開口一番「いいゲームができたと思います」と胸を張った千葉の小林慶行監督。「1万5000人以上のファン・サポーターの方が来ていただいたので、真っ黄色に染まったスタジアムで今日は勝つことが重要だったと思います。そのポテンシャルを改めて感じましたし、自分たちの目標にたどり着くため、毎回1万5000人のサポーターの力をお借りしたい。いずれにせよ自分たちがやるべきことはハッキリしているので、また次に向けていい準備をしていきたいと思います」と今後を見据えた。
2位対3位の上位直接対決だけあり、ピッチ上では強度の高い激しいマッチアップが繰り広げられた。前半をスコアレスで終えると、65分に均衡が破れる。イサカ・ゼインのスルーパスにカルリーニョス・ジュニオが抜け出し、鋭いクロスを送る。ファーサイドには森海渡が待ち構えていたが、最後は手前の徳島DF山越康平に当たってゴールイン。千葉はこの1点を最後まで守り抜き、連勝を飾った。起点となるパスを送ったイサカは「セットプレー崩れでしたけど、(相手の最終ライン)5枚のギャップができることは分かっていました。カル(カルリーニョス)がいいポジションを取っていましたし、いいスペースに流れてくれた。
イサカは7月中旬にモンテディオ山形から加入し、リーグ戦3試合連続でフルタイム出場中だ。例年にも増して暑い日本の夏。加えて交代枠5枚が定着した現代サッカーにおいて、攻撃的なポジションの選手がフル出場を続けるのは信頼の証と言っていいだろう。前半戦の快進撃を支えた“スピードスター”田中和樹が左ひざ前十字靭帯損傷で長期離脱となった中、新加入のイサカが2列目で強烈な存在感を放っている。「最後まで使ってもらえるのは嬉しいですけど、その分責任感を持ってやらないといけない」とイサカ。「元から千葉に対して持っていたイメージもありますけど、それ以上に速さやシンプルさは実際にチームに入って感じているところです。イメージしていたようなフィットの仕方はできていると思うので、最後のクオリティで違いを出せるようにしたい。それを練習から追求していきたいと思います」と手応えを語りつつ、さらなる活躍を期す。
信頼の証はもう一つ。前節のRB大宮アルディージャ戦で早速自身のチャントが完成し、ホームでは初お披露目となった。「ありがたいですね。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
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