『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2025 presented by 日本財団』の開催日に合わせて行われたイベントは午前中からスタート。まずはリヴァプール・インターナショナル・アカデミーによるサッカー教室でボールに触れる楽しさから開始した。柿谷さんも子どもたちと一緒に積極的に声をかけながら、終始笑顔で汗を流す。リヴァプール財団のマット・パリッシュCEOや、公式マスコットであるマイティ・レッドも登場して、子どもたちを楽しませ、クラブの公式グッズを参加者全員にプレゼントするなどした。
柿谷さんはサッカー教室の感想について、「内容的には子どもたちに技術を教えるというよりも、相手が嫌がるプレーをしてみようというようなトレーニングが多かったので、少しびっくりしていました。相手の逆を取る、相手が考えていないようなことをするところにまだ慣れていないのかなと思いました」と、日本のサッカー教室の違いを感じたと話している。
教室を終えると、参加者は横浜FMvsリヴァプールが行われる日産スタジアムに移動。昼食後にはトークショーが行われ、柿谷さんが幼少期を振り返りつつ、どのようにプロ選手へ成長していったかを、子どもたちと両親に伝え、30分にわたって子どもたちからの質問にも答えた。
トークショーでは、父親からサッカーの手ほどきを受けた柿谷さんが、「父親と対等に戦えると思ったのがサッカー」だったと話し、足を使う不確実性のある競技ということもあり、うまくやれば父親に勝てることに燃えてハマったことがスタートと明かす。「16歳でプロになること」を明確な目標として立てて、その逆算で練習を積んだと続けた。
母親からはサッカーのことは何も聞かれたことがなかったとは柿谷さん。サッカーについては何も言わない母であっても、食生活などで体の小さかった柿谷さんのことを考えて食事を作るなどをしてくれたという。
自身は16歳でプロ契約を結び、夢をかなえたことになったが、「そこで満足してしまったところがあった」と、プロ選手になってからの苦労も子どもたちに説き、「お父さんとお母さんへの感謝を忘れる海外のスーパースターはいない。みんなが知っている有名な選手は、何かあった時に絶対にお父さんとお母さんに感謝している。それだけは絶対に忘れないでほしい」と、子どもたちの目を見て、強く伝えていた。
子どもたちと柿谷さんはここでお別れ。子どもたちはその後、試合前のスタジアムに移動し、監督会見が行われる記者会見場を見学。さらには試合前のピッチサイドへ移動し、マイティ・レッドのほかに横浜FMのマスコットであるマリノス君、マリノスケ、マリンも登場して、記念撮影をするなどした。
子どもたちはサッカーボールなどのお土産ももらって解散。その後、参加者は19時30分キックオフの横浜FMvsリヴァプールを観戦するという、サッカー漬けの1日を楽しんでいる。
柿谷さんは夢について、「必ずしも持つことがいいとは限らないと思います」と1日を振り返ってコメント。「挫折もあると思いますし、嫌な部分を乗り越えるほど好きなものができるまでは、夢を持つ必要はないと僕は思います。とにかく何でもチャレンジしてみることです。そして、失敗したけど『やっぱり悔しい』と思えるものが、最後に自分がなりたいものだと思うので、それを見つけるまでは、とにかく挑戦しないとわからない。