50cc消滅後の"救世主"の実力を徹底検証! ホンダの新基準...の画像はこちら >>

寒空の都内で新基準原付を試乗! 寒さを忘れるほど熱く語った青木氏、その理由とは?

排ガス規制で歴史に幕を下ろした"原チャリ"。その代わりに登場したのが、チョー話題の「新基準原付」である。

いったいどんな走りを披露するのか!? ホンダが市場にブチ込んだ最新モデルを公道試乗。その実力をモーターサイクルジャーナリスト・青木タカオ氏が特濃解説する。

* * *

【50cc原付と何がどう違うのか!?】

――昨年、大きな話題となった「新基準原付」。まだピンときていない人も多いです。

青木 排ガス規制の強化により、2025年10月をもって50cc原付(原付1種)の国内生産は終了しました。ただ、日常の足として原チャリが欠かせないのも事実。そこで登場したのが、原付免許で乗れる新カテゴリーとなる新基準原付です。

――スペックは?

青木 排気量は50cc超~125cc以下、最高出力は4.0kW以下に制限。ふたり乗りは不可で、法定速度は時速30キロ。二段階右折などの交通ルールも従来の原付1種と同じです。免許の取り直しも不要で、位置づけとしては〝原付1種の進化版〟ですね。

――今、どんなモデルが発売されているんですか?

青木 盟主ホンダが先陣を切り、昨年11月20日にディオ110ライトを発売。

続いて12月11日にはスーパーカブ110ライト、スーパーカブ110プロライト、クロスカブ110ライトが登場しました。

――ほかのメーカーは?

青木 国内大手のヤマハもジョグ125を新基準に適合させ、3月に発売予定です。ネット上では、1980年代前半に繰り広げられたホンダvsヤマハによる〝HY戦争〟が、再び勃発するんじゃないかとザワついています。

――ホンダの売れ行きは?

青木 滑り出し好調です。ディオ110ライトは発表時点(25年10月16日)で、年間販売計画9000台に対し、すでに6000台のオーダーが入っています。

またカブ110ライトシリーズも、計画6500台に対して1700台の先行受注が入りました。年明けに販売店をかなり回りましたが、どこも「問い合わせが多い」と口をそろえていました。

――販売好調のホンダの新基準原付を試乗しました。

青木 ディオ110ライト、スーパーカブ110ライト、クロスカブ110ライトの3台をイッキ乗りしましたね。

――率直な感想は?

青木 車体は原付2種モデルと共通で、ふたり乗り不可のためタンデムステップを外し、ライト専用ロゴを装着しています。最高出力は抑えられていますが、排気量アップの効果は絶大。発進加速は50ccより明らかに力強く、あっという間に時速30キロに達し、その先にも余裕があります。

実際、クルマの流れに自然に乗れるし、速度超過防止の警告灯がメーターに標準装備されているのも親切です。

50cc消滅後の"救世主"の実力を徹底検証! ホンダの新基準原付3モデルを公道イッキ乗り!!
ホンダ ディオ110ライト 価格:23万9800円 前後14インチの大径ホイールで、クラスを超えた安定感を実現。さらにアイドリングストップやフロントディスクブレーキなど豪華装備を搭載しながら、この価格設定は圧巻

ホンダ ディオ110ライト 価格:23万9800円 前後14インチの大径ホイールで、クラスを超えた安定感を実現。さらにアイドリングストップやフロントディスクブレーキなど豪華装備を搭載しながら、この価格設定は圧巻

――それぞれの特徴は?

青木 人気ナンバーワンのディオ110ライトは、フラットフロアで乗り降りしやすく、50ccスクーターからの乗り換えを強く意識できます。

――ふむふむ。

青木 車体はやや大きめですが、専用ローシートでシート高を15mmダウン。トランク容量は1リットル減って17リットルになりましたが、足つき性を優先した判断は的確です。低価格でクセのないスタンダードスクーターとして爆売れ確実です。

50cc消滅後の"救世主"の実力を徹底検証! ホンダの新基準原付3モデルを公道イッキ乗り!!
ホンダ スーパーカブ110ライト 価格:34万1000円 50ccではドラム式だった前輪ブレーキが、ついにディスク仕様に! ホイールは軽量・高剛性なキャストタイプへ進化。ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)も標準装備

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――スーパーカブとクロスカブはどうでした?

青木 もともと50と110で車体を共用してきたモデルだけに、違和感はありません。50ccではギアを落とすような急坂も、力強くグイグイ上っていく。走りが楽しくて、思わず頬が緩みます。また、タイヤがチューブレスになるなど、装備面も110と同等にアップデートされています。

――なるほど。

青木 原付らしい軽快さに、パワーが加わった。これからも〝暮らしを支える足〟であり続けるでしょう。

50cc消滅後の"救世主"の実力を徹底検証! ホンダの新基準原付3モデルを公道イッキ乗り!!
ホンダ クロスカブ110ライト 価格:40万1500円 フロントには太めのタイヤを装着し、ブレーキも強化でタフなスタイルに! 街乗りからアウトドアまで幅広く活躍。さらに多機能液晶ディスプレーを搭載し、機能性も超絶進化

ホンダ クロスカブ110ライト 価格:40万1500円 フロントには太めのタイヤを装着し、ブレーキも強化でタフなスタイルに! 街乗りからアウトドアまで幅広く活躍。さらに多機能液晶ディスプレーを搭載し、機能性も超絶進化

――ただし、原付1種市場は縮小傾向にあります。

青木 とはいえ、新基準原付は起死回生の一手になる可能性もあります。実は国内にはまだ約433万台(日本自動車工業会調べ)の原付1種があり、二輪全体約1030万台の4割超を占めています。

つまり、買い替え需要が確実に存在する。確かに価格は上がりましたが、排気量拡大に加え、車体や装備の進化を考えれば、むしろ割安と言えます。

――話をまとめてください。

青木 軽自動車が1998年の新規格導入で国民車として再ブレイクしたように、新基準原付も〝シン・国民原付〟としてブームになる予感があります。アオキは本気で、そう感じていますよぉー!!

撮影/南 孝幸 取材協力/『月刊オートバイ』(モーターマガジン社)

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