新生クラブW杯、チェルシーが初代王者に輝く！　CL王者PSGに前半3発、パーマーは2得点1アシスト

FIFAクラブワールドカップ2025・決勝が13日に行われ、チェルシー（イングランド）とパリ・サンジェルマン（PSG／フランス）が対戦した。 32チーム制、4年に1度の開催に生まれ変わったクラブW杯も、残すところあと1試合。6月19日に開幕した今大会は、約1カ月間の激闘の末にファイナルを迎え、チェルシーとPSGがタイトルを懸けて激突する。 チェルシーは2024－25シーズンのプレミアリーグを4位で終えただけでなく、カンファレンスリーグ（ECL）ではタイトルを獲得。2020－21シーズンのチャンピオンズリーグ（CL）王者として参戦した今大会は、グループDの第2節でフラメンゴ（ブラジル）に1－3で敗れたものの、ロサンゼルスFC（アメリカ）とエスペランス（チュニジア）には勝利し、2勝1敗の成績で2位通過を果たす。決勝トーナメント1回戦（ラウンド16）では、雷雲が接近した影響で試合が約2時間中断するアクシデントにも見舞われながら、延長戦の末にベンフィカ（ポルトガル）を4－1で撃破。準々決勝ではパルメイラス（ブラジル）を2－1で、準決勝ではフルミネンセ（ブラジル）を2－0で破り、決勝の舞台に辿り着いた。 対するPSGは2024－25シーズン、リーグ・アン、クープ・ドゥ・フランス、CLの3冠を達成。クラブランキング上位の枠を勝ち取って今大会に出場すると、グループBの戦いではボタフォゴ（ブラジル）に0－1で屈しながらも、アトレティコ・マドリード（スペイン）とシアトル・サウンダーズ（アメリカ）には勝利して堂々の首位通過。決勝トーナメント1回戦（ラウンド16）ではインテル・マイアミ（アメリカ）を4－0で粉砕すると、準々決勝では2名の退場者を出す“死闘”の末、バイエルン（ドイツ）に2－0で勝利。準決勝ではレアル・マドリード（スペイン）相手に力の差を見せつけ、4－0の完勝でファイナル行きの切符を掴んだ。 ヨーロッパ勢同士の対決となった今大会の決勝。両チームは過去、8度にわたってCLの舞台で激闘を繰り広げてきた。その成績はチェルシーが2勝、PSGが３勝、引き分けが3つ。わずかにPSGが勝ち越しているものの、実力伯仲と呼べる対戦成績だ。 チェルシーは準決勝のフルミネンセ戦からスターティングメンバーを2名変更しており、出場停止から戻ってきたレヴィ・コルウィルがイレブンに復帰。同様にリアム・デラップもメンバーに戻ってきたが、同選手はベンチから出番を待つ。リース・ジェームズが中盤の一角で先発に入った。一方のPSGは、準々決勝のバイエルン戦で退場処分を受けたウィリアム・パチョとリュカ・エルナンデスが2試合出場停止処分を受けており、決勝も欠場。準決勝のレアル・マドリード戦と同じ11名がスタートリストに名を連ねた。 キックオフ直後、勢いを持って試合に入ったのはチェルシー。敵陣へ押し込む構図を作り出すと、8分にはこの試合最初のビッグチャンスを構築。左サイド大外の位置でボールを持ったペドロ・ネトが内側へ持ち出してボックス内へ預けると、エンソ・フェルナンデスが斜めに繋ぎ、ジョアン・ペドロがダイレクトでフリック。前向きの状態でフリーになったコール・パーマーが左足を振ったが、ここはわずかにゴール左へ外れた。 PSGもここから盛り返し、16分には良い形でゴール前へ侵入。左サイドに流れてヌーノ・メンデスからのパスを引き出したウスマン・デンベレが、背後のスペースへスルーパスを送ると、抜け出したファビアン・ルイスがグラウンダーのボールを流し入れる。ファーサイドへ走り込んだデジレ・ドゥエはシュートと見せかけてマイナスへの落としを選択するが、ここはマルク・ククレジャが読み切っており、フィニッシュまで持ち込ませない。 徐々にPSGが押し込む展開へ変わっていき、18分にはデンベレからのパスを受けたドゥエが、カットインから左足を振り抜くも、ここはGKロベルト・サンチェスがセービング。両チームともに悪くないシーンを作り出す中、均衡が破れたのは22分だった。 チェルシーはGKサンチェスからのロングフィードで、右サイド高い位置を取ったギュストがN・メンデスとうまく入れ替わることに成功。ボックス右へ入り込み、切り返しから左足で狙ったが、ここはルーカス・ベラウドが体を投げ出してブロック。それでも、こぼれ球を拾ったギュストがマイナスへ落とすと、サポートしたパーマーがワンタッチから左足で丁寧なシュート。コースを狙ってゴールにパスするような一撃がネットに吸い込まれ、チェルシーが先手を取った。 このゴールで勢いに乗ったチェルシーは30分、自陣でのボール奪取から、コルウィルからの長いボールで、右サイド背後のスペースへパーマーが飛び出す。外側を追い越したJ・ペドロを使うと見せかけ、見事なフェイクでシュートコースを作り、タイミングを見て左足を振り抜くと、先制点と似たようなコースにゴールイン。ファイナルの舞台でパーマーが違いを見せ、チェルシーが2点をリードした。 さらにチェルシーは43分、ピッチ中央付近のスペースに降りて、トレヴォ・チャロバーからボールを引き出したパーマーが、反転からドリブルで前進。中央を破るスルーパスを通すと、抜け出したJ・ペドロがループでゴールを陥れ、チェルシーが3点をリードしてハーフタイムに入った。 後半に入ると、一刻も早く得点が欲しいPSGが前への姿勢を強めていく。52分には後半最初のビッグチャンスを構築。ドゥエとジョアン・ネヴェスのプレスバックにより、敵陣でボールを奪い返すと、ドゥエがドリブル突破からグラウンダーのボールを折り返す。コルウィルに当たってコースが変わったボールにデンベレが反応し、ダイレクトで狙ったが、ここはGKサンチェスがビッグセーブを見せてゴールを死守した。 3点をリードするチェルシーは61分、ハムストリングの辺りを痛めた素振りを見せたエンソ・フェルナンデスが、プレー続行不可能となるアクシデントに見舞われる。代わってアンドレイ・サントスが送り出された。続く67分にはJ・ペドロを下げてデラップを投入すると、直後のプレーで早速カウンターの流れから豪快なミドルシュート。しかし、今度はGKドンナルンマが存在感を見せた。 終盤に入ってメンバーを入れ替えながらも、ハードワークと規律を徹底し、PSGに決定機と呼べるようなシーンを作らせないチェルシー。80分にデラップに到来した決定機は決まらず、4点目こそ奪えなかったが、PSGに反撃の狼煙を上げさせることなく時計の針を進める。85分にはククレジャと競り合ったJ・ネヴェスに、髪を引っ張る暴力行為により、レッドカードが提示される。10人となり、万事休した。 試合はこのままタイムアップ。この結果、チェルシーが新生クラブW杯のチャンピオンに輝いた。【スコア】チェルシー 3－0 パリ・サンジェルマン【得点者】1－0 22分 コール・パーマー（チェルシー）2－0 30分 コール・パーマー（チェルシー）3－0 43分 ジョアン・ペドロ（チェルシー）【スターティングメンバー】チェルシー（4－2－3－1）GK：ロベルト・サンチェスDF：マロ・ギュスト、トレヴォ・チャロバー、レヴィ・コルウィル、マルク・ククレジャMF：リース・ジェームズ（77分 キアナン・デューズバリー・ホール）、モイセス・カイセド；コール・パーマー、エンソ・フェルナンデス（61分 アンドレイ・サントス）、ペドロ・ネト（77分 クリストファー・エンクンク）FW：ジョアン・ペドロ（67分 リアム・デラップ）パリ・サンジェルマン（4－3－3）GK：ジャンルイジ・ドンナルンマDF：アクラフ・ハキミ（73分 ゴンサロ・ラモス）、マルキーニョス、ルーカス・ベラウド、ヌーノ・メンデスMF：ヴィティーニャ；ジョアン・ネヴェス（85分 退場）、ファビアン・ルイス（73分 ウォーレン・ザイール・エメリ）FW：デジレ・ドゥエ（73分 セニー・マユル）、ウスマン・デンベレ、フヴィチャ・クヴァラツへリア（58分 ブラッドリー・バルコラ）【ゴール動画】パーマー圧巻！ 2G1Aと全ゴール関与、チェルシーを優勝へ導く