ChatGPTをはじめとした生成AIが身近なものになり、AIを使いこなす「人間の頭脳」が必要となった。そんな時代だからこそ、人は脳を鍛えるべき。
『本当に頭のいい人が実践している AI時代の読書術』(藤井孝一著、ぱる出版刊)では、年間1000冊以上のビジネス書に目を通し、書評メルマガで日本最大級の読者数を持つ経営コンサルタント、株式会社アンテレクト取締役会長の藤井孝一氏が、本格化するAI時代に本当に頭がいい人が実践している読書術を紹介する。
AI時代の読書の目的は明確。「脳トレ」である。脳トレとしての読書のポイントは、アクティブに能動的に読むこと。具体的には「アウトプットを前提にした読書」だ。
ただし、分厚い書籍を最初から最後までアクティブに読むことは現実的ではない。アクティブに読む際は、立ち止まって考えたり、メモをとったり、調べものをしたり、要約したりするなど、追加の作業が必要になるからだ。
なので、熟読すべき箇所を選別するために、流し読みをする。そして、「これは大事だ」という考え方や理論に出会ったら、そこは立ち止まり、能動的に熟読する。その際は、著者と対話をするように読む。たとえば、著者に質問したり、共感したりしながら読んでみる。
アクティブに読む際に欠かせないのが、本への書き込みだ。書き込みながら読むことで、読書の理解を深め、知識の定着を促し、長期的な学習効果を高めることができる。目と脳だけでなく、手も動かすことで、脳の働きをより活発にさせる。受け身になりがちな読書に能動的に取り組むことが、読書を脳トレにするポイントとなる。
では、どのように書き込みをすればいいのか。まず、読みながら文中に気になる単語を見つけたらすかさず印をつける。共感したり、疑問に感じたりしたことや「仕事に活用しよう」と思った箇所なども記しておく。単語に印をつけるときは下線を引くのではなく、四角や丸で囲むか、カギ括弧でくくる。
印をつける単語には、主に2つのタイプがある。
本書の5章では、藤井氏が読んできた本の中から、AI時代になっても役立ちそうな本を選んで紹介しているので、本を選ぶ際に参考にできる。AI時代を生き抜くためにも、読書を習慣にし、読書で脳を鍛え、思考力を育んでみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)