アーセナルとトッテナム・ホットスパーによるプレシーズンマッチが31日、香港で開催された。

 プレミアリーグでは3シーズン連続の2位に終わり、新たなシーズンこそ、22年ぶりの優勝を目指すアーセナル。
今夏の移籍市場では「積極的」との言葉では形容し難いほどの補強を行い、チェルシーからGKケパ・アリサバラガ、レアル・ソシエダからマルティン・スビメンディ、ブレントフォードからクリスティアン・ノアゴール、チェルシーからノニ・マドゥエケ、バレンシアからクリスティアン・モスケラ、そしてスポルティングからヴィクトル・ギェケレシュと、実に6名もの新戦力を迎え入れた。一部報道ではクリスタル・パレスのエベレチ・エゼ獲得への動きも継続していると伝えられており、タイトル奪還へ向けて“本気の夏”を過ごしている。

 一方のトッテナム・ホットスパーは、昨季のプレミアリーグこそ17位と不本意な成績に終わったものの、ヨーロッパリーグでは優勝を果たし、今季はチャンピオンズリーグに戻る権利を得た。今夏にはアンジェ・ポステコグルー前監督が退任し、新たにブレントフォードからトーマス・フランク監督を招へい。夏の移籍市場では、昨季までレンタルで在籍していたマティス・テルとケヴィン・ダンソを買い取り、2023年9月に加入が発表されたルカ・ヴシュコヴィッチも合流。さらに、川崎フロンターレから高井幸大、ウェストハムからモハメド・クドゥスも迎え入れ、プレミアリーグでの巻き返しへ向けて準備を整えている。

 そんな両者による、イギリス外で初の“ノースロンドン・ダービー”が、香港にて開催。アーセナルは新加入選手ではノアゴールが先発に名を連ね、残る10名は昨季の主力組が並ぶ。モスケラとギェケレシュもベンチに入り、デビューの瞬間を待つ。一方のトッテナム・ホットスパーは、クドゥスがスタメン入りし、去就に注目が集まるソン・フンミンはベンチスタート。高井は足底腱膜のケガによりアジアツアーには帯同していない。

 試合は序盤からアーセナルが押し込む構図となり、4分にはセットプレーからウィリアン・サリバがゴールを脅かしたものの、最初のビッグチャンスはトッテナム・ホットスパーが構築。
10分、ペドロ・ポロの蹴った左コーナーキックがそのままゴール方向へ向かい、ファーポストに直撃。こぼれ球にリチャーリソンが反応したが、ここもブロックに阻まれる。

 トッテナム・ホットスパーは28分、前線でボールを収めたリチャーリソンが粘り、ルーズボールを拾ったクドゥスが左足を振り抜くも、ここは相手がブロック。セカンドボールを拾ったウィルソン・オドベールが右足でシュートを狙うと、ベン・ホワイトに当たってディフレクションした一撃は、右ポストに嫌われた。

 このまま前半終了かと思われたが、45分に試合は動く。ピッチ中央付近でマイルズ・ルイス・スケリーからボールを奪ったパペ・マタル・サールが、GKダビド・ラヤの位置を確認し、即座にロングシュートを放つ。ふわりとした弾道のシュートはGKラヤの頭を超えてゴールに吸い込まれ、トッテナム・ホットスパーが先手を取って前半を終えた。

 後半に入ると、立ち上がりの時間帯はアーセナルが敵陣へ押し込み続ける。悪い流れを断ち切りたいトッテナム・ホットスパーは63分、ケヴィン・ダンソ、ブレナン・ジョンソン、マティス・テルの3枚を投入。対して、まずは同点をめざすアーセナルも、68分にレアンドロ・トロサールとスビメンディを送り出し、状況の打開を目論む。

 両チームともに75分のクーリングブレイク明けにメンバー交代を実施。アーセナルはギェケレシュとモスケラがデビューを飾り、注目を集める15歳のマックス・ダウマン、さらにはオレクサンドル・ジンチェンコとミケル・メリーノも出場。
トッテナム・ホットスパーはソン・フンミン、ベン・デイヴィス、イヴ・ビスマがピッチに立つ。84分にはジェームズ・マディソンとアーチー・グレイを送り出し、アーセナルは負傷したトロサールに代わってリース・ネルソンが登場。終盤に入って、多くの選手を入れ替える。

 しかしながら、これ以上のスコアが動くことはなく、試合はタイムアップ。トッテナム・ホットスパーがイギリス国外初のロースロンドン・ダービーを制した。

 この後、アーセナルはイングランドへ戻り、8月6日に本拠地『エミレーツ・スタジアム』でビジャレアルとのプレシーズンマッチに臨む。一方で、トッテナム・ホットスパーのアジアツアーはまだ続き、8月3日に韓国でニューカッスルと対戦予定だ。

【スコア】
アーセナル 0-1 トッテナム・ホットスパー

【得点者】
0-1 45分 パペ・マタル・サール(トッテナム・ホットスパー)


【ゴール動画】サールの圧巻ロングシュートが決勝弾!



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