2日後の8月6日に被爆80年を迎える今年は、初めて男女両チームそろって献花を実施。
献花を終えた佐々木は、「僕らがこういう行動で示せること、そしてサッカーの試合で僕らが伝えられることを改めて表現していきたい」と思いを口にし、左山は、「こうして献花をさせていただけることによって、平和の大切さを考える時間になりましたし、私たちはプレーでしっかり見せていかないといけないと思いました」と話した。
スキッベ監督は、「未だに世界中に平和が訪れていない、未だに戦争がある現状を非常に悲しく思いますし、ここ広島からそういったことがなくなるようにというメッセージを伝えていくことを強く思いました」と願いを込め、「スポーツを通じて平和を伝えていかなきゃいけないと思っていますし、伝えていく上で自分たちがこの都市を代表しているということが、非常に重要なことを示していると思います」と話した。
被爆地に本拠地を構えるチームとして、広島出身の左山は「今までたくさんの方々からの支えがあったからこそ、私たちは今サッカーができているので、感謝の気持ちを見せて戦っていきたいです」と気を引き締め、佐々木は「被爆をしてからここまで広島が復興してきた中で、サッカーも、サンフレッチェ広島もともに育ち、培ってきたところが多くあると思います。僕らがサッカーを通じて伝えられることをしっかり表現して、広島を盛り上げていきたいと思っています」と力を込めた。
8月6日にクラブはEピースの観客席の一部を無料開放し、午前中に行われる平和記念式典の生中継をメインビジョンで放映する予定。夕方には、男子チームが天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会ラウンド16で、Eピースに清水エスパルスを迎えて対戦する。さらに、8月10日に行われる明治安田J1リーグ第25節の清水エスパルス戦はピースマッチとして開催される。
佐々木は試合に向けて、「僕らがみなさんに(平和を)伝えられる場があることはありがたいですし、サッカーができる幸せをしっかりと噛みしめながらプレーしたいです」と意気込んだ。
取材・文=湊昂大