2025-26シーズンはセルタでプレーするFWブライアン・サラゴサが、6日に実施された入団会見にて、新天地での決意を語った。

 “ジャックナイフ”は、ガリシアの地で再出発を図る。
2001年9月9日生まれのB・サラゴサは現在23歳。グラナダに彗星の如く現れた後、スペイン代表デビューにバイエルン移籍、と瞬く間にスターダムを駆け上がっていった。が、ドイツでの日々は苦悩そのものとなり、当時指揮していたトーマス・トゥヘル監督から「何よりも言葉が足りない」と指摘されるなど、言語面で壁にあたることに。迎えた昨シーズンは、レンタル加入したオサスナで前半戦こそ1得点5アシストと結果を残したものの、ケガによりコンディションを落とした後半戦は数字が伸びず。その結果、バイエルンから構想外が通達され、FIFAクラブワールドカップ2025の招集メンバーからも外された。

 そんなB・サラゴサの新天地は、かねてよりポールポジションに立っていたとされるセルタに決まり、買取オプション付きのレンタルで加入。6日に実施された入団会見では、「僕は落ち着いていた。自分がどこに行きたいのかを分かっていたからね。そして今、ここにいる」と告白。続けて「素晴らしいシーズンを過ごすことを、セルタをできるだけ高い位置に導き、楽しむことを目指している。僕を信頼してくれたみんなに感謝したい。時間が経てばわかると思うけど、できるだけ長くここにいられるように努力するつもり」とプレーで応えると口にした。


 また、「ワールドカップのチャンスはあると思っている。それも、僕がここにいる理由のひとつ」と熾烈極まるスペイン代表のサバイバルを生き残る、と宣言したドリブラーは、「体調は良いけど、まだ100パーセントの状態ではないよ。チームが3週間のトレーニングを続けてきたのに対して、僕は個別トレーニングだったんだ。同じ状態とは言えない」としつつも、「大丈夫。体調は良いから、開幕には間に合うだろう。2週間後には万全のコンディションで臨める」と自信を覗かせている。

 新シーズンに9年ぶりとなるヨーロッパリーグが待ち受けるセルタにとって、同選手獲得は“目玉補強”のひとつと言えるだろう。多くの期待を寄せられるB・サラゴサは、「それについては、もちろん自覚している。でもプレッシャーは感じていないし、むしろ楽しめているくらいだ。サポーターからの温かい歓迎にありがとうを伝えたい。この1年、ともに多くの喜びを分かち合えることを願っている」と胸中を明かしている。

 2年前、当時グラナダに所属していたB・サラゴサが、DFジュール・クンデ(バルセロナ)を完全に手玉に取り、「ブライアンを代表に!」というサポーターの大合唱が現実となった一夜は、新たなスター誕生を予感させるものだった。
セルタで迎える勝負の1年、あれほどのインパクトを再び呼び起こすことができるのだろうか。さすれば、ワールドカップへの扉は自ずと開かれる。
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