僕は映画本編を観ていませんが、予告編を観る限り、この映画で描かれているカップルは幸せそうです。こんな映画を観たら“国際結婚、いいかも!?”とか思ってしまう女性が増えるんでしょうね。
しかし国際結婚といったら異なる文化的背景を持つ人間が一緒に暮らすということ。そんなにたやすいはずがありません。
今回は、“国際結婚を甘く考えているととんでもないことになるよ!”という壮絶な例を紹介します。
■結婚したら家にお金を入れなくなる
『私が誘拐犯になるまで』(タイトル/出版、サンクチュアリ・パブリッシング/発売)の著者、山下美加さん、はワーキングホリデー中に滞在していたオーストラリアで、やがて結婚することになる元夫・ジョンと出会います。ジョンは建築会社を経営し、2軒の賃貸住宅を持っていて、山下さんが住んでいたシェアハウスのオーナーでもありました。猛烈なアプローチを受けた山下さんはジョンと交際、結婚します。
結婚したら家計はひとつになると思っていた山下さんでしたが、ジョンはさまざまな理由をつけて家にお金を入れなかったそうです。
■金銭面・子育てを巡って険悪に
やがて二人の間には子供が生まれましたが。ジョンは育児もいい加減。旅行会社で働きはじめた山下さんに協力しようという素振りはありません。
■別居・離婚、そして泥沼の裁判
家にお金を入れないばかりでなく、山下さんのクレジットカードで勝手に高額な買い物をするなどジョンの行動はエスカレート。ついに山下さんは愛想をつかし別居、やがてジョンと離婚することを決心します。
■離婚してサヨウナラ…とは行かず
離婚して、はいサヨウナラ、となればよかったのですが、ここからが悲劇の始まりです。離婚した直後、山下さんはジョンの書類の中から大量の訴状を発見します。それらはすべてジョンが原告となっており、相手は銀行、保険会社、弁護士、と様々。ジョンの正体は慰謝料を目当てに訴訟を起こしまくる“訴訟マニア”だったのです。
案の定、離婚したとたんにジョンは子供の親権を主張しはじめます。もちろんジョンには子育てをする能力も、収入もありません。
■そして泥沼の裁判地獄
子供本人もジョンを嫌がっていたため、日本の法律ならジョンは子供との面接を制限、または面接交渉権停止となってもおかしくはありません。しかしオーストラリアの法律では、どんな親であろうとも子供との面会権を剥奪することはできません。子供を連れて日本に帰ろうとすれば、それは「誘拐」となり、オーストラリアからの出国を停止されてしまうことにもなります。
その後もジョンはありとあらゆることをタネに次から次へと山下さんを訴え続け、山下さんに対する脅迫、嫌がらせもエスカレートしていきます。
現地の弁護士はお金がかかるばかりで頼りにならない、再婚した日本人男性も終わりの見えない裁判に重度のうつを患うなど、まさに悲劇。
最終的に、山下さんは子供を連れて夜逃げ同然の形で日本に帰還。当然ジョンは追いかけてきて、「私の子供は誘拐された」と書いたビラを配るなどましたが、警察署からストーカー認定を受け、現在は騒ぎは収まっているようです。
結婚する前から離婚した後のことを考えるのは寂しいことかもしれませんが、国を跨いだ結婚の場合、法律の相違はトラブルの元。
国際結婚を考えているのなら『ダーリンは外国人』を観て浮かれてないで、元夫ジョンとの闘いが生々しく記された『私が誘拐犯になるまで』を読んでみることをおすすめします。
(新刊JP編集部/山田洋介)
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