私たちは休憩を含め一日最低9時間は拘束されて、通勤時間や残業を入れると起きて活動している時間のほとんど仕事をしています。
もし、そんな人生のうち最も多くの時間を占有する仕事がつまらなかったら、ものすごく不幸ですよね。
キヤノンで後に「特許の鬼」と呼ばれた丸島さんも最初は「仕事がつまらない」と思っていたそうです。
技術者を夢見ていたのに突然の特許課への配属。4人しかいない部署で、丸島さんの主な業務は会社の仕事を弁理士に運ぶ「メールボーイ」でした。同期の活躍に焦り、つまらない以上に拷問にあっているさえと感じるようになっていたとき、「コピー機」の特許を取得する仕事に出会います。
当時、100%のシェアを誇っていたのはゼロックス製のコピー機でした。その特許数はなんと1500。キヤノンがコピー機を作っても、その特許包囲網からは抜け出せない―。しかし、丸島さんはその仕事にやりがいを覚え、ついにはキヤノン製のコピー機を世に出すことに成功します。そして、丸島さんは特許件数世界一の実績を達成してしまうのです。
「仕事の面白さがわかるのに五年、十年かかる、本当にそうなんです。特許の仕事をやって、よかったなと、心から思いますね。
そう丸島さんは言います。辛い時期があったからこそ天職と呼べる仕事だと思えるようになったのかもしれません。
『ゆれるあなたに贈る言葉』(今井彰/著、小学館/刊)はNHKの伝説の番組「プロジェクトX」の元プロデューサーである今井さんが「仕事のやりがい」「人間関係」「金銭面」などをテーマに、働くことの指針を綴った一冊です。丸島さん他、一流サラリーマン仕事に対する姿勢は真摯で情熱が伝わってきます。
きっと働き方に迷っている人の、解決の糸口がつかめるのではないでしょうか。
(新刊JP編集部 川口絵里子)
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