鈴木は浦和レッズとシント・トロイデンを経て、昨年夏にパルマ・カルチョへ完全移籍加入を果たす。
日本代表でも正GKとなった22歳に対しては、ナポリやミランといった国内の強豪に加え、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーも関心を寄せている模様。今夏にはパルマ・カルチョが少なくとも2つのオファーを拒否しており、残留の可能性が高いと報じられているが、将来的な強豪クラブへの移籍も期待されている。
22日のイギリスメディア『スカイスポーツ』は「パルマの日本人GKはプレミアリーグへの準備万端。移籍はいつ実現するだろうか」と題し、欧州で評価を高めている鈴木について特集。マンチェスター・ユナイテッドとウェストハムが現在も関心を寄せており、将来的なプレミアリーグ移籍は避けられないだろうと前置きしつつ、これまで鈴木を指導してきた2人のコーチのコメントを紹介している。
かつてバルセロナやバイエルン、マンチェスター・ユナイテッドなどのGKコーチを歴任し、日本サッカー協会(JFA)のGKプロジェクトテクニカルアドバイザーも務めるフランス・フック氏は浦和時代の鈴木について「キャンプで彼を見て、私は『この選手はできるだけ早く欧州に行かなければならない。どのリーグかは関係ない。彼はプレーする必要がある』と言ったんだ」と語っている。
また、シント・トロイデンで鈴木を指導したデニス・ルーデル氏は同選手の性格面やフィジカル面について言及。「ピッチ外では物静かで落ち着いた性格だが、プレーは非常にアグレッシブだ。
「私は彼に『どれぐらい遠くにボールを投げられるか見せてくれ』と言ったんだ。目を離していたら、ボールがハーフウェーラインを20メートルも超えて行くのが見えた。振り返って『蹴るんじゃなくて投げろと言ったんだ』と言ったが、彼は微笑んで『投げたんだよ』と答えたよ。私は『もう一度見せてくれ』と言った。あんなにボールを遠くに投げられるなんて信じられなかったからね」
ルーデル氏はシント・トロイデン時代を振り返り、鈴木の強みについて「彼は非常にダイナミックで、素早く身を屈めることができる。信じられないほどの反射神経を持っているんだ。そして腕にはとんでもないパワーがあり、力を入れずにセーブすることができる」と語っている。
そして、鈴木のもう一つの強みはクロス対応だという。『スカイスポーツ』によると、昨シーズンの鈴木は55回のクロスキャッチを記録しており、これは今夏バルセロナへ移籍したスペイン人GKジョアン・ガルシアに次いで欧州5大リーグで2番目のスタッツとのこと。
ルーデル氏も「それ(クロス対応)が彼のもう一つの強みであり、プレミアリーグで活躍できると確信している理由だ。日本からベルギー、イタリアへ渡り歩いているが、非常に迅速に適応している。これこそが真に優れた選手だ」とその能力を評価。世界トップレベルへ成長できるかとの問いには「100パーセントだ」と答えている。