2017年から23年まで、坂口さんとモーリーさんは『スッキリ』(日本テレビ)の木曜コメンテーターとして席を並べた
あらゆるメディアから日々、洪水のように流れてくる経済関連ニュース。その背景にはどんな狙い、どんな事情があるのか? 『週刊プレイボーイ』で連載中の「経済ニュースのバックヤード」では、調達・購買コンサルタントの坂口孝則氏が解説。
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「嘘だろ」。モーリー・ロバートソンさんが泉下の人になった。私は2017年から2023年まで、日本テレビ『スッキリ』でモーリーさんとコメンテーターとしてご一緒してきた。あの笑顔が刻まれている。信じられない。
モーリーさんの、政治や社会への鋭い視点とコメントについては多くのひとが書いている。私もスタジオで隣にいて、その明晰(めいせき)さと臨機応変さを実感していた。
しかし私は、モーリーさんは一貫して趣味とサブカルチャーのひとだと思っている。国際ジャーナリストとの肩書があるが、とんでもない。頭が良く、そんなこともできちゃうひとだったのだ(褒め言葉)。
そもそも私もコンサルタントと名乗っているが、アンダーグラウンドの音楽や映画が大好きな人間だ。
モーリーさんはハーバード大学で電子音楽を学び、日本に戻ってからは伝説的バンド「突然段ボール」のメンバーとして活躍していた時期もある。お会いした際、当時の話で盛り上がった。その後、番組での共演時、CM中にジャパニーズパンクやハードコア、ノイズなどについて多様な話をした。
私は中学生のころにザ・スターリンの遠藤ミチロウさんのテレビライブ曲『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』に衝撃を受けた(なお司会は加藤賢崇[けんそう]さんだった)。ミチロウさんの詩集『真っ赤な死臭』は取り寄せて読んだ。
その話をするとモーリーさんは、スターリンやミチロウさんとの交流を教えてくれた。そしてボアダムズやハナタラシ、あぶらだこにアナーキー、マゾンナにゲロゲリゲゲゲ、S.O.Bに非常階段、レーベルのナゴム、バンドブーム......。クラブカルチャーや宗教にも話が及んだ。谷口雅春(生長の家)や出口王仁三郎(でぐち・おにさぶろう/大本)への見解も聞いた。国際政治よりスリリングだった。
つかぬエピソードをふたつ。
モーリーさんは、番組の打ち上げや飲み会にほとんど出席しなかった。私も出演者同士のパーティなどにはほとんど出席したことがなく、奇妙な類似性を感じていた。
モーリーさんは「次の機会があったら誘ってください」と幹事に言っていたが、ほんとうは、交歓よりも内なる優先事項があったに違いない。それは音楽創作や、パートナーとの静かなる生活だったのかもしれない。
そしてもうひとつ。何のニュースかすっかり忘れたのだが、中学生か高校生が進路の選択に失敗したという話題があった。CM中に私がモーリーさんに「大変ですねえ」と話しかけたところ、「そんなことないですよ。人生はロングゲームですから」と返ってきた。なぜか私はこのフレーズをずっと覚えている。
広島、富山と過ごし、東大そしてハーバードと進んだあとに、ラジオパーソナリティ、コメンテーター、DJとして生きた自らのことを重ねていたのではないかと私は感じた。人生は長い、答え合わせをするには早いよ、と。いや、そもそも人生に成功とか失敗とかを問うのはロックだろうか、と。
約束したモーリーさんのDJプレイは見に行くことができなかった。人生はロングゲームといった本人がクラブフロアからこんなに早く去るなんて。「もっと近くでプレイを見せて」と惚れ込んだ神様から特等席へ招かれてしまったのだろう。
写真提供/坂口孝則
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