テレビや舞台、音楽など幅広く活躍するタレントのモト冬樹さんが、自身の恋愛遍歴や女性関係、そして新しい「オトコの生き方」をつづった『寝ない関係』株式会社ワニブックス)を上梓した。
 新刊JP編集部は「男と女」という難しい関係を起点とし、他人と良い関係を築くための処世術がつまった本書の真意を聞くために、モト冬樹さんご自身にインタビューを敢行。
世の男子諸君よ、このたくさんの恋愛をしてきたというモト冬樹先生の講義を読んで勉強しよう!


◆若い頃にした「たくさんの恋愛」と、歳を重ねていく中で築いた「寝ない関係」

―本書を読ませて頂きまして、テレビで拝見するモト冬樹さんのイメージそのままに、男女屈託なく付き合うモトさんの人間像が垣間見ることができて、ホッと致しました(笑)。

「おお、そうですか。それは喜んでいいのか、悲しんでいいのか分からないなあ(笑)」

―本書『寝ない関係』についてお聞きしていきますが、この「寝ない関係」という男女関係をどのようにして築かれたのでしょうか?

「うーん、それはおそらく年齢的な部分が大きいと思うね。僕は去年58歳になったけど、その歳を積み上げていく中で『寝ない関係』を築いたというかね。
若い頃ってある意味で野獣みたいなものでさ、『あ、顔がいいな』とか『この女は体いいな、セックスしたいな』って思うわけじゃない。でも、歳を重ねていくとセックスの意味が変わってくるんだよね。最初はその行為によって相手のことが全部分かったり、自分のものになるっていう勘違いをしちゃうけど、だんだん『あ、そうじゃねえな』って思ってくるんだよ。
確かにセックスすることによって、それまで知らなかった相手でも3ヶ月くらいは親しくなれるかも知れない。けれど、実際はそれ以上でもそれ以下でもないと思うんだよね。あ、もちろん3ヶ月急に親しくなれるって凄いことなんだよ。でも、本当はその人のことを何も理解できていないし、別に自分のものになるわけでもないじゃない」

―よく考えてみると、そういう関係は空しいですよね。

「歳を重ねていく中で、そういうことがだんだんと分かってくるんだよ。
で、それと同時に身体の関係もない、すごく良い関係の親友みたいな女性がいるってことに気づくんだよね。これはね、築こうと思っても築けることじゃないと思うよ。だから『あいつと寝ない関係になりたい』って目指すのは無理なんじゃないかな」

―でも、女性として意識してしまうとまたややこしいことになってしまいそうです。

「だから、『今、すごく良い関係だな』っていう人とセックスしたいって思ったら、結婚するくらいの覚悟がないといけないと思うんだよね。今の『良い関係』のバランスが壊れて、そこらへんにいる男と女になってしまうかも知れないじゃない。
『寝ない関係』っていうのは、男女のとても良い関係だと言ったけど、相手を尊敬したり、素敵だなと思わないと成り立たないんだよ。人間的にも、女性的にもそう。単純に『別にこの女と寝たくないや』っていう意味では全然ないわけで、女性的にも魅力だし、人間的にも魅力がある。そして気がつくと2人で良い関係になっている、それが理想だと思うんだよね」

―「男女の友情は成立するのか」という議論がよくありますが、モトさんはどのように思いますか?

「若い頃はそれは不可能じゃないかな。親友だったと思っても、それはフリでしかないよ。親友のフリ。心の中では絶対女性だと意識しているし、あわよくばセックスしたいと思っているし、我慢していると思う。
よく女性が『親友同士だよ』っていうけど、それは女性の方が勘違いしているんだよね。だから、若いときの男女の親友って難しいと思う。
だから、若いときはいっぱい恋愛すべきなんだよ。付き合って3日間で別れてもそれが薄い恋愛かと言われればそんなことなくて、中身の問題だと思うんだよね。いっぱい恋愛して、そこで何が大事か分かることが重要だと思うなあ」

―それはやはりモトさんの1000人斬りとも言うべきご経験があってのことなのでしょうか。

「いやあ、数えたことは…バカヤロウ(笑)!」

―す、すみません(笑)!

「(笑)今までのセックスを数えて競っているような馬鹿なやついるじゃない。要するに、セックスだけに目標を置いているようなさ。俺はそういうやつらとは違うよ(笑)。何か得るためにしていたわけだから。
そういう経験をしてきたら、今じゃ初めて会って話した女性でもこの人はこういうタイプの人だなってある程度分かるよ」

―それはすごいですね!

「もちろん、当てはまらない女性もたまにはいるよ。でも、大体あっているんだよね。それはやっぱり若いときにたくさん恋愛してきたからこそだよね」

―若いときはたくさん恋愛しなさい、とよく言われますね。


「そりゃそうだよ。何でかというと、若い頃って怖さを知らないから。怖さや、やっちゃいけないことを知らないんだよね。だから何をしても怖くない。
でも、だんだん大人になってくると、コレはやっちゃいけないことだなということが分かってくるんだよな。例えば付き合っていた女性と別れたあと、その女性の友達と付き合うとかさ。昔はそんなこと全然平気だったけど、自分がやられたらすごく嫌じゃない。自分がやられて嫌なことってやっちゃいけないんだよ。結局、自分に降りかかってくるんだよね」

―それはモトさんご自身の経験から得たことですか?

「そう。だから、人に優しくしてもらいたかったら、自分が人に優しくしないといけないんだよ。愛してもらいたかったら、こちらも愛さなきゃいけない。カッコつけて言ってるわけじゃないくて、結局はそういうことなんだよな」


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