レアル・マドリードが、今夏の移籍市場でピボーテ補強に本腰を入れる可能性は低くなったようだ。5日、スペイン紙『アス』が報じている。


 “カイザー”の穴をどのように埋めるのか。これは、レアル・マドリードにつきまとった、この夏の問いだった。昨シーズンは無冠かつ、宿敵バルセロナに公式戦4戦全敗という屈辱を喫した“白い巨人”は、「大きな課題のひとつは、後方からのボール出しと、格下相手に対するボール保持での安定性。つまり、EURO2024後に引退したトニ・クロースの不在を痛感したと言える」と『アス』が指摘するように、中盤でのボールの扱いにおいて脆さが見られた。だからこそ今夏、レアル・マドリードは同ポジションの補強に動く、と報じられていたのだが、「現時点で獲得には至っていないし、おそらくこの先も実現しないだろう」と可能性は低くなっているようだ。

 そして、その理由は、「マドリーの目を引くような選手が市場にいないからだ」と『アス』は伝える。シャビ・アロンソ新監督の下で出発する新シーズンに向けて、CBディーン・ハウセン、右SBトレント・アレクサンダー・アーノルド、左SBアルバロ・カレーラス、MFフランコ・マスタントゥオーノと、ディフェンスラインと攻撃陣をそれぞれ強化した一方で、こと中盤に関しては、最有力候補と目されていたMFマルティン・スビメンディの獲得に踏み出さなかったほか、「頭脳として活躍できる選手」とクロース氏が推薦したとされる、MFアンジェロ・スティラーらもクラブ上層部の方針に合わない、ということで見送ったことを明らかにした。

 また、マンチェスター・シティに所属するMFロドリは、候補者リストの中でも際立つ名前だった模様。同紙によると、スペイン代表の史上最多4度目となるEURO優勝に貢献した後、『バロンドール賞』を初受賞した同選手の獲得は、レアル・マドリードも熱望したことだという。しかしながら、昨シーズンを棒に振った右ひざ前十字じん帯の大ケガに加え、29歳という年齢、高額な移籍金が、その熱が冷める原因になったとのこと。こうした状況から、「彼がレアル・マドリードに移籍する可能性は極めて低い」と見解を示している。

 結局のところ、クロース氏の穴埋め探しに対するレアル・マドリードの答えは、「今いる選手たちが昨シーズンよりも良いプレーができると確信している」のようだ。
とくに、MFオーレリアン・チュアメニの成長と、MFアルダ・ギュレルのインテリオールへのコンバートに自信を持っているとされる。では、1年後の未来で、シャビ・アロンソ新監督と現所属の選手に賭けた選択が正解となったのかを確かめてみよう。
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