今大会より新設された準々決勝ではオランダ代表を2戦合計5-5のPK戦で破り、接戦を制して準決勝へ駒を進めたスペイン代表。
試合の立ち上がりはフランス代表が主導権を握り、6分にはウスマン・デンベレのボール奪取からキリアン・エンバペにGKと1対1のチャンスが訪れる。しかし、鮮やかなカウンターはスペイン代表GKウナイ・シモンのビッグセーブに防がれた。12分には右サイドでのショートコーナーからデンベレがマイナスの折り返しを供給。パスを受けたテオ・エルナンデスが左足でシュートを狙うが、惜しくもボールはクロスバーに嫌われる。
そんななか、22分にスペイン代表がスコアを動かす。ポゼッションで相手をハーフコートに押し込みつつ、ロビン・ル・ノルマンが右サイドに張るラミン・ヤマルへと展開。細かいタッチで運びながら2枚のマーカーを引き付け、ペナルティエリア右角からゴール前にグラウンダーの横パスを送る。ミケル・オヤルサバルがディフェンダーを背負いながら自身の右脇にボールを流し、ニコ・ウィリアムズが豪快に左足を一振り。劣勢のスペイン代表が先制した。
さらに25分、センターサークル内でボールを持ったマルティン・スビメンディがブロックの間を通すグラウンダーの縦パスを入れる。ミケル・メリーノがワンタッチでオヤルサバルに預けると、自身は最終ラインの裏に空いたスペースへとスプリント。オヤルサバルが浮き球のリターンパスを送り、メリーノがワンツーの形でボックス内に侵入。右足でニアを射抜くシュートを流し込み、主導権を奪い返したスペイン代表が貴重な追加点を挙げた。
後半もスペイン代表の勢いは止まらない。51分にハーフウェイライン付近でメリーノがボールを奪取。ニコ・ウィリアムズがドリブルで運んでカウンターに転じ、ボックス内でラストパスを受けたヤマルがアドリアン・ラビオに倒される。主審はPKを宣告し、ヤマルが落ち着いて沈めて3点目をゲット。直後の55分にはペドリが左サイドのニコ・ウィリアムズに展開し、自らペナルティエリア内でボールを受け直して“技あり”のチップキックを披露。スペイン代表がリードを4点に広げる。
一方のフランス代表も、58分にエンバペがペドロ・ポロから倒されPKを獲得。エンバペが冷静にキックを決めて反撃の1点を奪った。
79分には、フランス代表デビューを飾ったラヤン・シェルキが豪快なミドルシュートをネットに突き刺して点差を縮める。勢いを取り戻した“レ・ブルー”は、84分に右サイドの背後をとったマロ・ギュストのクロスが相手のオウンゴールを誘発。後半アディショナルタイムにはランダル・コロ・ムアニの得点で1点差に迫る。
結局、そのまま試合は5-4で終了し、逃げ切ったスペイン代表が勝利。決勝は今月8日に開催され、スペイン代表はポルトガル代表と激突する。なお、敗れたフランス代表は同日に行われる3位決定戦でドイツ代表と戦う。
【スコア】
スペイン代表 5-4 フランス代表
【得点者】
1-0 22分 ニコ・ウィリアムズ(スペイン代表)
2-0 25分 ミケル・メリーノ(スペイン代表)
3-0 54分 ラミン・ヤマル(PK/スペイン代表)
4-0 55分 ペドリ(スペイン代表)
4-1 59分 キリアン・エンバペ(PK/フランス代表)
5-1 67分 ラミン・ヤマル(スペイン代表)
5-2 79分 ラヤン・シェルキ(フランス代表)
5-3 84分 オウンゴール(フランス代表)
5-4 90+3分 ランダル・コロ・ムアニ(フランス代表)