AKB48メンバーがパーソナルヒストリーを語る連載「なんで令和にAKB48?」。第8回は4月3日に国立代々木競技場第一体育館での卒業コンサートを控えた向井地美音(むかいち・みおん)。
【2017年の総選挙で選抜に入れなくて、初めて挫折を味わいました】
――まずはAKB48でのターニングポイントを聞いていこうと思いますが、いつでしょう?
向井地 総選挙で選抜メンバー入りをギリギリで逃してしまった2017年の夏から、いろいろ変わったかなと。
次世代メンバーと言っていただく中で、2016年に『翼はいらない』でセンター、2017年の1月にはソロコンサート、本当にたくさんチャンスいただいてからの選抜落ちだったので、それがAKB48に入って初めての挫折でした。
――300人以上参加した中での17位はすごいですよ。
向井地 前年が13位で「神7を目指して頑張ります」と目標を掲げていたにも関わらず、300票差とかで17位だったんです。活動をしていて初めて「まずい」とアセりました。今思うと十分いいんですけどね。
そこから半年ぐらいはやさぐれていました。もちろん、一生懸命頑張っているつもりではあったけど「このまま私はダメになっていくんだ」と病み期に突入しました。そんな中で"センター試験"の開催が発表されて......。
――2018年3月に開催されたAKB48グループに関しての知識を問う「AKB48グループセンター試験」ですね。
向井地 AKB48愛はずっと口にしていたし、初めて自分が1位を取れそうなイベントだと思ったので、ちゃんと数字を残したいなと。SHOWROOMで勉強配信をしたり、10周年記念本を読み込みました。
――結果、圧倒的な点数で1位を取りました。
向井地 ちゃんと胸を張って自分の武器だと言えるものができて、自信が取り戻せました。その"AKB48愛"を活かせる場所を考えたときに「それって総監督かもしれないな」と思ったんです。
――それが大きなターニングポイントだったと。では、向井地さんの人生をふり返っていこうと思います。小さい頃はどんなコでした?
向井地 すごい明るくて人見知りしないコでした。小学生ぐらいまでは無敵コミュ力女だった気がします。
子役をやっていたのもあったのかな。大人としゃべるのも好きで、ドラマの空き時間は照明さんと一緒に「どうぶつの森」をやったり(笑)。
――子役はどういうきっかけで始めたんですか?
向井地 物心つく前から子役事務所に両親が入れてくれました。土日はオーディションを受けに行ったり、ちょっとした撮影に行ったりするのが当たり前の感覚でした。
――ドラマ『アンフェア』で篠原涼子さんの子供役として出ていたんですよね?
向井地 今でも「あのコなんだ!」と驚いてもらえることが多くて、すごい作品に出ていたんだなって。当時はそんなことになると思ってなくて、たくさんオーディションを受けてたうちのひとつみたいな。
――それは何歳のとき?
向井地 オーディションは小1で受けました。AKB48ができた年とアンフェアの放送が一緒なので、そこから20年以上経ちましたね。どっちも2005年。
――そんな運命もあるんですね。小学校時代はほぼ芸能生活を?
向井地 子役って、幼い方がお仕事をもらえたりするので、小4、小5ぐらいになって仕事は落ち着いたのですが、学校がすごい楽しくて。それで「子役はもういいかな」って。
普通の生活がしたいと思って辞めました。あとは中学を受験して入ったので、親からは勉強を頑張りなさいと。
――中学はどんな感じだったんですか?
向井地 かなり難しい学校でしたが、奇跡的に入れたんです。たまたま受かっちゃったので、全然勉強について行けず、落ちこぼれてしまい......。そんなときにAKB48に出会いました。
【AKB48になりたいという夢が膨れ上がったときにオーディションがあったんです】
――当時、AKB48はもう流行っていましたよね。
向井地 そうですね。『大声ダイヤモンド』や『RIVER』はリリースされていました。その時、私はまだ知らなかったんですけど、ある日、中学の友達が「こじはるって知ってる?」って。「地元がめっちゃ近いんだよ」と言われて。「あそこ、こじはるの家らしいよ」とかいうウワサもあったり。
――地元の都市伝説でよくありますよね。
向井地 それでAKB48の存在を知ったんです。それからMVを勧められて、いろいろ見ていくなかで小嶋陽菜さんを好きになりました。
――イベントとかも行きました?
向井地 最初は『フライングゲット』の全国握手会、そこから個別握手会を買ってみたり、劇場公演に行ってみたり。
――オーディションを受けようって思ったのは?
向井地 自分の中でAKB48が占める割合が大きくて、ステージに立つ自分を想像したり、衣装を着てみたいな、とか。そういう夢が膨れ上がっていったときにちょうど15期生のオーディションがあったんです。中学では落ちこぼれちゃったし、この先どうしようか考えていたときだったので、迷いに迷った結果ではあったんですけど。
――親からの反対はなかった?
向井地 子役を辞めたのに戻ることをどう思われるのか気になっていたし、恥ずかしさもあって、なかなか言い出せなかったのは覚えています。親が気づいてくれて「受けてみたら?」と。
――オーディションは子役時代に何度も受けているし、緊張もなく?
向井地 辞めてから3年ぐらいは空いていたので、すごい緊張しました。
――15期はオーディションに合格しても、その後、セレクションがありましたよね。
向井地 仮研究生という制度があって、合格発表があった次の日ぐらいに、「やり直させてください」みたいなメールが来て、「えーーー」って思った記憶があります。
24人ぐらいで2ヶ月ぐらいレッスンして、8人は合格して、8人は仮研究生のまま、そして8人は落ちちゃうみたいな感じでした。
――向井地さんは見事に最初の8人に入りました。
向井地 レッスンとかリハーサルとか、いっぱいしたはずなのに当時を忘れているのが本当に悲しいです......。でもそれぐらい目まぐるしかったんだと思います。
武道館の3日後に日産スタジアムでのコンサート、さらに次の日に劇場公演デビューと、ものすごく恵まれたデビューでした。でもその期間に50曲ぐらい覚えなきゃいけなくて、最初はすごく大変でした。
――AKB48になって周りからはいろいろ言われたんじゃないですか?
向井地 事前に伝えていたのは本当に仲の良い友達だけだったんです。そのコたちとは、今でも半年に1回は絶対会っているし、最近も集まりました。卒コンも来てくれる予定で、ずっと見守ってくれてますね。
――そういう友達って大事ですよね。
向井地 そのコたちもAKB48ファンだったので、一緒に握手会も行ったし、私のオタク時代を知っているんですよ。
最近、交換ノートを掘り返してきて、それを見ると私がAKBオタクになっていく様子がわかるんですよ。授業中にたぶん暇でAKB48の歌詞を書いているとか、そういうのが全部残っていて恐ろしいです(笑)。
【連載「なんで令和にAKB48?」は木曜日更新。今のAKB48に対しての思いや、卒業後の夢などを語る後編は3月26日公開!】
●AKB48
2005年(平成17年)12月8日、秋葉原のAKB48劇場で1期生お披露目。
2025年12月4日に21期生がデビュー!
67thシングル『名残り桜』が好評発売中! 国立代々木競技場第一体育館にて、4月3日(金)「向井地美音卒業コンサート~私の夢は、AKB48~」。4日(土)、5日(日)「AKB48 春コンサート2026 『私たちだけじゃダメですか?』」開催! 最新情報は公式ホームページをチェック。
●向井地美音(むかいち・みおん)
1998年1月29日生まれ、埼玉県出身
身長150cm
Nickname=みーおん
公式X【@mionnn_48】
公式Instagram【@___mion.m】
取材・文/関根弘康 撮影/篠田直人

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