盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎が『水曜日のダウンタウン』でクロ...の画像はこちら >>

盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎さん

『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎のコラムが週刊プレイボーイで好評連載中! その名も「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」。

第12回は、『水曜日のダウンタウン』でクロちゃんと共演した際の秘話。

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僕は目の見えないお笑い芸人ですが、世間の人たちは何をきっかけに僕のことを知ってくれたのでしょうか?

よく言われるのは「『R-1』で優勝したときにテレビで見てました!」というのと、「『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(2021年放送の日本テレビドラマ)で知って面白いと思いました!」というのと、「毎週木曜に新大阪駅をほうれん草とバターまみれで歩いて、周りから"ソテーおじさん"って呼ばれていた頃からファンです!」というのですね。

え、誰? そいつ。僕に"ソテーおじさん"って呼ばれていた頃なんかないのに。そもそも、ほうれん草とバターまみれで歩いてるやつのファンになんかなるな。どうやら新大阪で僕に似た別の誰かが"ソテーおじさん"と呼ばれていたみたいです。

そして最近では「『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で初めて知りました!」って言われることが多くなりました。放送から数ヵ月たった今でも言われるので、人気番組の影響力はすごいなあと感じます。今回は、その『水ダウ』でクロちゃんと共演したときの話をしますね。

そもそもの企画は、クロちゃんが声帯ポリープ手術をして、そこから1週間、声が出せないから、その期間にさまざまなドッキリをクロちゃんに仕掛ける「サイレントクロちゃん」というものでした。

声が出せないクロちゃんは画用紙に文字を書いて、それを周りに見せることでコミュニケーションを取っていたんですけど、「それなら目の見えない濱田祐太郎とふたりきりにしたらクロちゃんはどうするのか?」ってなったらしいです。大胆で最高な発想ですよね。

そして収録日当日、番組スタッフと軽く打ち合わせをしたんですけど、皆さんが一番恐れていたのは「"本人"がコミュニケーションを取ることを諦めてしまわないか?」ということでした。

確かにそうなったらテレビで放送できる部分がないですもんね。

ちなみに"本人"と書いたのは、僕には誰とふたりきりになるか知らされてなかったからです。「声が出せない状態の人が来る」とだけ言われていたので「口に使用済みパンティを詰め込まれた人でも来るのかな?」とか思ってましたよ。

そこで僕のマネジャーが「"本人"が諦めたようだったら、僕が濱田さんの携帯に電話しましょうか」と提案したんです。

スタッフたちは別室で僕らの様子をモニタリングしているので、スタッフの判断で「諦めた」と思ったらマネジャーから電話をかけてもらい、それを合図に僕からクロちゃんにどんどん話を振る。それまではクロちゃんの自然な振る舞いを撮影する、ということになりました。

そうして始まった収録で、実際に電話がかかってきたんですよ。それまでは僕も相手を意識しすぎて緊張していたんですけど、携帯のバイブが震えたときに「ここから先は俺に委ねられた。なら楽しくやってやれ!」と思って思いっきりできました。

そうして、僕の質問に対してクロちゃんが机を連続で叩けば「はい」、1回だけなら「いいえ」みたいなやりとりが生まれていきました。

放送後の評判もめちゃくちゃ良くて、後日しゃべれるようになったクロちゃんとYouTubeでも共演したんですよ。まあそのときはほとんど下ネタしか話してないですけどね。

「どっちのほうが初体験が早かったか?」とか、49歳と36歳のおじさんふたりで。それも楽しかったなあ。

●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう) 
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】

撮影/梅田幸太

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