自慢ではないが、筆者(28歳・男)は貯金が1円もない。
 貯めようとして失敗したこともないことはないが、基本的には手元にあるお金はすべて使わないと気が済まない。

 しかし最近、この性格に変化の兆しが。何せあと2年もすれば30歳である。
 相変わらず経済は低調で所得が上がる見通しはなく、年金だって受給年齢になっても支払われるかはなはだ怪しい。受給年齢自体もどんどん上がって、貯金がないと死ぬまで働かないといけなくなるかも。
 それに結婚はどうしよう。
愛は金で買えないといっても30歳で貯金が一切ない男のところに嫁にくる女性がいるだろうか。いるはずがない。
 そこで、今回こそはまじめに貯蓄に励むことにした。しかし慣れないことを始めるには教科書が必要! ということで『幸せな億万長者になる賢者ソロモン王の教え』(ブルース・フリート、アルトン・ガンスキー/著、佐藤利恵/訳、メトロポリタンプレス/刊)を参考にすることにした。
 この本は、人類史上最高の億万長者と言われるソロモン王の教えを紹介したもの。
 彼の言いつけを守れば、タイトル通り「幸せな億万長者」になれるはずだ!

■「勤勉な人はよく計画して利益を得、あわてて事を行う者は欠損をまねく」(『箴言』二一章五節)
 物事を始める前に、まずはよく計画を練るべし。それを怠ると後々困ったことになる、というソロモン王の名言。

 当然貯蓄にも言えることだ。計画なき貯蓄は長続きしない。
 そこで「1年後までに30万円」という目標を立てた。あまり高い目標はかえってやる気をそぐ。地道にコツコツと、が貯金のコツだ。
 具体的な方法として、

 月2万円を定期預金×12か月(24万円)
 生活費として毎週1万円ずつ引き出し、その中から2千円を貯金箱に入れる。

 貯金箱は空けることのできない物を選び、定期預金は一定期間おろせない物にすることで強制的にお金が貯まる仕組みに。

■「外ではあなたの仕事を準備し、畑を整え、それから、家を築くがよい」(『箴言』二四章二七節)
 これは、目の前のことを満足にできない人は、将来やりたいと思っていることもできない、という意味の名言だ。
 もちろん計画は大事だが、やると決めたらすぐに始めなくてはならない。
 ということで、すぐさま貯金箱を買い、貯金開始!


■「散らしてなお、加えられる人もあり、締めすぎて欠乏する者もある。気前のよい人は自分も太り、他を潤す人は自分も潤う」(『箴言』一一章二四、二五節)
 毎月二万円+週二千円の貯蓄ペースがうまく行き、徐々にお金が貯まり始めたところで出会った教え。
 財布のヒモを締めるのは大事だが、ケチになってはいけない。

 人に与えられる人こそ潤うという考えのもと、編集部・金井にジュースをおごり、貯蓄を継続。

■「富を得ようとして労するな、分別を持ってやめておくがよい」(『箴言』二三章四節)
 貯蓄が軌道に乗り始めると「もっと、もっと貯めたい」という欲が出る。
 週2千円の貯蓄を3千円に増やし、ペースアップを図ったが、気がつくと考えることはお金のことばかり…慣れない貯金がうまくいくと、人は守銭奴になり下がる…。
 そんな筆者を戒めたのがこの名言。
富や財産を得ようとするあまり、毎日の生活を楽しみ、幸せを感じることを忘れてしまっては元も子もない。
 一生懸命お金を貯めなさい、でも焦ってはいけない。
 これこそが貯蓄のための最大の心理なのかもしれない。

 お金のことばかり考えている人は、得てして嫌われやすい。そして嫌われた人間のところには富はやってこない。
 日々の生活を楽しみ、人に与えながら、コツコツと継続するのが貯蓄の最大のポイントなのだ。
(新刊JP編集部/山田洋介)

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