高級なイメージのある寿司を安く食べられる「回転寿司」は庶民の味方。なかには「全品100円均一」といった激安のお店もあり、こんなに安くて大丈夫なの?と疑問に思う人も多いでしょう。


 回転寿司評論家の米川伸生さんの著書『回転寿司の経営学』(東洋経済新報社/刊)によると、回転寿司店のネタの原価は42%~48%が目安になっているそう。40%を切ってしまうと客の満足度が下がり、50%を超えてしまうと経営的に苦しくなってしまうため、「42%~48%」というのがギリギリのラインのようです。

 ところで、この「42%~48%」というのはネタ全種類の原価の平均値です。当然、ネタの種類によって原価率の高いネタと低いネタがあります。
 では、原価率の高い、言ってみれば「お得なネタ」とは何なのでしょうか?

 もちろん店によってネタの原価率はバラバラなので、一概に言うことはできませんが、某100円寿司の原価を例に出すと、最も原価率の高いネタはウニで80%。さらにマグロの75%、アナゴの70%、ハマチの65%と続き、原価率の低いネタにはツナ(10%)、エビ(25%)、玉子(30%)などがあります。

 また、目玉商品には原価率が高くても安い価格設定にして客の満足度を上げることもあり、これは人気店に共通する経営方針だと米川さんはいいます。たとえば、愛知県にある『炎の回転寿司 武蔵丸』は、常時本マグロの中トロを一貫100円で提供しています。その原価率は何と85%!

 しかし、こういった目玉商品ばかりが食べられてしまうと経営が成り立ちません。回転寿司は高原価率のネタと低原価率のネタをバランスよく食べさせることで成り立っているのです。

 『回転寿司の経営学』にはこの他にも、回転寿司の歴史や人気店の経営の秘密、回転寿司にまつわる裏話など、回転寿司の表と裏が余すところなく紹介されています。
 
 業態に関わらず飲食店には参考になるノウハウも多数掲載されていますので、ビジネスにも大いに役立つにちがいありません。

(新刊JP編集部) 

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