進化した呂布カルマの"例の木"とは?「俺にもその価値は計り知...の画像はこちら >>

『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ

ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『例の木』について語った。

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★今週のひと言「知る人ぞ知る俺の例の木がこの1月さらに進化を遂げた」

「呂布カルマの例の木」をご存じだろうか?

知らなくて当然、知ってるあなたは好きものだね。

このコラム連載を始める前、正確にはコロナの直前まで、俺がトレードマーク的に持っていた謎の木片だ。

その木片には名がないので、「例の木」と呼称されている。

毎年春になると俺の地元、名古屋の鶴舞公園で、クラブ仲間たちの大規模な花見が行なわれる。俺はそこで毎年のように酒を飲みすぎ、記憶をなくしてポケットに入れたまま携帯を水没させたり、酒瓶を割って流血したりする。

そしてある年、いつものように記憶をなくした花見の翌日、俺の枕元に謎の木片があったのだ。

まったく身に覚えがなかったのだが、同じく花見に参加した後輩のインスタストーリーを見て理解した。

完全に出来上がった俺が、カメラの前で例の木を構え、俺はこの木を半年間肌身離さず持ち続けると誓っていた。花見をしているときに傍らに転がっていた木片になぜか心を奪われ、気に入って持って帰ってきたのだろう。

俺は酒に酔ったときのたわ言を映像に残したりSNSで宣言したりして、翌日シラフになったときに引くに引けないようにする。

なるほど、そう言われてみると、なかなかに趣深い形状をしている。よく流木と勘違いされるのだが、水辺から程遠い都会の公園で拾ったのだから流れてはいまい。

大きすぎず小さすぎず、それなりの存在感はありつつ持ち歩くのに苦労はない。それは持ち方によっては武器にも、楽器にも、また、赤子にも見えた。

俺は昨夜のひらめきに従い、その日から例の木をどこへ行くにも持ち歩いた。

当時、俺はまだテレビ番組『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日)のモンスターを務めていて、そこでバトルするときも、各地のクラブでLIVEするときも、とにかく人前に立つときはその木を常に片手にしていたし、仕事で著名人と会うときは木を抱いてもらって写真を撮った。

その木は謎の例の木としてそれなりに話題となり、クラブなどでは素人の女のコが自ら木を抱かせてほしいと声をかけてくる始末。

これ見よがしに小型犬を散歩させて回るオッサンの役得に似たものを味わったりもした。

そんなこんなで木と俺は相互依存の関係に陥り、当初半年のつもりが結局1年間木を持ち続けた。

手放せたのはコロナで仕事が減ったからだ。コロナ禍が明け再び人前に立つとき、俺はもう木に頼らなくても平気になっていた。

しかし、例の木は忘れられておらず、なんと俺抜きでテレビ番組に貸し出したり、例の木を主役とした短編ドラマまで制作された。

さらに3Dスキャンし、個別のスキンをまとわせた複数のNFTデータは、生配信で即完売した。

たまたま俺が拾った木は確実に俺以外の人間にも刺さっていたのだ。

俺が拾ったのではなく、木に拾わされたのかもしれないな。

そして俺が例の木を持たなくなってから5年ほど経過した現在、ついには「例の木チャーム」 として、3Dスキャンデータから小さく複製され、この1月にバンダイからガシャポンになって発売されたのだ。すでに日本各地の店頭に並んでいる。

買ってくれとは言わない。俺にもその価値は計り知れない。

しかし、すでに手に入れているあなたは、俺と同じく例の木に魅入られているのだ。

撮影/田中智久

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