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中国海軍ジャンカイ1級フリゲート、全長134m排水量4050t、主砲76mm、計32発の対空、対艦ミサイルを搭載(写真:wikipediaより)

東シナ海の南北約400㎞以上にわたって現れた2000隻の中国民間漁船。その"海の壁"は、中国の台湾侵攻における運用実験であり、これまで台湾侵攻のシミュレーションを二度行なってきた。

しかし、中国民間漁船2000隻は台湾だけでなく、日本の宮古海峡を封鎖して迫ってくる可能性もあるという。どうなるのかシミュレーションを試みる。

*  *  *

この年末年始に2度、中国の民間漁船が東シナ海に集結。その異様な出来事は台湾有事への危機感を募らせた。しかし、実はその約1年前、2024年12月には、沖縄本島と宮古島の間にある宮古海峡で封鎖演習が行なわれていた。

「中国海軍と中国の2000隻民間漁船が宮古海峡を封鎖、先島諸島に侵攻!?」そのとき日本はどうする?
中国民間漁船2000隻で作られた海の壁。この壁が宮古海峡を封鎖する

中国民間漁船2000隻で作られた海の壁。この壁が宮古海峡を封鎖する

その際に宮古海峡を通過したのは計6隻だ。中国海軍のジャンカイ2級フリゲート2隻、ジャンカイ1級フリゲート1隻。そして海警船からも3隻が航行していたが、そこには76mm砲を搭載し、海上警察としては世界最大艦となる「2901」も含まれていた。

また、中国海軍の3隻はまず台湾海峡を渡り、台湾南端を掠める様に航行し、台湾東海岸沖へ。そして、先島諸島南側を北東方向に移動し、宮古海峡に達した。

「中国海軍と中国の2000隻民間漁船が宮古海峡を封鎖、先島諸島に侵攻!?」そのとき日本はどうする?
「2901」は1万トン越えの世界最大の巡視船。全長165mで76mm砲を搭載し、またヘリも搭載可能だ(写真:Baiduより)

「2901」は1万トン越えの世界最大の巡視船。
全長165mで76mm砲を搭載し、またヘリも搭載可能だ(写真:Baiduより)

この布陣や航路に加えて、先の中国民間漁船2000隻となれば、中国の台湾侵攻は一目瞭然。それどころか、その民間漁船が宮古海峡まで迫り、中国軍が先島諸島に襲い掛かることも考えられる。そう、「先島諸島有事」だ。

【先島諸島有事】

先島諸島に関して小泉進次郎防衛大臣はこう発言している。

「平和な島に迷彩服はいらないとか、観光の島に自衛隊はいらないという心無い言葉が自衛隊員に向けられているとも聞いています」

しかしそんな島々は、中国にとって台湾よりも格段に奪取しやすい。実際に先島諸島をカヌー旅で取材したフォトジャーナリストの柿谷哲也氏はこう想定する。

「尖閣諸島まで迫った海警船船団は速攻で南下して、先島諸島の島々の間で海上ゲリラコマンドとして破壊活動を開始します」(柿谷氏)

台湾に一番近い与那国島の与那国空港に中国軍は攻撃開始する。

「与那国空港は断崖の海岸に面しており、自衛隊も海岸からは反撃し難く、占領後も守りやすい地形となっています。

また、2000mの滑走路も使いやすく、戦闘機の離発着は可能です。そして、空港ターミナルまであって占領後の駐屯には適しています。さらに陸上自衛隊の与那国駐屯地からも離れており、空港占領は簡単です。

その手順は、福建省水門基地に集結した上陸部隊、車両部隊、自走砲部隊が多数のZ-20ヘリコプターに搭乗し、約1時間30分の低空飛行で与那国空港に到着。

乗員・乗客の乗降や燃料の補給をするエプロンと滑走路横の草地に次々と降着し、中国降下部隊兵士たちが管制塔とその接続道路を占拠します。これは、アメリカ海兵隊のロングレンジ・ヒーロー・レイドというヘリコプターによる上陸方法と同じです。

管制塔を占拠し、空港管制を再開した直後にY-20輸送機が着陸し、重量のある戦闘車両を降ろして自走砲と迫撃砲で周囲を砲撃し、自衛隊の接近を阻止します」(柿谷氏)

「中国海軍と中国の2000隻民間漁船が宮古海峡を封鎖、先島諸島に侵攻!?」そのとき日本はどうする?
海辺の崖上にある空港はあっと言う間に中国軍兵士で満たされる(撮影:アメリカ海軍)

海辺の崖上にある空港はあっと言う間に中国軍兵士で満たされる(撮影:アメリカ海軍)

次々と中国戦闘機が上空で制空権を支配し、対空、対艦ミサイルを滑走路脇に設置して要塞化する。

与那国島には電子戦部隊や沿岸監視、レーダー警戒を任務としている自衛隊隊員230人が配備されている。しかし、中国軍の空港強襲から住民たちを避難させるのは無理かもしれない。

一方、中国海警船が襲い掛かるのは、空港だけではない。

同時刻に中国海警船は竹冨島と石垣島の間に入り、武力妨害攻撃を開始。中国海警船に搭載された76mm砲で海保の尖閣専従部隊海保船を次々と撃沈させていく。海保船の40mm機関砲は有効射程3~4km。一方の中国海警船搭載の76mm砲の射程は15~20km。勝負は一瞬だ。

「中国海軍と中国の2000隻民間漁船が宮古海峡を封鎖、先島諸島に侵攻!?」そのとき日本はどうする?
中国海警船は船首に中国海軍艦艇と同じ76mm砲を搭載。尖閣諸島に来る海警船にも装備されている(撮影:フィリピン沿岸警備隊)

中国海警船は船首に中国海軍艦艇と同じ76mm砲を搭載。
尖閣諸島に来る海警船にも装備されている(撮影:フィリピン沿岸警備隊)

海警船からは武装した海警員が、民間漁船からは海上民兵が島に上陸する。石垣島には八重山警備隊として、地対艦地対空ミサイル部隊計570名がいるが、陸自地対艦ミサイルで中国民間漁船を攻撃することは不可能だ。その間に海上民兵たちは石垣空港に殺到し、空港を占拠。中国軍は仕上げにかかる。

「中国は民間船を使って周囲に機雷を敷設。その後、与那国島と宮古島の占領が完了するまで放置します」(柿谷氏)

次に宮古島だ。ここには下地島に長さ3000mの民間機用滑走路がある。

しかし、1971年に当時の琉球政府と日本政府の間で、下地島空港は「民間航空機のみの利用」「自衛隊の配置はしない」という「屋良覚書」が締結されている。玉城デニー沖縄県知事はこの覚書を堅持して、緊急時以外の軍事利用を認めてない。

そして、宮古島には地対艦、地対空ミサイル部隊計760名が駐屯しているが、下地島に自衛隊隊員はいない。中国軍はここを真っ先に侵攻して、要塞化する。

「宮古島の東は民兵漁船の船団を配置して、港の水道の南北を機雷敷設で封鎖します。

下地島空港は与那国空港同様にロングレンジ・ヒーロー・レイドで急襲。その後、Y-20輸送機によって防空部隊と戦闘車両部隊が展開可能な大規模な空輸作戦を行ないます。

こうして下地島を占拠し、その後の動きに合わせられるように島全体を拠点化します。へリコプターとドローンを主力とした基地となり、防空のための戦闘機が配置され、空自戦闘機の接近を阻止する対空ミサイルがハリネズミのように配置されます。

ちなみに中国艦艇部隊は陸自の対艦ミサイルが怖いので、それを排除するまで接近しないでしょうね」(柿谷氏)

宮古島の中国軍要塞は、南シナ海人工島要塞より強固になる。

「特に下地島は台湾に対する攻撃拠点として利用価値があり、巡航ミサイル、航空作戦の拠点、補給拠点として大活躍するでしょう」(柿谷氏)

さらに、要塞の島と化した平和と観光の島の300km先には、沖縄本島がある。

「宮古海峡には海自、海保が常にいるわけではありません。2000隻の中国民間漁船を発見してから対処しようとしますが、数が多いのでどうしようもありません。

中国軍が台湾を獲るために、先に宮古海峡を封鎖します。中国民間漁船に対して、日本は対処しづらいのが現実です」(柿谷氏)

【自衛隊の動き】

陸上自衛隊中央即応集団司令部幕僚長を務めた二見龍氏(元陸将補)はこう言う。

「宮古海峡封鎖の兆候は、兵站部隊が動き、2000隻の漁船が動くのでわかります。それに対して海自、海保が展開。

漁船の動きを妨害します。宮古島以南では島民避難、人員の配置、防御準備、武器弾薬、糧食を補給します。事前配置の利点を最大限に活かします。

宮古島の部隊は対艦、対空部隊です。地上戦闘部隊がいません。ここに、陸自普通科連隊一個と、水機団一個連隊を入れます。二個連隊計2400名を入れて、防御陣地、港湾を使わせないための障害を設置します。

同時に住民の避難と保護の準備をし、ミサイルを防護施設の中に入れます。そして、偵察ドローンを飛ばし、中国人民、民兵、軍の接近を探知します」(二見氏)

「中国海軍と中国の2000隻民間漁船が宮古海峡を封鎖、先島諸島に侵攻!?」そのとき日本はどうする?
写真の陸自水機団と普通科連隊が事前配置され、中国軍を迎撃する(撮影:統合幕僚監部)

写真の陸自水機団と普通科連隊が事前配置され、中国軍を迎撃する(撮影:統合幕僚監部)

最初に上陸して来るのは、中国漁船に乗った民間人である民兵だ。どう対処するのか。

「島に上がってきてからの戦闘になります」(二見氏)

軍事史上初めて、敵が上陸してから防衛戦闘を開始するというバカ作戦だ。

「作戦としては非効率な戦いです。

しかし、国際法上、漁船に乗る"民間人"に攻撃してはならない。

その代わり、敵には弱点があります。敵はまず補給が続きません。対艦ミサイル部隊がいますから、後続の中国海軍を全て撃沈します。また、数は揃っていませんが、上陸した敵はドローンで狩っていきます」(二見氏)

宮古海峡封鎖の兆候が出た瞬間に、陸自第一空挺団の精鋭が下地島空港に降下し、確保するのでは?

「まず、作戦として優先する事項ですが、空港が最前線にあるので、航空基地として使えません。中国軍の第一波が降着した瞬間に、長距離精密誘導ミサイル、滑空精密誘導爆弾を大量に叩き込んで一掃します。むしろ、中国軍がここに来てくれれば、効率のいい戦いができます」(二見氏)

「中国海軍と中国の2000隻民間漁船が宮古海峡を封鎖、先島諸島に侵攻!?」そのとき日本はどうする?
空っぽの下地島空港に中国軍がこの様に満たされた瞬間、長距離精密誘導ミサイルと滑空爆弾で一掃する(写真:Baiduより)

空っぽの下地島空港に中国軍がこの様に満たされた瞬間、長距離精密誘導ミサイルと滑空爆弾で一掃する(写真:Baiduより)

石垣島はどうするのだろうか。

「この島は山もあって強い地形です。中国軍が来る前に、陸自は普通科連隊、水機団の計二個連隊を配置します。上陸しにくいように障害物を配置し、上陸活動を妨害します。地対艦、地対空ミサイル部隊が、やられないように防護しながら布陣します」(二見氏)

石垣島には、中国漁船に乗ってやってきた海上民兵やゲリラと化した中国海警員が上陸してくる。なので、ここではMP5短機関銃で武装した国境離島警備隊計150名が、不法侵入している中国海警員たちの確保を試みる。しかし、中国海警の戦闘装備は軍隊並み。国境離島警備隊は瞬時に玉砕してしまうはずだ。

「そこからは警察に手に負えない事態となり、陸自が戦えます」(二見氏)

専守防衛が貫かれる。

「避難できなかった住民は住宅が集まっている所に避難させて、その周りを防御部隊で守ります。中国海警船船隊に続く、中国上陸部隊が島に接近できないように、中国軍輸送船を地対艦ミサイルで撃破して、上陸部隊の兵站の弱点を突きます」(二見氏)

次は与那国島だ。

「与那国は、負傷者が出たら後方に運ぶのが難しい。平たい地形で狭いためです。なので、住民の方々に関しては、漁船での避難が有効となります。現地には選抜された精鋭部隊を残置します。つまり、侵攻を遅らせるための打撃目標の指示、島内状況の確認や破壊工作を行います」(二見氏)

そして、潜伏要員から偵察情報が届き次第、長距離ミサイルを次々に撃ち込む。

「中国軍は大量の無人自爆機と自爆ドローンでスウォーム(群れ)攻撃してきます。これに対抗するには、HPM高出力マイクロ波兵器や、米国で開発された迎撃ドローン『コヨーテ』など、複数の手段が欠かせません。さらに、電子戦の妨害もできないと、苦しい戦いになります」(二見氏)

【在日米軍の動き】

東日本大震災では、陸自ヘリが原発火災へ海水を投下した後、米軍が本気になった。自衛隊が戦えば同じようになるのだろうか?

「その作戦をやったのは中央即応集団で、私はその作戦室にいました。たしかに、その時から明らかに米軍の対応は変わりましたね。

日本の唯一の同盟国であり南、東シナ海、第一列島線を失えば、戦略環境が中国へ大きく傾く。そのためアメリカは、日本とフルに組んで一緒に戦うと考えています」(二見氏)

アメリカと米軍はどう動くのか、専門家にも聞いてみた。米陸軍情報将校の飯柴智亮氏はこう言う。

「宮古島は1971年の屋良覚書で『自衛隊の配置をしない』となっています。しかし、それを守る守らないという茶番をやっている段階ではありません。一刻も早く、現実を直視するべきです。

与那国島は米軍がNEO作戦(非戦闘員退避活動)をやるため、どこの誰よりも早く確保します。そして、台湾から米国民などを避難させる拠点になります。なので、先島諸島とその周辺海域で活動します。

つまり、宮古島、与那国島周辺の海域は、米中両国が必要とするので、最前線になることが予想されるのです」(飯柴氏)

「中国海軍と中国の2000隻民間漁船が宮古海峡を封鎖、先島諸島に侵攻!?」そのとき日本はどうする?
米軍は真っ先に与那国島に殺到して、台湾から自国民を救出避難させる作戦を展開する(撮影:アメリカ海兵隊)

米軍は真っ先に与那国島に殺到して、台湾から自国民を救出避難させる作戦を展開する(撮影:アメリカ海兵隊)

与那国島に対してロングレンジ・ヒーロー・レイドを仕掛ける中国軍ヘリは、ことごとく米軍戦闘機によって撃墜される可能性がある。また、宮古島に殺到する中国軍も米軍の総迎撃に遭う。まさに日本の"存立危機事態"だ。

「存立危機事態がどうこうの前に、日本は国家指針を決めてください。アメリカは大統領が誰であろうと、共和党、民主党のどちらの政権であろうと、台湾防衛の指針は不変です。

先島諸島は日本領土です。そこが危険に晒(さら)されるときに戦わないで、自衛隊はいつ戦うのですか?」(飯柴氏)

米国は米中会談を控え、イランと戦争中だ。中国との戦争は避けたいのではないのだろうか。

「米中戦争はもう、始まっています。だから、アメリカはすでにベネズエラ、イランという中国の友好国であり産油国を狙いました。中国の首を真綿で絞めるような、効果的で意地の悪い攻め方をしています。なので、中国が宮古海峡を封鎖して、先島諸島に侵攻するならば、米軍は日本と組んで一緒に戦います。

問題は日本自身です。どっちつかずの態度は通用せず、迷っている時間もありません。すでに遅いぐらいですが、今からでも反撃シミュレーションしなければなりません」(飯柴氏)

中国民間漁船の宮古海峡封鎖、先島諸島侵攻に関して、日米同盟の発動だ。

「中国海軍と中国の2000隻民間漁船が宮古海峡を封鎖、先島諸島に侵攻!?」そのとき日本はどうする?
日米同盟発動ならば、横須賀の米海軍第七艦隊の空母部隊か来援するのか?(撮影:アメリカ海軍)

日米同盟発動ならば、横須賀の米海軍第七艦隊の空母部隊か来援するのか?(撮影:アメリカ海軍)

米海軍、米海兵隊の動きはどうなるのか。米海軍系シンクタンクで戦略アドバイザーを務め、米海軍、米海兵隊を専門とする北村淳氏は、こう言う。

「その前に、改めて海自の動きを確認しましょう。

まず、宮古海峡の公海部分で中国漁船が船舶の航行を妨害する動きを見せた場合は、海賊行為と認定できるので、海自艦艇により攻撃することが可能となります。

また、中国軍艦あるいは巡視船が公海上で妨害行為をなした場合は、妨害された船舶の船籍国に対する敵対行為になります。なので、日本は外交的に抗議し、国際海事機関と国連安全保障委員会に通告、中国政府への警告を求めます。通常の国の場合、このような事態に対処するための交戦規定があります」(北村氏)

海自にはどんな交戦規定があるのか。40隻の自衛艦を管理していた元呉地方総監の伊藤俊幸氏が説明する。

「総理の承認を得た防衛大臣によって海上自衛隊に『海上警備行動』が命ぜられたら、海自艦艇は法執行行動、いわゆる警察行動を行ないます。その際に、魚雷、ミサイル、72ミリ砲や5インチ砲などの兵器を漁船相手に使うと、そもそも瞬間にすべてを破壊してしまう過剰防衛になります。

そして総理による『武力攻撃事態』という事態認定のもと、『防衛出動』が命ぜられたら、すべての武器を使って敵艦隊を殲滅する、ということになります。

つまり日本の場合、日本国民のみならず他国も、海自艦艇が何をするのかわかってしまう、という関係になります。また海自艦艇がせっかく武器を封じて武装漁船に対峙しても、ほとんど意味がないでしょう。

したがって相手が漁船の場合は、基本的に海上保安庁の巡視艇が警察行動(法執行活動)で対応し、もしその巡視艇が撃沈されることがあれば、つまり、巡視艇では対応困難となった場合は、『武力攻撃事態』と認定され、海自艦艇に対して防衛出動が下令される、という流れになると思います」(伊藤氏)

厳重な交戦規定だ。さらに説明は続く。

「宮古海峡の日本領海で中国海軍軍艦、中国海警巡視船が妨害行為をなした場合には日本領内での中国政府による日本の主権侵害行為で、直ちに自衛のための軍事的撃退行動が必要な局面です。

中国民間漁船が日本領海内で船舶の航行を妨害した場合には、海上保安庁巡視船による排除拿捕が必要となり、体当たりなどの犯行を企てる漁船には機関砲攻撃をしても合法です。さらに武器を用いて反抗する漁船は『偽装軍艦』とみなされ、海自艦艇や航空機によって攻撃して撃破するのが当然です」(伊藤氏)

頼もしい限りだ。宮古海峡封鎖は防げるかもしれない。先の北村氏も自衛隊の攻撃が認められるというが......。

「中国が宮古海峡封鎖、先島諸島に侵攻した場合、名実ともに日本に対する軍事侵攻なので、自衛隊は総力をあげて反撃するのが当然です。

ただし、日本の反撃に対応して中国軍は日本全土の戦略拠点へミサイル飽和攻撃とサイバー攻撃を実施し、一気に日本政府に降伏を迫るでしょう。要するに"短期激烈戦争"がほぼ確実なのです」(北村氏)

日本全土が火の海になる。高市首相は降伏するのか......。

「もし降伏すれば、日本が苦境に陥るのは2日以内でしょう。米軍の支援は間に合いません」(北村氏)

しかし数日間、自衛隊と日本国民が持ち堪えられれば、米軍の支援で流れが変わるのではないのか?

「日米安保条約第5条はNATO条約とちがって自動参戦を定めていません。日本が軍事攻撃を受けた場合、アメリカはアメリカの憲法や法令に従って日本をどのように支援するかの検討を開始する、という意味合いであり、必ず援軍を差し向けるなどとは記載されておりません。日本側が勝手に、自動的に援軍が差し向けられると期待しているだけです」(北村氏)

米海兵隊はどうなのだろう。

「世界最強の各種対艦ミサイル戦力と、世界最大の機雷戦力、それに中国沿海部においてはアメリカを凌駕する海軍力と航空戦力を擁しています。そんな中国と干戈(かんか)を交えるほどアメリカはバカではありません。

ちなみに、中国軍相手に上陸作戦は不可能であり、海兵隊はそのような方針は捨て去っております」(北村氏)

日本国民は中国のミサイル豪雨に対して、耐え難きに耐え、先島諸島の陸自各部隊は鉄石の意志を持ち、自衛に邁進し、絶対必勝の信念を持ち、戦い続けるしかない......。

取材・文/小峯隆生 写真協力/柿谷哲也

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