換すると、清潔な政治、平和主義、生命尊重、福祉の増進になります。このような価値観を体現した中道勢力結集の中核に公明党はなろうとしているのです。
――地球連邦軍の機動戦士ガンダムと、ジオン公国のザクが合体するような感じですが......。
佐藤 要するに「脳内戦艦サナエ」撃沈作戦ですね。「脳内戦艦サナエ」は、中道改革連合を返り討ちにしてやろうと思っているでしょう。これはほんとうの戦争です。
――なんと。奇襲攻撃を受けた両党が合体して、「脳内戦艦サナエ」と戦い撃沈する!! これは恐ろしい展開に......。
佐藤 ドイツと戦うために、第二次大戦でアメリカとソ連が手を組んだ感じです。
――それは最強の陣組です。
佐藤 「『脳内戦艦サナエ』を沈めないといかん」と公明党が本気になったわけです。
――すげえ。しかし、首相官邸でもこの連載コラムを読まれているのか、佐藤さんが「祈ればいいんだ」と勧めたところ、安倍首相の遺影をZ旗のように掲げながら、高市首相自ら伊勢神宮に参拝された。これは神風が吹くのでは?
佐藤 それはわかりません。やはり神風は最後まで努力しないと吹かないので、これからの努力にかかっています。
――伊勢神宮の参拝では「衆議院を解散して選挙をやります」と報告し、勝利をお願いしに行ったんでしょうか?
佐藤 そうです。「勝たしてください」と祈りに行ったんでしょう。
――これは、いまが令和の「元寇(げんこう)」、つまり、太平洋戦争に続く第三の国難ととらえ、神風を願っているということですか?
佐藤 そういうことです。
――なんでも自民党が昨年11月に行なった選挙戦シミュレーションでは、260議席を獲得して過半数を超えるとの事。さらに年初の極秘調査では、その議席獲得数は増えているらしいです。自民党は単独でそんなに議席を獲得するんですか?
佐藤 そうなるとは思えませんね。
――自民党が過半数どころか玉砕する可能性もあり得ますか?
佐藤 だから、それも今回はまったくわかりません。
――しかし、自民党大本営では「あれだけ首相の支持率が高ければ、自民党の支持率が低くても勝てる」と必勝の大勢であります。
佐藤 「では、なぜ先日の前橋市長選挙で勝てなかったの?」ということなんですよ。ラブホ市長が再選しましたよね。
――それは、前橋市の自民党の念力と祈りが足りなかったのでは?
佐藤 この前橋は、結構重要です。あそこは反自民ですからね。「ちょっとやり過ぎて、いじめ感が出た」というように総括していますが、それなら国政選挙に影響を与えることはありません。しかし、自民党王国の群馬県ですら、自民党に県民がそっぽを向いているならば、恐ろしいことになります。
――すでに自民党大本営では、勝った勝ったとされていて、神風は吹いています。
佐藤 問題の鍵を握るのは、中道改革連合です。特に中道改革連合の公明党系の人々の動きです。公明党の選挙における動きは普段は見えないんですよ。しかし、今回は見えています。どうしてだと思いますか?
――自ら動く標的として「脳内戦艦サナエ」の注意をひきつけ、その隙に......。
佐藤 ちょっとちがいます。公明党は組織選挙なので、創価学会は準備に3ヵ月かかります。しかし、今回は奇襲を受けて時間がありません。だから、異例の対応で"見せる選挙"を展開しているんです。
要するに巨大組織は恐竜と一緒で、尻尾の先の神経系統に脳からの命令が伝達されるのに時間がかかります。しかし今回はそれでは間に合わないため、メディアを通じて戦略を伝えないといけないんです。
――それが、中道改革連合をして「脳内戦艦サナエ」を撃沈せよ、という戦略。
佐藤 そうです。いまそれをメディアを通じて支持者に伝えているわけです。
――しかし報道では、どこかの選挙区の自民党の方が、「ウチは公明党との協力関係はバッチリ。でも、隣の選挙区はヤバそうだ」と言っていましたけど。
佐藤 甘いですね。公明党の斉藤鉄夫代表は自身の選出区である広島3区から出馬しないと表明しました。選挙区を棄て、背水の陣で中道改革連合で闘うというのです。
――すると自民党の方々は、自公連立が20数年続いてきたのにもかかわらず、公明党と創価学会の論理と動き方がわかっていないのですか?
佐藤 いまの自民党執行部はわかっていません。下の方でお互いにうまくやっているからというレベルで、創価学会の内在的論理を理解していません。
――すると、自民党に神風が吹くどころか、大玉砕となる。
佐藤 だから、いずれにせよ、蓋(ふた)を開けてみないとわからない状況なんです。神風が吹くかもしれないし、玉砕するかもしれない。
――今回の自民党の選挙運動は街頭演説をせずに、ひたすら祈るしかない、と。
佐藤 それが一番です。本気で念ずるべきでしょうね。念力を信じることです。
公明党員の大多数は創価学会員です。創価学会員は信心即行為です。現実の世界でリアリティを持った形で、各選挙区ごとにどのようにきちんと組織選挙をやるか、戦略をもって戦っています。
そう考えると、念力に頼る自民党と、数字と組織力で勝負する公明党の対立となります。
――それ、国策映画を作ったころの1944年の大日本帝国軍と、数で組織戦闘する連合軍の戦争ではないですか。
佐藤 はい、同じ構図ですね。
次回へ続く。次回の配信は2026年1月23日(金)予定です。
取材・文/小峯隆生
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