2月20日、交通違反取り締まり不正問題を受け、記者会見に臨んだ神奈川県警の今村剛本部長
神奈川県警の交通違反取り締まりで前代未聞の不適切事案が発覚した。不正は組織ぐるみで行なわれていた可能性も指摘されている。
事故防止という名目とは裏腹の信頼を揺るがす実態が浮かび上がった形だが、警察の取り締まりは本当に公正なのか。週プレ自動車班は専門家やドライバーを取材し、その構造的問題を徹底検証した。
【不祥事では終わらない交通取り締まりの〝闇〟】ひどいにも程がある。
神奈川県警の交通違反取り締まりで、2700件以上の違反処理が一括取り消しとなる異常事態が起きた。
追尾距離の水増し、虚偽記載、さらには〝コピペ同然〟の調書が芋づる式に発覚した。不適切な捜査の影響は計り知れず、免許を取り消された人や、優良運転者の資格を失った人もいる。仕事に支障を来した人も少なくないはずで、事態は極めて深刻だ。
車中泊で日本一周した漫画家・小田原ドラゴン氏は肩をすくめる。
「そういうことやっているんじゃないかと思っていたら、案の定でしたね」
報道によれば、かつて神奈川県警には「目安件数」と呼ばれる内部指標があった。建前は参考値とされていたが、現場では実質的なノルマだったとの証言もある。
この事態は瞬く間にネット上に拡散し、《本当に神奈川県警だけの問題なのか》《氷山の一角ではないのか》といった議論を巻き起こした。
自動車誌で連載を持つ金髪ラリーカメラマンの山本佳吾氏は一刀両断する。
「そもそもノルマなんてもんがあるのが間違いやろ。まともな手順を踏まないような取り締まりの話は、たまに聞く。一時停止違反を取るために物陰に隠れたりな。本来なら堂々と立っとけばええ話や」
自動車業界関係者も制度のゆがみをこう指摘する。
「交通反則金の総額は年間数百億円規模。その一部は自治体へ交通安全対策の名目で配分される。結果として取り締まりが増えれば全体の収入も増える構図です」
制度自体は法律に基づくものだが、今回の件で「取り締まりは本当に〝収入の確保〟と無関係なのか」という疑問が生じているのは当然だろう。透明性の確保は、もはや避けて通れない。批判は一県警にとどまらず、日本の交通取り締まり制度全体に向かっている。
自動車ジャーナリスト・桃田健史氏はこう指摘する。
「〝昔からこうしてきた〟という慣行を疑わない体質が浮き彫りになりました。米国なら集団訴訟に発展してもおかしくありません。
つまり、日本の交通取り締まりには〝声を上げにくい構造〟が深く根づき、その結果、ゆがんだ運用が見過ごされてきたという現実が浮かび上がっているのだ。
【名乗らず、タメ口。爆音車はスルー】取材を進めると、ドライバーからは不信の声が次々と上がった。山本氏は自身の経験をこう振り返る。
「どことは言わんけど、東名を走ってたら、やたら車間を詰めてくるクルマがいてな。今で言うあおり運転や。ミラー見たらどう見ても覆面パトカー。こっちは法定速度で走行車線やで。助手席の編集さんに110番してもらったわ」
都内在住の40代会社員男性は、深夜タクシーで帰宅中、理不尽な取り締まり体験をしたという。
「周囲のクルマは私の乗ったタクシーを次々と追い越していたので、もっと速度を出していたはず。なぜそちらを取り締まらないのか質問すると、『知らない』のひと言。
......名前も名乗らず対応はすべてタメ口。後部座席の私に『お帰りのところ恐縮ですが』のひと言もなし。相手は明らかに年下の警官でした」
自営業を営む30代女性も憤りを隠せない。
「反対車線から警察が来て、いきなり止められました。本当に私を見ていたのか疑問です。その横を爆音の改造車が猛スピードで走り抜けたのに完全にスルー。理由を尋ねると、『あなたの書類を作っていたから見ていません。違反したのに反省が足りていないね』と吐き捨てられました」
違反処理の影響で配達予定は狂い、顧客からは罵倒され、ゴールド免許も失い、保険料も上がった。女性はこう嘆く。
「本当に踏んだり蹴ったりです。
小田原氏もこう語る。
「見えにくい標識の見落としを狙って点数を取る話はよく耳にします。また、実は20年ほど前、手のひらサイズの十徳ナイフ(栓抜きやドライバー付き)をダッシュボードに置いていただけで、指紋を採られ、3時間も拘束されました」
もちろん、すべての警察官が不誠実なわけではない。しかし、説明不足と不透明な裁量が重なると、ドライバーの信頼は一瞬で地に落ちる。
【交通取り締まりは進化できるのか!?】では、交通取り締まりはどう変わるべきなのか。桃田氏は〝構造改革〟を強調する。
「SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)やAIが普及した現在、瞬間速度だけで判断するのは時代遅れ。車載データやインフラ情報を活用し、継続的な速度超過や危険運転の傾向を評価するべきです」
課題は個人情報保護との両立だ。しかし社会が高度化する中で、取り締まりだけが昭和バージョンのままでいいはずがない。それには何より、取り締まり側の判断を検証できる〝透明性〟は欠かせない。
山本氏も指摘する。
「欧州を運転すればわかるけど、あっちはオービスがあちこちにあるから、みんな基本的に法定速度を守る。
事故を防ぐため、ドライバーが交通ルールを守るのは当然だ。しかし、神奈川県警の不祥事は、「違反は正しく処理されている」という前提を完全に崩してしまった。これから全ドライバーは、何を信じてハンドルを握ればいいのか。国は、この状況を黙って見過ごしてはならない。
取材・文/週プレ自動車班 写真/時事通信社
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