クリスタル・パレスは12日、2025-26シーズンのUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)への“降格”が決定したことを受けて声明を出した。

 日本代表MF鎌田大地が所属するクリスタル・パレスは2024-25シーズン、イングランドのカップ戦であるFAカップで優勝を飾り、新シーズンのUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得。
しかし、クリスタル・パレスの共同オーナーを務めるジョン・テクスター氏が、同様にEL出場権を獲得したリヨン(フランス)のオーナーであり、同一人物または同組織が所有する複数クラブが同じヨーロッパのコンペティションに参加することを禁じるUEFA(欧州サッカー連盟)の規定に抵触していると指摘されていた。

 テクスター氏は6月に自身の所有する株式の43パーセントをアメリカ人実業家のウッディ・ジョンソン氏に売却。クリスタル・パレスはテクスター氏が同クラブに決定的な影響力は持っていないと主張していたが、UEFAのクラブ財務管理委員会は、3月1日の時点でUEFAの定める基準に違反していると結論付けた。そして規定により、国内リーグ戦で上の順位で終えたリヨンがELの出場権を獲得。クリスタル・パレスはECLに出場することが決定した。

 その後、クリスタル・パレスはスポーツ仲裁裁判所(CAS)へこの決定が不服だとして控訴していたが、CASは11日に棄却した。これを受けて、クリスタル・パレスは以下のように声明を出している。

「コミュニティ・シールドの勝利を祝うべき時に、このUEFAとCASの決定は、スポーツの功績が無意味になることを示しています。5月のあの記念すべき日、FAカップでマンチェスター・シティに勝利し、我々はELに出場する権利を獲得した。しかし、我々はその機会を奪われました」

「特定のクラブ、組織、個人が独自の特権と権力を持っているかのようです。この広がる不健全な影響力は、クリスタル・パレスのサポーターの希望と夢を打ち砕きました。規則や制裁が最も露骨な形で不平等に適用されたことは、ヨーロッパ中の意欲的なチームにとっても良い兆候ではないです」

「我々はCASの審理委員を尊重するが、この手続きは厳しく制限するように設計されており、我々にとっては公正な審理を受けることがほぼ不可能です。
関係者間のやり取りを求めるすべての情報開示要請が拒否され、証人尋問も認められませんでした。さらに、形式や法の尊重が全般的に欠如しているため、決定に対して適切な異議申し立てができず、結果が予め決められたものになってしまいます」

「今後については、引き続き法的な助言を受けています。この素晴らしいクラブの特徴である決意と勝利への意志を持ってECLで戦いたいと思います」
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