試合前の時点で3勝4分1敗の勝ち点「13」を獲得していたオーストラリア代表は、グループCの2位通過を狙うなか、既に突破を決めている日本代表との試合に臨んだ。序盤から守備に重きを置く戦術を採用し、スターティングメンバーの9名が今最終予選初出場だった日本代表に付け入る隙を見せず、スコアレスのまま時計の針が進む。だが、迎えた90分、ボックス右に入ったMFライリー・マッグリー(ミドルズブラ/イングランド)からの折り返しを、MFアジズ・ベヒッチ(メルボルン・シティ)が右足で沈め、土壇場でオーストラリア代表が先制。このゴールが決勝点となり、オーストラリア代表は2009年6月17日以来、およそ16年ぶりに日本代表を破った。
試合後のフラッシュインタビューにはチルカーティが登場。昨年にひざの前十字じん帯断裂の大ケガに見舞われていたチルカーティにとっては、約9カ月ぶりのオーストラリア代表復帰戦だった。時には涙を見せながら、この勝利の持つ意味や復帰までの道のりについて語ったチルカーティは、対戦相手である日本代表にも言及。「彼らは本当に素晴らしい。ベンチに座っている選手たちを含めても、クオリティーの高い選手が数多くいるんだ。確かに今日は、多くの主力選手が不在だったけれども、今日の試合に出ていた選手たちも、(主力組に)引けを取らないと思う。本当に手強いチームだった」と称えた。
また、チルカーティは所属するパルマ・カルチョで、GK鈴木彩艶のチームメイトだ。
「彼らはこの予選を首位で通過する資格のあるチームだと感じた。だが、それと同時に、僕らも今日の試合では勝利に値するパフォーマンスを見せられたと思う。もちろん、彼らの手強さは重々感じていたけどね」
「日本人は、常に勝つことだけを考えて、このアジア予選を戦っている。いつ、どんな状況に置かれても、アジアでは勝利を目指すのが彼らのメンタリティーだ。そんな相手に勝って、ワールドカップ出場に近付けたのだから、こんなにも喜ばしいことはないね」
オーストラリア代表が勝ち点「3」を積み上げたことで、4位のインドネシア代表が2位に浮上する可能性は消滅。オーストラリア代表は次節、3位につけるサウジアラビア代表との直接対決を控えているが、この後行われる第9節でサウジアラビアが引き分け以下に終わった場合は、直接対決を待たずにグループCの2位通過が確定する。
【ゴール動画】オーストラリア代表が“ワンチャンス”を活かす