リヴァプールに所属する日本代表MF遠藤航が「SEKAI NI WATARU PROJECT」の発表会を東京都内で開催。ゲストトークでは、バドミントン元日本代表選手であり、元サッカー選手の増嶋竜也氏の妻でもある潮田玲子さんとプロジェクトについて語った。


 「SEKAI NI WATARU PROJECT」は、遠藤が自身の体験と哲学に基づいて開発した子どもと保護者のための育成プログラム。神経伝達系の発達が最も進むと言われるゴールデンエイジ期(7~12歳)に、日本国内だけでなく世界の同年代とのコミュニケーションを通し、専門的なスキルだけでなく、語学、文化などの多様性に触れることが子どもの成長に重要であるという遠藤本人の体験や思考をベースに開発したものとなっている。

 世界とも戦ってきた潮田さんは今回のプロジェクトについて「幼少期に世界に行ったときに、凄く気後れがありました。言語の壁だったり、周りの皆さんが強そうに見えたりして気後れをした覚えがあったんですが、プロジェクトでは7歳~12歳と一番色々なことを感じて、吸収して、凄く大事な時期に心構えを整えて挑戦することはとても魅力的だなと感じました」とコメント。「世界にただ行くだけではなく、向こうで何がするかが大事なので、素晴らしいプロジェクトだなと感じました」と、元アスリートとして今回のプロジェクトの印象を語った。

 一方で、7歳と9歳の2児の母でもある潮田さん。母親としての印象は「何かしら世界に挑戦してほしいという思いはありますが、母親目線だととても心配です」とコメント。「意欲的に、積極的にと思いますが、我が子を見ていても凄くシャイであったり、『うちの子は大丈夫?』という目線もあると思いますが、1年間かかけて準備してくださるのは安心です。また、親の心構えもサポートしてくれるというのは、本当に心強いと感じました」と、親の視点からも期待の持てるプロジェクトだと語った。

 遠藤も4児の父親でもある中で「僕もいち父親として、子どもが海外に行くということが凄く心配ということはよく分かるので、だからこそしっかりサポートすることが必要だという思いがあるので、しっかり支援していきたいです」と、子どものサポートだけではなく、親へのサポートもしっかりしていきたいとした。

 “世界へ渡り、世界と渡り合える子どもたちを育てる”というビジョンのもと、自分にとっての最適解を見つけ出す力・「自考流(じこうりゅう)」を育むことも目的としているプロジェクト。自身の体験から、子どもをサポートする難しさについても言及した。


 潮田さんは「(自身の親は)見守るという姿勢でした。自分が親になって、相当難しいことだと感じませんか?」と遠藤に振ると、「そうですね。どうしても口を出したくなります」と、親としての難しさで共感を得ることに。「私は強制されたことは一度もなくて、自分がやりたいようにという感じでした。あとは、ちょっと迷っている時に、こっちを選んだ方が向上するのは分かるけど、厳しいからちょっと怖いという時があったんですが、そっと背中を押されるというか、挑戦した方が良いんじゃないと両親から声がけされました。改めて、両親のサポート力ということを、自身が親になって感じています」とし、「自分がそうできているかというと、ついつい言っちゃう」と、我慢しきれない難しさを語った。

 遠藤も「凄く難しいです。僕の父親も、基本的には見守りながら、少し自分が悩んでいたりとか、サッカーで言えばポジションが変わったタイミングに、戦術の本をプレゼントしてくれたりしました。要所要所で父親が出るタイミングがあると思うので、基本的に僕も見守りながら、子どものちょっとした変化を感じて声を掛けてあげたりできる父親になりたいです」と、理想の父親像を語りながらも、難しさを感じているようだ。

 今回のプロジェクトでは親にもフォーカスを当てることになるが、遠藤は「子どもを持った親の方は悩みを抱えていると思いますし、子育ては大変ということは僕自身もそうですし、みなさん色々な悩みを抱えながら生活していると思います。そのサポートやアドバイス、子どもにとって良いことの相談役になれたらと思います」と、しっかりとサポートしていきたいとコメント。潮田さんは「お父さん、お母さんを見ていると一生懸命で子どもたちのためにというのは見てとれますが、なかなか思いが強すぎて子ども達のプレッシャーになってしまったり、日々の声掛けのタイミングやチョイスするワードが凄く大事だと思います。
親のメンタルケアというのも凄く重要だと思います」と、子どものチャレンジを支える親のサポートも非常に重要な要素になると語った。

 トークセッションの最後には世界に挑戦する子ども達と親へのメッセージも。潮田さんは「このプロジェクトに参加することによって、きっと人生が変わることになると思います。自分の可能性を信じて、保護者の方は子どもの可能性を信じて、一緒に目指していただけたらと思います」とコメント。遠藤は「子ども達が世界に羽ばたく姿を見ることは、僕自身も凄く楽しみにしていますし、日本人のポテンシャルは凄くあると思うので、海外にどんどん出て挑戦していきたいというものをサポートしていきたいです。色々な方にこのプロジェクトを知っていただき、素晴らしいチャレンジングなプロジェクトにしていければと思います」と意気込みを語るとともに、エールを送った。
編集部おすすめ