現在29歳のデレ・アリはMKドンズの下部組織出身で、2012年11月にトップチームデビューを飾った。2015年2月に加入したトッテナムでは公式戦通算269試合で67ゴール58アシストをマークし、プレミアリーグ2位フィニッシュやチャンピオンズリーグ(CL)決勝進出に貢献。しかし、度重なる負傷や素行不良によって徐々に序列が低下し、2022年1月にエヴァートンに完全移籍となった。
エヴァートンでも十分な出場機会を確保できず、2022年8月にはベシクタシュ(トルコ)へレンタル移籍。2023年7月にエヴァートンに復帰したが、2023-24シーズンは出場機会がなく、2024年夏限りでエヴァートンとの契約が満了となった。
昨夏に新天地が決まらなかったデレ・アリは無所属の状態が続いていたなか、しばらくトレーニングに参加した後、今年1月にセスク・ファブレガス監督が率いているコモに加入。2026年6月30日までとなる18カ月間の契約を締結し、1年の延長オプションも付随していることが明らかになっていた。
そんなデレ・アリは、3月15日に行われたセリエA第29節のミラン戦で81分から途中出場し、レンタル移籍していたベシクタシュ在籍時の2023年2月26日のアンタルヤスポル戦以来、2年以上ぶり(743日ぶり)の公式戦出場を果たしたが、9分後にレッドカードで一発退場となってしまい、ほろ苦い新天地デビュー戦に終わってしまった。これ以降、ベンチ入りはしていたものの、出場機会がなかったデレ・アリはわずか1試合の出場で2024-25シーズンを終えた。
そうしたなか、コモとは契約期間を残しているデレ・アリだが、2025-26シーズンに向けたプレシーズン合宿には帯同しておらず。報道によると、他の戦力外の選手たちと練習を行なっている状況から、真剣に今夏での現役引退を検討していることが伝えられている。
かつてはイングランド随一の有望株と持て囃された一方で、12歳で養子に出されるまで壮絶な幼少期を過ごしていたことを打ち明けて話題にもなったデレ・アリだが、果たしてこのまま現役引退を決断するのだろうか。