2024-25シーズンのセリエA王者であるナポリは、今夏の移籍市場でサイドプレイヤーの確保に動いているようだ。イタリアメディア『コッリエーレ・デッロ・スポルト』が2日に報じている。


 昨シーズン、アントニオ・コンテ監督に率いられたナポリは、2シーズンぶり通算4度目のスクデットを手にしてシーズンを終えた。今夏の移籍市場では、マンチェスター・シティを退団したベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネを筆頭に、PSVからオランダ代表FWノア・ラング、ボローニャから同DFサム・ベケウマ、ウディネーゼからイタリア代表FWロレンツォ・ルッカら、新戦力を次々に補強。2シーズンぶりに舞い戻るチャンピオンズリーグ(CL)の舞台も見据えて着実に戦力を強化してきたが、補強はこのままでは終わらなさそうだ。

 今回の報道によると、ジローナに所属するスペイン人DFミゲル・グティエレスの獲得については、既にクラブおよび個人間合意に達しているという。現在24歳のグティエレスはレアル・マドリードのカンテラ(育成組織)出身で、2022年夏にジローナへ加入すると、直近の3シーズンで公式戦通算112試合出場6ゴール19アシストを記録。2023-24シーズンにはジローナのラ・リーガ3位フィニッシュと、CL出場権獲得に貢献しており、2024年夏にはU-23スペイン代表の一員としてパリオリンピック2024で金メダルを獲得した。

 そんな同選手に対して、ナポリは1,800万ユーロ(約31億円)を用意しており、ジローナも首を縦に振ったという。グティエレスは昨季終盤戦に足首を負傷した影響で、現在も離脱を強いられており、同選手の状態の最終見極めをしている段階とのこと。言い換えると、ナポリ側が最終的な“ゴーサイン”を出せば、移籍成立は決定的だと報じられている。

 グティエレスは左サイドバックや左ウイングバックを主戦場とする選手。昨季のナポリは「4-3-3」だけでなく、時には3バックのシステムも活用するなど、状況に応じた戦い方を採用してきた。グティエレスは4バックならば左サイドバック、3バックならば左ウイングバックとして計算されており、ナポリの戦い方にもマッチする選手だと指摘されている。


 一方で、「4-3-3」を基本フォーメーションとする場合、ナポリ陣営はウイングの層の薄さを懸念しているとのこと。現在のチームには元ブラジル代表FWダヴィド・ネレスやイタリア代表FWマッテオ・ポリターノが在籍しているが、同代表FWジャコモ・ラスパドーリについてはアトレティコ・マドリードへの移籍が取り沙汰されている。このような状況を踏まえ、純粋なウインガーの確保に動く可能性が高いようだ。

 当初はボローニャに所属するスイス代表FWダン・ンドイに熱視線を送っていたものの、同選手は7月31日、ノッティンガム・フォレストへの完全移籍が発表された。既にナポリは“プランB”に切り替えており、リヴァプールからの退団が濃厚なイタリア代表FWフェデリコ・キエーザ、同じくマンチェスター・シティ退団の可能性が指摘されているイングランド代表FWジャック・グリーリッシュに関心を示しているようだ。特に、キエーザに関しては今夏のセリエA復帰希望が明るみに出ており、ナポリ側の動き次第では、交渉が一気に進行してもおかしくはなさそうだ。

 果たして、ナポリの“サイド補強”はどのような結末となるのか。今後の動向に注目が集まっている。
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