長らく関心を寄せていたスペイン代表MFマルティン・スビメンディや同じ街のライバルであるチェルシーから加入したイングランド代表FWノニ・マドゥエケらにも期待が寄せられているが、なんと言っても補強の目玉はスポルティングから加入したスウェーデン代表FWヴィクトル・ギェケレシュだろう。ポルトガルでの2年間での通算ゴール数は驚異の「97」。異次元の決定力を誇る、アーセナルにとっては待望のストライカーだ。
ギェケレシュのプレースタイルは、直近2シーズンに渡ってセンターフォワード(CF)を主戦場としていたドイツ代表FWカイ・ハヴァーツのそれとは大きく異なる。中盤を本職としていたハヴァーツは、下がった位置でボールを受け、仲間と絡みながらパスワークを円滑化させる役割を担い、その上でフィニッシュワークにも顔を出していた。対して、ギェケレシュはやや左サイドに流れながら、相手DFラインの背後へ抜け出すプレーを得意としており、ボックス内での能力も高い。ハヴァーツと比較し、“純粋なストライカー”としての色合いが強いと言えるだろう。
イギリスメディア『アスレティック』によると、アルテタ監督はギェケレシュの能力を最大限に活かすためには、戦術の修正が必要不可欠であることを理解しており、プレシーズンツアーでそれに取り組んでいるとのこと。チームは段階的に変化しており、プロセスは時間を要するものであるが、スタッフ陣は正しい道のりを歩んでいると確信しているようだ。
ギェケレシュの加入により、アーセナルはより直線的で縦に速いサッカーを展開し、相手DFラインの背後を突くプレーが増加する可能性が高いと『アスレティック』は指摘。スビメンディやノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴーアのパスにギェケレシュが抜け出すというシーンも多く見られるかもしれない。

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