ドイツとアルゼンチンの強豪が、クラブW杯の舞台で相まみえる。
両チームはそれぞれ、クラブランキング上位として今大会に参戦。バイエルンは15日、オークランド・シティ(ニュージーランド)を相手に10-0と圧巻のゴールラッシュを見せて、堂々の白星スタートを切った。一方のボカ・ジュニオルスは16日、ベンフィカ(ポルトガル)相手に2点を先行しながら、終盤に2点を奪われてドローと痛恨の結果。バイエルン相手に大会初白星を狙う。
前回の試合から中4日のバイエルンは、スターティングメンバーを3名変更しており、コンラート・ライマー、レオン・ゴレツカ、セルジュ・ニャブリが大会初先発に名を連ねる。一方のボカ・ジュニオルスは、中3日のスケジュールながら、変更点はレッドカードで出場停止となった2名のところのみ。最低限の入れ替えで、大会初勝利を狙う。
試合は序盤からバイエルンが押し込む形となり、8分にはセットプレーからゴールネットを揺らす。ミカエル・オリーズの蹴った右コーナーキックが、直接ゴールに吸い込まれたものの、ここでVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入。ボカ・ジュニオルスのGKアグスティン・マルチェシンの動きを制限したセルジュ・ニャブリのプレーがファウルとみなされ、得点は認められない。
それでも、バイエルンは1度握った主導権を手放すことはなく、18分には正真正銘の先制ゴールをゲット。
その後もバイエルンペースで時計の針が進み、ボカ・ジュニオルスはなかなか攻撃へ移ることができない。それでも、31分には敵陣右サイドで獲得したフリーキックの場面、ケヴィン・セノンが直接ゴールを狙い、GKマヌエル・ノイアーを脅かす。直後の33分にも、ペナルティエリア右でこぼれ球を拾ったセノンが再び左足を振ったが、GKノイアーに弾き出され、限られたチャンスをモノにすることはできなかった。
バイエルンの1点リードで後半へ折り返すと、立ち上がりの53分に1つ決定機を構築。ボックス内までボールを持ち運んだゴレツカの折り返しから、オリーズが左足を振り抜くも、GKマルチェシンが立ちはだかる。だが、ボカ・ジュニオルスも中盤より高い位置で前を向ける回数が増加し、両サイドバックが攻撃参加する機会も作るなど、盛り返す気配も醸し出す。
バイエルンは57分、ゴレツカとニャブリを下げて、アレクサンダル・パヴロヴィッチと、ケガから戻ってきたジャマル・ムシアラを投入。選手層の厚さを駆使して、追加点を狙いに行くが、次の1点はボカ・ジュニオルスに生まれる。66分、自陣中央でオリーズの突破を凌いだところから、右サイドへ広げると、アラン・ベラスコが背後のスペースへスルーパスを供給。
失点直後に、バイエルンはラファエル・ゲレイロとキングスレイ・コマンに代えて、ダヨ・ウパメカノとレロイ・サネを送り出す。だが、同点弾によってスタジアムに駆けつけた“ボケンセ”(サポーターの愛称)に火がつき、ボカ・ジュニオルスにも勢いが増していく。
1-1のまま終盤に突入した中で、81分にはムシアラがプレー続行不可能となり、状態を心配されながらピッチを後にする。代わって入るのは、今大会を最後にバイエルンから退団するトーマス・ミュラー。“仕事人”の登場でバイエルンに再び流れが傾くかと思われた中で、84分には次の1点を奪う。敵陣右サイド大外で前を向いたオリーズから、ボックス内でライマーがボールを引き出すと、ここから混戦が発生。最後はケインの落としからオリーズが左足で仕留め、バイエルンが勝ち越しに成功した。
このゴールで再び勢いを手にしたバイエルンは、87分にも右サイド内側のスペースをミュラーとのワンツーで駆け上がったライマーが、冷静すぎるループシュートを沈めたものの、ここはオフサイドのため得点は認められない。だが、これ以上ボカ・ジュニオルスに反撃の隙を与えることはなく、試合はこのままタイムアップを迎えた。
この結果、バイエルンは2連勝で決勝トーナメント進出が決定。
次節は24日に行われ、バイエルンはベンフィカと、ボカ・ジュニオルスはオークランド・シティと、それぞれ対戦する。
【スコア】
バイエルン 2-1 ボカ・ジュニオルス
【得点者】
1-0 18分 ハリー・ケイン(バイエルン)
1-1 66分 ミゲル・メレンティエル(ボカ・ジュニオルス)
2-1 84分 ミカエル・オリーズ(バイエルン)
【ゴール動画】したたかさを見せたバイエルンがボカを下す