“ニコ・パス”の愛称で親しまれる同選手は現在20歳。セスク監督に磨かれ、リオネル・メッシ(インテル・マイアミ/アメリカ)にも認められた“ダイヤモンド”は、アルゼンチン代表としてフランスW杯に出場した実父がスペインでプレーしていたときに生まれ、後を追うようにテネリフェ(父親はトップチームに6年在籍)のカンテラに入団したことで第一歩を踏み出した。その後はレアル・マドリードに引き抜かれると、2023年11月にトップチームデビュー。さらに、より多くの出場機会を求めてコモに完全移籍加入した昨シーズンは、セリエAで35試合に出場し6得点8アシストと存在感を示したほか、昨年10月にはアルゼンチン代表デビューも果たすなど、着実に歩みを進めている。
そんなニコ・パスは、スペインとアルゼンチンの国籍を持っているため、欧州王者と世界王者の二者択一を迫られることになったものの、「とても満足している」と後者を選んだ決断を振り返りつつ、「僕の夢は、来年のワールドカップに出場することだ。そのためには、今シーズンをしっかりとやり遂げる必要がある。とても重要な年として捉えないとね。その上で、代表チームの一員になれることを願っている」とこの1年に向けた覚悟を語った。
また、アルゼンチン期待の20歳は、少し先の未来にも思いを巡らせる。現状、レアル・マドリードが買戻オプション(800万ユーロで行使可能)を保有しており、将来的な復帰の可能性も囁かれるなか、「マドリーに戻るかどうかは分からない」と披瀝。一方で、ニコ・パスは「僕にとっての人生のクラブは、テネリフェだよ。本当に大きな影響を与えてくれた」とし、「テネリフェからのオファーは、カスティージャ(レアル・マドリードのBチーム)にいたときにあったんだ。
抱える大望を明かしたニコ・パス。今夏の移籍市場では、トッテナムから具体的な関心を寄せられているようだが、まずは来夏に控える“夢の大会”に出場するために、新シーズンをどのような形で迎えるのだろうか。