大分トリニータは18日、双方合意の下で片野坂知宏監督との契約解除を発表。後任には、竹中穣ヘッドコーチが就任することを併せ伝えている。


 1971年4月18日生まれの片野坂氏は現在54歳。当時J3に低迷していた大分トリニータの再建を任された同氏は、最終年こそJ2降格となったものの、2016年からの6年間で天皇杯準優勝やJ1昇格と数々の実績を残した。その後はガンバ大阪でも指揮を取り、2024年より大分トリニータの監督に2度目の就任。が、昨シーズンは16位フィニッシュとJ3降格の危機に晒されると、今シーズンも第26節終了時点で、6勝10分10敗の16位と低迷が続いていた。

 5月31日の第18節ヴァンフォーレ甲府戦を最後に、リーグ戦9試合未勝利となったなかでの指揮官交代に。契約解除となった片野坂監督は、クラブ公式サイトにてコメントを残している。

「大分トリニータに関わる全ての皆様へ日頃から大分トリニータへのご支援ご声援ありがとうございます。この度、大分トリニータを退任する事になりました。ファン・サポーターの方々、スポンサーの方々並びに大分トリニータに関わる全ての皆様、そして選手・スタッフ、小澤社長、吉岡SD、クラブ関係者の方々、これまで指揮を執らせていただき、また支えていただき本当にありがとうございました、心から感謝しております。このような状況で大分トリニータを離れる事やもっと良い形で次にバトンを渡す事ができず大変悔しく寂しい思いではありますが、結果が全ての世界なので当然だと思います。チームを勝たせられなかった責任と私の力不足です、本当に申し訳ありませんでした」

 また、クラブの代表取締役社長を務める小澤正風氏も、片野坂監督との契約解除に際して、クラブ公式サイトにてコメントを残している。

「この度、片野坂知宏監督と話し合いを行い、双方合意の上で契約を解除する事と致しました。
片野坂知宏監督につきましては、クラブがJ3を戦う事になった2016年から6年間、そして再び指揮を執って頂いてから約1年7カ月間、そのご尽力に本当に感謝申し上げます。大分トリニータでその指導者としてのキャリアをスタートし、大分トリニータをこよなく愛し、献身的にご指導をして頂きました。片野坂監督の指導の下、多くの選手が成長し日本を代表する選手にもなることが出来ました。また、J3優勝、J1昇格、天皇杯準優勝等、クラブの歴史に輝かしい実績も残して頂きました」

「しかしながら、今シーズンは『力戦奮闘』をクラブスローガンに掲げ、再びJ1へと挑んで頂きましたが、なかなかチームは波に乗れず26節が終了した時点で、目指してきたプレーオフ進出との勝ち点差では大きく離れ、またも残留争いにも巻き込まれるという状況になってしまっております。クラブと致しましては、なんとしても流れを変え、同時に少しでも順位を上げていくために指揮官の交代という苦渋の決断を致しました。改めて、片野坂知宏監督には、大分トリニータというクラブとチームの成長に対して多大なる貢献して頂き、感謝申し上げます。ありがとうございました」

「また、この度、この厳しい現状の中で竹中穣ヘッドコーチに新たに監督として、チームを牽引して頂くことになりました。竹中穣監督は、片野坂前監督を支えながら現状のクラブの立ち位置を一番理解し、今の大分トリニータの選手の特徴を一番理解している方だと思います。クラブとしても全力でサポートをして参ります。まずは残留争いから脱し、厳しい道のりではありますが1桁順位を目指しながら、その先の一つでも上の順位を目指していく所存です。大分トリニータを応援してくださる皆様方には、引き続きご支援とご声援を賜りたくお願い申し上げます」
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