AIブームでパソコンのメモリーが高騰! ってことで恩恵を受け...の画像はこちら >>

日本放送協会よりも早くから、略称としてNHKを用いていた。世界の自動車の5台に1台がニッパツのバネを採用している

『週刊プレイボーイ』で連載中の「坂本慎太郎の街歩き投資ラボ」。

株式評論家の坂本慎太郎とともに街を歩き、投資先選びのヒントを探してみよう。金のなる木はあなたのすぐ近くに生えている!

今週の研究対象 
パソコンの高騰
(ニッパツ)

AIブームで、扱われるデータ量が爆増している。その結果、データを保管するHDDの需要も増加すると予想! HDDに欠かせないサスペンションで圧倒的なシェアを誇る会社をチェック!

助手 今日は秋葉原の定点観測です。去年からパソコンが高騰してるって聞いてましたけど、まだ高いんですね。僕のもそろそろ買い替えないといけない時期なのに参りますよ。

坂本 実はパソコンが高止まりしている一因はメモリー価格の急騰にあるんです。例えばPCパーツ専門店「TSUKUMO eX.」の価格表を見てみましょう。DDR5メモリーは16GBの2枚組が6万円前後、32GBの2枚組は9万~11万円台、64GBクラスになると2枚で29万~31万円台だからね。いずれも去年の9月時点から5倍近く値上がりしています。(2/23現在)

助手 5倍! なんでそんなに急激に値上がりしたんですか?

坂本 AIのせいだよ。AIブームで、データセンターに使うサーバー用のDRAMや、より高速なHBM(3D積層メモリー)の需要が急増したんです。メーカーが生産配分をそっちに寄
せた結果、パソコンで使われるメモリーが品薄になって値段が跳ね上がったってわけ。

助手 AIが僕の家計を苦しめてたとは......。となるとAIブームで恩恵を受けそうな企業への投資で取り戻すしかないですね。

坂本 それならハード・ディスク・ドライブ(HDD)関連銘柄なんていいと思う。

助手 まさか、PCパーツつながりで連想したんじゃないですよね?

坂本 いやいや。AIが普及すると世界中で扱われるデータ量が飛躍的に拡大するんです。2030年には、25年の3.5倍に膨らむという予想もある。

助手 なぜAIでデータ量が増える?

坂本 AI自体がコンテンツを量産するし、そもそもAIが学習するためのデータ整備や、AIの推論のログを残すための需要も出てくるからね。そして、大量のデータを低コストで保管するために、ノートパソコンに使われるような高速で高価なSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)じゃなく、安価で大容量なHDDの需要が伸びるという読みです。

助手 じゃあやっぱりHDDを作ってる会社が狙い目なんですね!

坂本 残念ながら、日本にはHDDの製造がメインの上場企業はない。だからHDDの部品を作っている日本発条(ニッパツ)が面白いと思います。同社は今期営業利益の半分以上をHDD関連の事業で稼ぎ出す予想を出しているんです。つまり、HDDの需要の伸びが会社業績を左右しやすい事業構造なわけ。

助手 なるほど。ニッパツはHDDの何を作ってるんですか?

坂本 磁気ヘッドを支えて微細に動かすHDD用サスペンション、簡単に言えばバネみたいなものです。同社はもともと自動車で使う懸架バネや自動車シートの製造が主力事業で、そこで培ったバネの技術を生かしてHDD用サスペンション市場に参入しました。日本の自動車産業の高度な要求に対応してきた経験から、顧客の仕様に合わせた高品質の製品を供給する能力に定評があり、HDD用サスペンションで世界シェア1位となる5割超を握っています。

助手 シェア1位なら確かにHDDの需要増が業績に直結しますね。
坂本 そう。しかもHDD用サスペンションは現状でHDD1台に20個ほど必要なんですが、HDDが大容量化すると使用数も増えるんです。

坂本 台数増と部品数増のかけ合わせでホクホクってことですね!

坂本 そうなる。足元は自動車関連事業の調子がイマイチだけど、AI普及の潮流は戻らないだろうから、腰を据えて長期で投資したいね。

今週の実験結果
HDD用サスペンションのシェアは世界トップ。AIブームの恩恵を受けそう!

AIブームでパソコンのメモリーが高騰! ってことで恩恵を受けそうな世界シェアトップ企業 【坂本慎太郎の街歩き投資ラボ】

構成/西田哲郎 撮影/榊 智朗

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