積極的な補強で今夏のカルチョメルカートを賑わせるセリエA王者ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長が、充実のオフシーズンなどについて語った。18日、イタリアメディア『スカイ』が伝えた。


 マンチェスター・シティから百戦錬磨のベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネが加わり、オランダ代表FWノア・ラングやイタリア代表FWロレンツォ・ルッカら実力者も獲得。また、ボローニャのオランダ人DFサム・ブーケマが今夏7人目の補強となるのも時間の問題だ。

『スカイ』のインタビューに応じたデ・ラウレンティス会長は、移籍市場での順調な動きに言及。「新しい選手を連れてくるときはいつも、メディカルチェック通過の知らせが来るまで震えているよ(笑)。どの交渉も素早くまとまっている。ある選手が欲しいとき、人は目標に直行する。だから時間はほとんどかからない」と交渉開始からスムーズに移籍を成立させる秘訣について語った。

 目玉の補強となったデ・ブライネについては、「彼の真面目さとプロ意識には驚かされた。彼は将来を見据えていて、自分がフィールドに入れば中盤で大きな違いを生むことをよく理解している」とその実力に感銘を受けている。

 一方でデ・ラウレンティス会長は「デ・ブライネが最大の収穫か?」との質問に対し、「私はすべての獲得に満足していると言わなければならない。全員が称賛に値する。私たちはとても慎重に評価している」と回答。
ジョヴァンニ・マンナSDのスカウティング能力とアントニオ・コンテ監督のカリスマ性が、市場での有利な立ち回りを可能にしていると明かした。

「マンナは素晴らしい買い手であり、素晴らしいスポーツディレクターであり、選手の目利きでもある。そしてコンテの言うことも間違ってはいない。もし選手が彼の求愛を受け入れれば、その選手はこれまで以上のものを彼から引き出せることを十分に理解している」

 また、デ・ラウレンティス会長はインタビューのなかで、他のビッグリーグに遅れを取るイタリアサッカーの構造的な課題にも触れた。多くのクラブが財政難に喘ぐなか、イタリアのリーグには外資を惹きつけるだけの魅力が欠けていると指摘し、トップリーグのスリム化をはじめとする改革に着手すべきだと主張した。

「イタリアだけでなく、ヨーロッパでも、(サッカー界は)非常に大きな負債を抱えている。リーグでは、決定的な場面、つまりオーナーの存在が決定的であるべき場面で、企業家が不足していることが大きな混乱を引き起こしている。これは解決すべき問題だ。また、参加者の成果を最大化し、それ以上のものを与えなければならない、通りすがりのファンドにも原因がある。そして、私たちの数が多すぎる。20チームを養うだけの経済的成果がないのだ」

「イタリアサッカー連盟(FIGC)に関しては、(ガブリエレ・)グラヴィーナ会長と(ジャンカルロ・)ヴィリョーネ立法事務局長は不沈艦のようなコンビであり、彼らはイタリアサッカーに最大限の可能性を与えることができる。もし政府がFIGCの要望だけでなく、会長やオーナーの要望にももっと耳を傾けてくれるなら、私たちはより大きな成功へと向かうだろうし、負債というネガティブな要素も減るだろう」
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