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セクシー女優の引退から10年が経った今もインフルエンサーとして、そして国内外で事業を行う経営者としても注目を集める上原亜衣

そんな彼女が今年2月、再びストリップの聖地「浅草ロック座」のステージに立つ。

これが「人生最後」と宣言する出演の理由とは。

【再び「人前で脱ぐ」を決めた理由】

――今年で引退から10年という節目に、再び「浅草ロック座」のステージに立ちます。今回、改めて決断した理由は?

上原 少し前までは、ロック座にもう一度出ることは考えていなかったんです。でも、ここ2年くらい海外での事業展開が増えてきて、海外の方にもっと「日本の良さ」を伝えたいという気持ちが強くなりました。それで「私にできることって何だろう?」と考えたときに、やっぱりロック座という場所が浮かんだんです。

ロック座のストリップは昔からある日本の大切な文化であり、エンターテインメントであり、アートですよね。それを広く発信するのは、今の私ならではの役割なんじゃないかと思って。実際、最近はインバウンドの効果もあってロック座も海外からのお客さんが増えています。だから今回は、単なる復帰ではなく、日本の文化をもっと伝えていくための手段としても捉えています。

――ファンサービスというだけではないわけですね。しかし、再び「ストリップ」の舞台に立つ、つまり「人前で脱ぐ」ことに対しての葛藤はありませんでしたか?

上原 もちろんありました。最近は表に出ない裏方の仕事も増えていますし、今の自分を応援してくれているファンの方々には、現役時代の活動を見ていない人もいます。

そして、私の会社のスタッフたちがどう思うか、すごく考えました。私自身、もう引退している身ですから、脱ぐことへの心理的なハードルは現役時代よりも高い。だからこそ、今回を人生で最後にしようと決めています。

――最後と決めたからこそ、できる表現があると。

上原 それに、今の私の活動を未来につなげるための話題作りという側面も正直あります。ロック座に出ることは大きなニュースになりますから。

以前は「もう表に出るのは辞めて、経営に集中しよう」と思っていた時期もありました。でも、考えが変わったんです。私が表に出て「こういう活動をしているんだよ」と発信し続けることが、引退してセカンドキャリアを探している元女優さんたちへの道しるべになるんじゃないかって。そのためには私がもっとメディアに出て、注目を集めるべきだという結論になりました。

引退から10年。上原亜衣が最後の「浅草ロック座」出演を決めた理由「もう表に出るのは辞めようと考えた時期もあったけど...」

――気持ちの面だけでなく、過去の出演と今回に違いはありますか?

上原 前回(2022年)は出演が決まったのが直前で、準備もあまりできなかったんです。でも今回は去年の夏ごろから動いています。

以前は構成も衣装もお任せだったんですが、今回はコンカフェや美容サロンのプロデュースで培った経験を活かして、「こうしたい」という意見をかなり言わせてもらっています。

そして特にこだわったのは「和」の要素です。海外の方に日本文化を知ってほしいので、初めて自分の演目で本格的な和装を取り入れます。グッズの写真やデザイン、共演する女の子のキャスティングに至るまで、私の今の感性を詰め込んだ、ある種の「集大成」になると思っています。

――今は現役時代と体つきも変化しているように見えます。出演に向けたトレーニングもしている?

上原 そうですね。現役時代は若さだけで勝負していて、今より10kg以上太っていました(笑)。当時はそれが売りでもあったんですけど、引退した今の私にその需要はないじゃないですか。だから、ジムに通って体作りもしていますし、美容サロンも経営しているので美容にも気を使っています。

この出演によって「何歳になっても女性は輝けるんだ」ということを証明したい。昔の私を知っている人には「変わったな」と思ってほしいし、今の私しか知らない人には「こういう表現もできるんだ」と知ってほしい。過去の自分をなぞるのではなく、アップデートされた現在の上原亜衣を見てほしいですね。

引退から10年。上原亜衣が最後の「浅草ロック座」出演を決めた理由「もう表に出るのは辞めようと考えた時期もあったけど...」

【24時間仕事のことを考えている】

――今はインフルエンサーのほか、国内外でいくつもの会社を経営する経営者でもあります。

上原 ひとつひとつは決して大きな会社ではないですけどね(笑)。

――もともと経営に興味はあった?

上原 いえ、まったく。引退して最初の2年くらいは、SNSも全部消して完全にニートをしていました。でも、周りの友達がSNSでキラキラしているのを見て「いいな」と思っちゃって(笑)、軽い気持ちでYouTubeを始めたのが表に出る活動を再開したきっかけです。運良くYouTubeはすぐ軌道に乗ったんですが、始めて半年くらいで「これは続かないな」と直感しました。

――収益が出ていたのに?

上原 私は現役時代から「女優業は長く続けるべきではない」という考えを持っていて、スパッと引退しました。それと同じで、YouTubeも実際にやってみて、常に新しいコンテンツを出し続けなければいけない自転車操業だと感じたんです。

そこからですね。自分の知名度や広告塔としての価値を使わない事業、つまりインフルエンサーから実業にシフトしようと考えたのは。最初に立ち上げたのはメンズ美容サロンでした。当時はまだ珍しかったので、差別化できると思って。

引退から10年。上原亜衣が最後の「浅草ロック座」出演を決めた理由「もう表に出るのは辞めようと考えた時期もあったけど...」

――実際に経営をやってみて、最も苦労したことは?

上原 仕事と時間に対する感覚ですね。タレントや女優のお仕事は、基本的に「この時間働いたらいくら」と労働時間に対するギャラが決まっています。でも経営者は違う。自分でお金を出資して、リスクを背負って、そのうえで365日24時間ずっと仕事のことを考えていなければならないんですよ。しかも、女優は「短時間で高収入」の仕事だったから、この切り替えが本当に難しくて。

経営者になってからは女優を引退したコたちのサポートをしたいと思って、個人的にアドバイスや進路の相談に乗ったりしていたんです。でも、私も苦労したように、一度染み付いたマインドや上げてしまった生活水準はそう簡単に変えられない。相当な覚悟がないと、本当の意味でのセカンドキャリアは築けないんだと痛感しました。

――亜衣さん自身は、どうやってその感覚を変えていった?

上原 もう「気合い」と「思い込み」です(笑)。それに、私は結構ドライなんですよ。もともとほかのコよりもパッと切り替えられるタイプ。だから事業に関しても「とりあえずやってみよう」で始めて、「あ、これ違うな」と思ったらすぐに辞めます。

撤退がめちゃくちゃ早いです。

――経営の素人だと「これだけ投資したんだから」と粘って傷口を広げがちですが、亜衣さんは「損切り」が早いと。

上原 粘ってもダメなものはダメですから。半年後の数字を見て「あ、これ赤字になるな」と思ったり、自分自身の熱量が下がったりしたら、すぐに引きます。「また別で稼げばいいや」という感覚です。

それに、現役時代から詐欺にあったり、お金を持ち逃げされたりといった経験もしているので、怪しい話に対するセンサーもかなり敏感なんです(笑)。「やたら有名な人の名前を出す人」とか「最初から大きいことばかり言う人」は、だいたい怪しいですね。そういう修羅場をくぐってきた経験も、経営に活きているかもしれません。

引退から10年。上原亜衣が最後の「浅草ロック座」出演を決めた理由「もう表に出るのは辞めようと考えた時期もあったけど...」

【最終目標は「ファンのための老人ホーム」】

――自身の活動を通じて、どのような影響を与えたいと考えていますか?

上原 セクシー女優という仕事は、現状では「売り切り」のビジネスモデルなんです。作品がどれだけ売れても、基本的に最初のギャラだけで、印税のような継続的な収入は入ってきません。だからこそ、引退後の生活に困る子が多くて。

私は今、中国の工場と提携して商品開発をしたり、自分が権利を持てるビジネスを作ったりしていますが、これは「自分が表に出なくても収益が入る仕組み」を作りたいからなんです。

こういう前例を作ることで、女優さんたちが引退後に路頭に迷わず、セカンドキャリアを築けるような土壌を作りたい。それが今の大きなモチベーションの一つです。

――海外でも事業をされていますが、日本での見られ方との違いも感じている?

上原 全然違いますね。日本ではどうしても、まだ色眼鏡で見られることがあります。でもアジア圏、特に台湾や中国、韓国などに行くと、本当にスターのような扱いをしてくれるんです。だからビジネスの話も進めやすい。それで最近はアジアでの仕事が増えています。

――活動の幅がどんどん広がっているわけですが、今後の目標は?

上原 シンプルに「すごいね」って言われたい(笑)。今はまだ何をやっても「元セクシー女優がなんかやっている」という見られ方ですし、私自身も「これで正解なのかな?」と不安になることもあります。だからこそ、もっと結果を出して、1人のビジネスパーソンとして認められたいですね。

あと将来的には......冗談みたいに聞こえるかもしれませんが、「ファンのための老人ホーム」を作りたい(笑)。

――老人ホーム?

上原 私を応援してくれたファンの方々も、私と一緒に歳をとっていきますよね。独り身の方も多いかもしれません。だから最後は、みんなで楽しく過ごせる場所を作れたら最高だなって。それが究極の恩返しかなと。ずっと先の夢ですけどね(笑)。

まずは目の前の事業、そして来年のロック座のステージを成功させる。不安もありますが、ファンの皆さんは私が何をやっても、失敗しても、その成長過程を含めて面白がって応援してくれる。そんな優しい方々に支えられているので、これからも誰もやらないことに挑戦し続けていきたいと思っています。

引退から10年。上原亜衣が最後の「浅草ロック座」出演を決めた理由「もう表に出るのは辞めようと考えた時期もあったけど...」

●上原亜衣(うえはら・あい)
1992年11月12日生まれ、福岡県出身。
2011年にセクシー女優デビューをすると一躍人気に。2016年の引退までトップ女優として活動を続けた。引退後は、インフルエンサー、実業家として数々の事業を手掛けている。
公式Instagram【@ai_uehara_ex】 
公式X【@ai_uehara_ex】
公式YouTubeチャンネル『あいちゃんねる』 

●2月1日(月)より上原亜衣の人生最後となる「浅草ロック座」公演がスタート。詳細は浅草ロック座公式サイトをチェック。

取材・文/小山田裕哉 撮影/後野順也

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