アーセナルに所属するポルトガル人MFファビオ・ヴィエイラに対して、シュトゥットガルトが関心を示しているようだ。イギリスメディア『スカイスポーツ』が4日に報じている。


 現在25歳のF・ヴィエイラはポルトのアカデミー育ちで、2020年6月にトップチームデビューを飾った。育成年代の代表チームの常連としても知られ、2021年に開催されたUEFA U-21欧州選手権(EURO)では、母国ポルトガルを決勝の舞台へ導くパフォーマンスを披露し、大会のゴールデンボール賞(MVP)を受賞。2022年夏にはアーセナルへ完全移籍加入を果たした。

 一方で、アーセナル加入後は同じ左利きのノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴーアや、ウイングでプレーするイングランド代表FWブカヨ・サカの立場を脅かすことができず、個人として苦しい時間が続く。2022-23シーズンは公式戦通算で33試合に出場し、2ゴール6アシストを記録したものの、プレミアリーグにおけるスタメン出場試合数はわずか3試合のみ。翌シーズンはさらに出場機会が減少し、先発出場試合数は公式戦全体で3試合にとどまっていた。

 このような状況を受けて、昨年夏にはレンタル移籍でポルトへ帰還。2024-25シーズンは慣れ親しんだポルトで主力として活躍を続け、公式戦通算42試合のピッチに立ち、5ゴール6アシストをマーク。ポルトはプリメイラ・リーガ(ポルトガル1部リーグ)を3位で終えていた。加えて、今夏に行われたFIFAクラブワールドカップ2025でも、全3試合に先発出場。中心選手としてプレーしていたものの、アーセナルからのレンタル移籍契約に買い取りオプションは含まれておらず、今夏にはアーセナルへ復帰していた。

 ポルトでFIFAクラブワールドカップ2025を戦った関係で、アジアツアーには帯同していないが、チームに合流しようとも“椅子”は用意されていないと見られる。
既存戦力に加えて、U-21イングランド代表MFイーサン・ヌワネリもセントラルハーフのポジションでテストされており、F・ヴィエイラがアーセナルで立場を覆すことは困難だとの見方が強い。

 このような状況の中、シュトゥットガルトがF・ヴィエイラに対して関心を示しているという。シュトゥットガルトは2024-25シーズンのブンデスリーガこそ9位で終えたものの、28年ぶりにDFBポカールのタイトルを勝ち獲ったことで、来季はヨーロッパリーグ(EL)の出場権を手にしている。

 今夏、シュトゥットガルトでは、フランス人MFエンツォ・ミローの退団が決定的となっている。昨季の公式戦通算43試合出場12ゴール8アシストを記録したミローは、当初はアトレティコ・マドリードへの移籍が噂されながら、現在はアル・アハリ・サウジ移籍が決定的だという。移籍市場に精通するイタリア人記者のファブリツィオ・ロマーノ氏も決まり文句の「Here We Go!」を出しており、移籍成立は時間の問題だろう。このような状況を受けて、即戦力となる攻撃的MFの確保に乗り出し、F・ヴィエイラの名前が候補に挙がったと見られる。

 果たして、F・ヴィエイラは自身初のブンデスリーガに新天地を求めることとなるのだろうか。今後の動向に注目だ。
 
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