名古屋グランパスは21日、エヴァートンと戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。

 今回のパートナーシップ締結は、エヴァートンのオーナーであるThe Friedkin Group(フリードキン・グループ/TFG)との関係を基盤とし、2022年11月に締結したローマとの戦略的パートナーシップに続くものに。
名古屋は「名古屋・愛知から世界へとつながる次世代の選手育成・国際交流・事業連携の可能性や機会をさらに拡大してまいります。今後は、両クラブの特長やリソースを活かし、多角的な取り組みを展開していく予定です」と発表している。

 エヴァートンはイングランドのマージーサイド州リヴァプールを本拠地とする1878年創設のクラブ。過去に9度のプレミアリーグ制覇と5度のFAカップ優勝を誇る名門で、現在もトップリーグに所属している。

 戦略的パートナーシップの概要については次の3つ挙げられている。

・国際経験の向上・人材交流と知見の共有
アカデミー選手のトレーニング参加(短期留学)やアカデミーチームの遠征
コーチ・スタッフの定期的な交流や現地研修の実施
将来的なトップチーム・U21チームによる国際連携

・地域社会との協働による社会貢献
両クラブのパートナー企業や自治体他ステークホルダーとの連携
SDGsやサステナビリティを推進するための共創活動

・日本含めたアジア・欧州市場における事業展開
日本含めたアジア、欧州市場間での共通のビジネス機会の開拓
両クラブのネットワークを活用したスポンサーシップの拡大や共同事業の推進

 戦略的パートナーシップ締結に際し、エヴァートンのCEOを務めるアンガス・キニアー氏、名古屋の吉田守孝取締役会長ならびに清水克洋代表取締役社長はそれぞれ次のようなコメントを発表している。

◼︎アンガス・キニアーCEO
「名古屋グランパスとの特別なパートナーシップを締結できることは、エヴァートンにとって大変光栄です。この提携は、我々と価値観やビジョンを共有する組織やクラブと、意義深く実りある長期的な関係を築こうとするエヴァートンの姿勢を反映しています。名古屋グランパスは、地域社会への深い関わりと育成への明確なコミットメントを持つクラブであり、今回の協力関係がサッカー、商業的成長、社会的インパクトの面で新たな機会をもたらすことに大きな期待を寄せています。互いに学び合い、両クラブとそれぞれの地域社会に意義ある恩恵をもたらすことを楽しみにしています」

◼︎吉田守孝取締役会長
「長い歴史と伝統を持ち、地域社会との強い結びつきを誇るエヴァートンFCとこのたび戦略的パートナーシップを締結できたことを大変嬉しく思います。エヴァートンは、フットボールの枠を超えサステナビリティや地域への社会貢献活動にも積極的に取り組んでおり、名古屋グランパスが目指す『町いちばんのクラブ』に通じる価値観を持つクラブです」

「このパートナーシップ締結を機にデータ分析システムやスカウトにおける情報交換など各年代の選手の成長やチーム強化に関する取り組み、サステナブルな社会の実現に向けたさまざまな取り組みなど多角的な連携を通じて、両クラブの発展につなげていきたいと考えています」

◼︎清水克洋代表取締役社長
「The Friedkin Group(TFG)のご協力のもと、ASローマに続き、エヴァートンFCという名門クラブと戦略的パートナーシップと締結できたことを非常に喜ばしく光栄に思います。『世界で戦い、世界から注目されるクラブ』になることを目指す名古屋グランパスにとって、世界の最高峰と言われるイングランド・プレミアリーグで戦うエヴァートンの知見やノウハウを吸収し、フットボール面での強化を図っていきます」

「さらに、両クラブが持つリソースやナレッジを共有し、グローバルな視野でのクラブの価値向上につなげていければと考えています。
今後、アカデミー選手や指導者の交流、事業・マーケティング分野での知見共有、日本・アジアや欧州市場での協業などを通じて、クラブの新たな価値を創造するとともに『The People's Club』と呼ばれるエヴァートンのような真の地域に根ざしたクラブを目指してまいりたいと思います」
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