日本代表FW南野拓実を擁するモナコ(フランス1部)は28日、元フランス代表MFポール・ポグバの加入をクラブ公式サイトで発表した。契約期間は2027年6月30日までの2年間。
背番号は「8」に決まった。

 現在32歳のポグバは、2009年にフランスからイングランドに渡ってマンチェスター・ユナイテッドのアカデミーに入団。2011年9月にトップチームデビューを飾ったが、アレックス・ファーガソン体制のマンチェスター・ユナイテッドでは3試合のみ出場し、2012年夏にユヴェントスへとフリートランスファーで移籍した。

 すると、ポグバは移籍初年度から“ビアンコネロ”で活躍する。フィジカルとテクニックを併せ持った圧倒的なスケールで中盤を支配し、ユヴェントスのリーグ4連覇やチャンピオンズリーグ(CL)準優勝などに貢献。世界屈指のセントラルミッドフィールダーとしての地位を確立した。

 そして2016年夏、ポグバは当時の史上最高額となる移籍金1億500万ユーロ(約177億円)でマンチェスター・ユナイテッドに電撃復帰。1年目はリーグカップとヨーロッパリーグ(EL)の2冠に貢献し、名門復活の旗手として期待された。しかし、好不調の波が激しいパフォーマンスや歴代指揮官との衝突でユヴェントス時代の輝きは次第に失われる。在籍後半には度重なる負傷にも悩まされ、凋落する名門の象徴となった同選手は、2022年夏の契約満了に伴い、再び『オールド・トラッフォード』を去った。

 “赤い悪魔”での曇った日々とは対照的に、フランス代表ではスター軍団を束ねる中心選手として活躍。FIFAワールドカップロシア2018では6試合に先発出場し、決勝のクロアチア代表戦でゴールを挙げるなど、大車輪の活躍で母国に20年ぶり2度目の栄冠をもたらした。


 ポグバはマンチェスター・ユナイテッド退団後の2022-23シーズンから、またしてもフリートランスファーでユヴェントスに加入。しかし、プレシーズンで右ひざを負傷し、再デビューは2023年2月までお預けを食らう。その後も負傷を繰り返し、1年目の公式戦出場は10試合にとどまった。

 再起を図った2023-24シーズン、ポグバのキャリアに暗雲が立ち込める。セリエA開幕戦にて行われたドーピング検査で陽性となり、イタリア反ドーピング機構(NADO)より4年の出場停止処分を科されたのだ。その後、スポーツ仲裁裁判所(CAS)がドーピング物質の「誤摂取」を認め、ポグバに対する処分は18カ月に軽減された。それでも、ポグバはユヴェントス以外のクラブでキャリアを再出発すべきと判断し、2024年11月末をもって双方合意で同クラブと契約を解消。同選手は2025年3月からプレー再開が可能となり、複数のクラブが獲得に動いていたものの、移籍先はなかなか決まらないでいた。

 無所属の期間には、自身に対する恐喝未遂や不法監禁で実の兄マティアス被告ら知人5人が実刑判決を受けるなど、私生活のゴタゴタにも決着がついた。フランス代表復帰およびFIFAワールドカップ26出場に向けて、2025-26シーズンのCL出場権を獲得したモナコをアピールの舞台に選択。類稀な才能に恵まれながらも波乱万丈の半生を送ってきたポグバは、新天地で果たして復活を遂げられるのだろうか。


【動画】モナコ加入のポグバ サインの瞬間に思わず涙を流す


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