「運命の赤い糸」「運命の人」など、あたかも前からそうなることが必然であったかのようなことが起こるとき、「運命」という言葉は使われる。

 しかし、その使い方は決して間違いではない。


 私たちの「運命」は、「カルマ」によってもうある程度、定まっている――そう言うのは本書『幸せの風が吹いてくる』の著者である木村藤子氏だ。

 木村氏は霊能力者として知られ、地元・青森では「青森の神様」とまで言われる。
 また、TBSで放送されている人気番組「金曜日のスマたちへ」などに出演し、故・飯島愛さんが芸能界を引退するときに「今、引退せずに乗り越えた方が良い」と引き止めたことでも注目された。

 そんな木村氏は本書の冒頭で、自ら行った善い行い、悪い行い、いわゆる「カルマ」はいずれ先の未来の中で、その行いにふさわしい出来事が起こり、体験することになると言う。

 つまり、現世の人生が「良くないこと続き」であるならば、前世の自分の行いに起因しているというのだ。そして、この自分が行った行為としての災いが、いつ、どのようにして自分の身に還ってくるかは、神によって決められるという。

 また、私たちが生まれてきた目的も、その人のカルマに合った役目として仕事が与えられるという。

 木村氏は本書において、自分が透視能力者であることを自覚したときのことを初めて明かしている。それは34歳のとき。「神」と対面し、そのご利益を受けたのだという。
 そして「人のために働きなさい」という神の言葉に意を決し、現在の人生を歩んできたのだそうだ。

 本書ではそういったことを踏まえて、「老い」や「家族」「学び」「介護」「お金」など、人生における大切な、さまざまなトピックを語り尽くしている。
特に「お金」のトピックでは「収支のバランス」や「自己投資の本当の意味」など、ビジネスパーソンの実生活に直結したテーマが並んでいる。

 本書で語られていることは、さまざまな人の人生を透視し、その「カルマ」を見据えてきたから木村氏だからこその言葉であり、そして自身の「運命」に委ねながらよりよく生きる――つまり、幸せになるための方法を提示してくれる。

 「運命」と格闘し、誰もが業を背負い、現世を彷徨いながら生きている。だからこそ、本書は生きるためのコンパスとなるに違いない一冊だ。
新刊JPニュース編集部)


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『幸せの風が吹いてくる』
著者:木村藤子
出版社:主婦と生活社
定価(税込み):1260円
発売中
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