自叙伝『リベラルライフ』(梧桐書院/刊)を読む限り、杉本彩さんの恋愛は自分にも相手にも求めるものの多い、とてもストイックなものだったようです。
 しかし恋愛は長続きすればするほど“馴れ合い”になりがちで、刺激は薄れていくもの。

 この課題はどう乗り越えていけばいいのでしょうか?
 前回に引き続き、杉本さんにお話を伺いました。


■「本物を探し求めてそれを得ることは、並々ならぬエネルギーや精神力、体力がいること」
―杉本さんが『リベラルライフ』で綴られている、現在の考え方になるにあたり影響を受けた出来事や人物がありましたら教えてください。

杉本「この考えに至るまで、具体的に自分を導いてくれた特定のだれかがいるわけではないですが、これまでの恋愛経験や結婚の経験はすごく大きかったと思います。当然、仕事の経験も。愛することで苦しんで、仕事の苦しみもそうですが、そこから脱出するためにはさまざまな現実と向き合わなければなりまんでしたから、自由な精神で生きることでしか乗り越えられない、ということを経験から知ったのです。だから、だれかが教えてくれたということではなく、自分が苦悩した結果として到達したんだと思います。もちろん、そこには愛する人からの影響もあるわけですが」

―本作で綴られている杉本さんの過去の恋愛は、自分にも相手にもものすごく真摯な愛情を求めていらっしゃって、相手に求めるものも自分に課すもの大きいという、とても激しくエネルギッシュな印象を受けました。杉本さんのそのような激しさやエネルギーはどこからくるのでしょうか?

杉本「自分でも思うんですけど、たぶんニセモノに興味がないんだと思います。それは恋愛に限ったことではなくて、仕事でもそうなんですけど。中途半端なニセモノには全く興味がないんですよ。でも、本物を探し求めてそれを得るっていうことは、並々ならぬエネルギーや精神力、体力がいることです。ただそれだけのことなんじゃないかと思います」

―でも、それだと恋愛するのが大変じゃないですか?相手も見つかりにくいでしょうし。


杉本「すっごい大変ですよ(笑)。私にもエネルギーがいるし、同じように相手にもエネルギーを要求しているんですから。そこのバランスが釣り合っていないと恋愛が成立しないので」

―そういったある種の“激しさ”は美意識の強さから来ているのでしょうか。

杉本「今はほどほどになってきましたけど、若い頃は美意識を通り越していましたね。もう異常なまでの完璧主義者。今は、ほどよくなったと思います(笑)」

― 一例として、恋愛って長続きさせるために多少の「馴れ合い」は潤滑油として機能するわけじゃないですか。杉本さんはそういったものもあまりお好きではないのでしょうか。

杉本「馴れ合いは、その二人の関係をいい方向には向かわせないと思います。もちろん時がたてば、お互いに馴れ合う部分が出てくるのは、自然なことなんですけどね。でも、現状に甘んじて緊張感を全く失ってしまうのはよくないことです。安心感の中にも、“緊張感という思いやり”と、“男と女”として認め合うことは相手に対する礼儀でもあります。それをおろそかにしなければ、刺激のある関係性を継続させることも可能だと思うんですよ。

例えば、二人の関係を守ることばかりにとらわれているカップルっているでしょ。そういうカップルはお互いから刺激を排除するので、行動範囲を狭めるし、結果、成長を妨げることになりかねない。それでは、お互いが相手への興味をどんどん失っていって、男として見られない、女として見られないというような、つまらない関係で終わってしまうんです。でも、二人でもっといい人生をデザインしていこう、という現状に満足しない姿勢が共通していると、それに対する努力ができて、人生や生活に変化が生まれます。お互いの変化を認め合う作業は大変ですが、そうすれば馴れ合いの関係にはならないのではと思います」

―杉本さんの生き方に憧れる方は女性を中心に多いと思いますが、そんな杉本さんが憧れる女性像がありましたら教えてください。

杉本「“自分の足で立って人生を切り開いてきたという経験から生まれる、強さと優しさを兼ね備えている成熟した大人”っていうのが昔から思っている理想の女性像ではあるんですよね。精神的なゆとりがあって、人を寛容な包容力で包み込めるたおやかな優しさがあって。それが目指すべき女性像かなと思っています」

―今おっしゃった“強さ”というのは、具体的にどのようなことでしょうか。

杉本「人に依存せず、自分で自分の人生に責任を持って生きていけるということですね。精神的にも経済的にも、というのが理想ですけど、たとえ経済的に自立することができていなくても、精神的な自立は必要だと思います」

―杉本さんが考える、恋愛における男と女のいい関係というものはどんな関係ですか。

杉本「お互いに影響を与えあっていける関係で、お互いに足りない部分を補いあっていける関係だと思います。人間は、一人では足りないところだらけです。
でも、だれかとパートナーシップを築くことによって補うことができる。一人のいい男、一人のいい女として成熟し完成するには、絶対にパートナーが必要なんですよね」

第3回 杉本彩、ズバリ“芸能界は好き?”
(第1回 「結婚という制度は無意味」を読む)


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