『バイオハザード』30周年! ガチゲーマー・三浦大知が「バイ...の画像はこちら >>

サバイバルホラーゲームの先駆者として世界中で愛され、そして恐怖された『バイオハザード』シリーズが、今年3月22日に生誕30年を迎える。それを記念して歴戦の"バイオプレイヤー"である三浦大知がシリーズの魅力を語り尽くした!

*  *  *

【あまりに怖すぎてトラウマになった】

――三浦さんは自身のYouTubeチャンネルで『バイオハザード』シリーズの実況配信を行なうほどのファンとして知られています。

シリーズとの最初の出合いは小学生の頃で、その内容に衝撃を受けたそうですね。

三浦大知(以下、三浦) もともとゲーム自体が好きで、いろんなタイトルを遊んでいましたけど、『バイオハザード』(1996年)は初めて触れたホラー作品だったと思います。

だから、とにかく怖くて、ひとりでは遊べませんでした。でも話題のタイトルですから、プレイはしてみたいじゃないですか。それで同級生の家に集まり、みんなで騒ぎながら遊んだ思い出があります。

『バイオハザード』30周年! ガチゲーマー・三浦大知が「バイオ愛」を語る「怖いのは得意じゃない。だけど、バイオは先に進みたくなる」
『バイオハザード』(1996年3月22日発売)。サバイバルホラーゲームの元祖といえる作品で、ミリオンセラーを記録。「立体空間でキャラクターを動かし、ゾンビを退けながら、謎を解き恐怖に満ちた極限から生還する」というシリーズのフォーマットを確立した

『バイオハザード』(1996年3月22日発売)。サバイバルホラーゲームの元祖といえる作品で、ミリオンセラーを記録。「立体空間でキャラクターを動かし、ゾンビを退けながら、謎を解き恐怖に満ちた極限から生還する」というシリーズのフォーマットを確立した

――三浦さんがダンス&ボーカルグループ「Folder」のメンバーとしてデビューしたのが9歳(97年8月)のときで、これは第1作発売の翌年でした。

三浦 じゃあ、僕とほぼ同期ですね(笑)。

――デビュー前後の忙しい時期だったと思いますが、その後もシリーズは遊んでいましたか?

三浦 発売直後に遊んだかどうかは覚えていないですけど、初代と『2』(98年、『バイオハザード2』。以下、シリーズ名は省略)、それから『3』(99年)も子供の頃にやっています。

――最も思い出深いのは?

三浦 とにかく強烈だったのは『3』ですね。

リメイク版である『RE:3』(2020年)の実況でも言いましたけど、どこまでも追ってくる追跡者(ネメシス)があまりにも怖すぎて、完全にトラウマになりました。

当時の『バイオハザード』って、エリアを移動すればゾンビを振り切れていましたよね。でも、追跡者はエリアを移動しても追いかけてくるから、プレイしている間は「どこから来るんだ?」と心臓がドキドキしっ放しで。あれは小学生には怖すぎた(笑)。だから、『3』は最後までクリアできなかったんです。

でも、その後の『コード:ベロニカ』(00年)からホラーというよりはアクション映画っぽい雰囲気になって、さらには『ガンサバイバー』のようなガンシューティングも出ました。そちらもプレイしているんですけど、もう「怖いゲーム」という印象ではなかったですね。

――特に05年発売の『4』から『バイオハザード』シリーズは、アクションゲームとしての側面を強化していくことになりました。『4』は後のゲーム業界に大きな影響を与えた名作でもありますが、同年に三浦さんはソロデビューされているんですよね。

三浦 そうなんですよ。だから、『4』はプレイしたんですけど、続く『5』(09年)、『6』(12年)は活動が忙しかったせいか遊べていなくて、『7』(17年)から戻ってきました。『7』は本当にハマりましたね。

「久しぶりに怖い『バイオハザード』が帰ってきた!」と思いました。

しかも、当時の僕はFPS(一人称視点シューティング)のゲームでオンライン対戦をよくやっていたんですけど、『7』もシリーズで初めて一人称視点になったと知り、「絶対にやらなきゃ!」となったんです。確か、『KITCHEN(キッチン)』という体験版が配信されていましたよね?

『バイオハザード』30周年! ガチゲーマー・三浦大知が「バイオ愛」を語る「怖いのは得意じゃない。だけど、バイオは先に進みたくなる」
『バイオハザード4』(2005年1月27日発売)。これまでのシリーズからゲーム性を大きく刷新。固定視点からキャラクターを背面からカメラが追いかけるビハインドビューと、敵に銃の照準を合わせるエイミング操作が採用され、シューティング&アクションゲームとしての側面が大きく強調された

『バイオハザード4』(2005年1月27日発売)。これまでのシリーズからゲーム性を大きく刷新。固定視点からキャラクターを背面からカメラが追いかけるビハインドビューと、敵に銃の照準を合わせるエイミング操作が採用され、シューティング&アクションゲームとしての側面が大きく強調された

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『バイオハザード7 レジデント イービル』(2017年1月26日発売)。バイオシリーズの「原点回帰」をコンセプトに、アクションゲーム色が強くなっていたシリーズから、初代のような恐怖体験にフォーカス。一人称視点の採用とフォトリアルなグラフィックで、没入感の高いホラーゲームとなった。写真はグロテスクVer.

『バイオハザード7 レジデント イービル』(2017年1月26日発売)。バイオシリーズの「原点回帰」をコンセプトに、アクションゲーム色が強くなっていたシリーズから、初代のような恐怖体験にフォーカス。一人称視点の採用とフォトリアルなグラフィックで、没入感の高いホラーゲームとなった。写真はグロテスクVer.

――PlayStation VR(PSVR)専用の短編デモとして配信され、後に『7』の前日譚だったことが明かされました。

三浦 僕はPSVRの初期型を持っていたから、これをプレイしたんです。それがもう、とにかく怖くて。あまりにも怖いから、家に来た親にやらせて、反応を見てニヤニヤしていました(笑)。

【『バイオ』といえばホラーと謎解き】

――親御さんもびっくりしたでしょうね(笑)。

でも、20代の頃はシリーズをあまりプレイしていなかったにもかかわらず、なぜ『7』で再びハマれたのでしょうか?

三浦 僕にとっての『バイオハザード』はアクションというよりも「ホラー×謎解き」のゲームなんです。だから、そこに原点回帰した『7』には、一人称視点という大きな変更があったにもかかわらず、「間違いなく『バイオハザード』だ」という手触りがありました。

特に僕はVR版でプレイしたから、没入感がすごかったんですよ。僕はVRって、空間の広がりを楽しむものだと思っていたんですが、『7』でその固定観念を覆されたんです。

というのも『7』は終始、古くて狭い邸宅の中で展開するじゃないですか。ずっと息苦しいし、どこに敵が隠れているかわからない怖さがある。そういった空間が狭いことの怖さってVRでプレイすることによって、より増幅されるんですよね。

『バイオハザード』30周年! ガチゲーマー・三浦大知が「バイオ愛」を語る「怖いのは得意じゃない。だけど、バイオは先に進みたくなる」
『バイオハザード7 レジデント イービル』(2017年)では一人称視点を採用。VRでプレイする本作は歴戦のバイオプレイヤーすらをも「怖すぎる」と震え上がらせた

『バイオハザード7 レジデント イービル』(2017年)では一人称視点を採用。VRでプレイする本作は歴戦のバイオプレイヤーすらをも「怖すぎる」と震え上がらせた

――その次作『ヴィレッジ』(21年、ナンバリングの『8』に当たる)は、ご自身のチャンネルで実況プレイを配信され、これが大きな反響を呼びました。「プレイがうまい」「怖がっているのにエイムがブレない」と視聴者も驚いていましたね。実況の際に意識していることは?

三浦 プレイテクニックどうこうよりも、「作中のムービーや読み物をしっかり見せる」ことですね。ゲームって、銃で撃つ爽快感があるタイトルもあれば、ドラマティックで感動できるストーリーなど、たくさんのジャンルがあります。

だから、ひとりのゲーマーとしては配信を通して、ゲームをやったことがない人にも、そのタイトルの魅力が伝わるようにしないといけない。そんなふうに考えています。

しかも、『ヴィレッジ』はホラーの恐怖だけでなく、ストーリーが感動的な作品です。だから拙いながらも自分なりに物語の背景を考察してみたり、落ちている書類を飛ばさずに読んで「この敵キャラクターにはこういう過去があったんだ」と言語化してみたり、未プレイの方にもストーリーの面白さが伝わるように意識してプレイしていました。

【どれだけ怖くても遊んでしまう理由】

――ただ、三浦さんは「怖いゲームが得意なわけじゃない」とも語っていますよね。

三浦 だって、怖いじゃないですか(笑)。現実のオバケ屋敷も自分から望んで行きたいとは思わないんですよ。

『バイオハザード』30周年! ガチゲーマー・三浦大知が「バイオ愛」を語る「怖いのは得意じゃない。だけど、バイオは先に進みたくなる」
『バイオハザードRE:2』(2019年1月25日発売)。『バイオハザード2』のフルリメイク作。『4』以降のビハインドビューを採用。アクション性がありながら、「限られたアイテムによるサバイバル」と「謎解き」というシリーズの伝統的なゲーム性もふんだんに盛り込み、その後のシリーズの方向性を決定づけた逸品。以後、『RE:3』『RE:4』とフルリメイク作を継続してリリースしている

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――それなのに『バイオハザード』シリーズをプレイし続けている理由とは?

三浦 きっと、「怖いのに前に進みたくなる」からだと思います。

謎解きをして、ボスをなんとか倒して、新しいカギをゲットして、「あ、この先に進めるぞ」となる。恐怖の波の中に、小さな達成感がいくつも埋め込まれている。

セーフルームなんてまさにそうで、そこに入れば敵が襲ってこないスペースがゲーム内に用意されている。だから、恐怖体験の最中もセーフルームを目指して頑張れるわけです。

リアリティで考えたら、そんな場所があるなんておかしいんですけどね。でも、恐怖を与えるだけじゃなく、「ここまでは頑張れ」という目標がうまく提示されているから、めちゃくちゃ怖くても「もう少しだけ、これを乗り越えたら」となる。

しかもその先には「よく頑張りましたね」というご褒美も用意されている。だから、プレイのやめ時が見つからない。すごく計算された設計だと思います。

『バイオハザード』30周年! ガチゲーマー・三浦大知が「バイオ愛」を語る「怖いのは得意じゃない。だけど、バイオは先に進みたくなる」
三浦大知さんはバイオシリーズの魅力のひとつに「恐怖の波の中に小さな達成感がいくつも埋め込まれている」ことを挙げる

三浦大知さんはバイオシリーズの魅力のひとつに「恐怖の波の中に小さな達成感がいくつも埋め込まれている」ことを挙げる

――緊張と緩和の"緩急"が巧み、ということですか。

三浦 それはエンターテインメントにおいて、とても重要なことです。僕も自分のライブ演出で緩急はすごく意識します。

緊張と緩和があるから感動が生まれる。『バイオハザード』シリーズも単に怖いだけのゲームになっていないのだと思うし、それが多くの人に支持され続けている理由ではないかなと思います。

『バイオハザード』30周年! ガチゲーマー・三浦大知が「バイオ愛」を語る「怖いのは得意じゃない。だけど、バイオは先に進みたくなる」
全世界で販売本数500万突破! 発売したばかりのシリーズ最新作『バイオハザード レクイエム』。廃墟化したラクーンシティも登場し、FBI分析官の女性グレースと、シリーズおなじみのエージェント、レオンのふたりの視点で恐怖に立ち向かう。グレースが少ない物資でサバイバルするシリーズ伝統のホラー重視のゲーム性に対して、レオンは手斧、ショットガン、ライフルなど豊富な武器で敵をなぎ倒していくアクションが中心。これまでのバイオの「いいとこどり」な逸品だ(画像はSwitch 2版のパッケージ)

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『バイオハザード レクイエム』の主人公のひとり、レオン(右)の初登場は1998年リリースの『バイオハザード2』のとき

『バイオハザード レクイエム』の主人公のひとり、レオン(右)の初登場は1998年リリースの『バイオハザード2』のとき

――ところで、三浦さんは最新作『レクイエム』の実況も配信されていますが、長年のファンとして率直な印象は?

三浦 まだプレイは序盤ですが、近作で研ぎ澄まされた恐怖演出と、『RE:2』から始まったリメイクシリーズで洗練されたアクション演出のどちらも堪能できるタイトルだと感じています。まさに絶妙な緩急にグイグイ引き込まれていますね。

ただ、クラシックモード(旧作のようなセーブ制限がある設定)で始めたので、インクリボン(セーブ時に必要なアイテム)がなくなりそうで怖いですけど(笑)。

――最後に、30周年を迎える『バイオハザード』シリーズの今後に期待することは?

三浦 『バイオハザード』って、日本においてホラーゲームのとんでもなく大きな入り口であり、金字塔ですよね。だから、プレイヤーを振り落とすくらいの恐怖を叩きつけてほしい気持ちと、ホラーゲームの入り口としての広さを持ち続けてほしい気持ちの両方があります。わがままなお願いですね(笑)。

今後も『バイオハザード』シリーズは僕の想像を超えたものを生み出してくれるだろうし、自分がそこから何を受け取るのか、本当に楽しみです。

●三浦大知 Daichi MIURA 
1987年生まれ、沖縄県出身。Folderのメインボーカルとして1997年にデビュー。2005年にソロデビュー。天性の歌声とリズム感、抜群の歌唱力と世界水準のダンスで人々を魅了し、ソングライティングからコレオグラフを手がけるスーパーエンターテイナー。2019年、「天皇陛下御在位三十年記念式典」にて天皇陛下(現上皇さま)が作詞、皇后陛下(現上皇后美智子さま)が作曲された琉歌『歌声の響』を歌唱。熟練のゲーマーとしても知られ、自身のYouTubeチャンネル『三浦大知のゲーム実況』(@daichimiuragame)を不定期で更新している

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3月25日に発売される3枚組アルバム、UTA × Miura Da ichi 『Archive』(SONIC GROOVE)

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取材・文/小山田裕哉 撮影/高橋定敬 ©CAPCOM

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