チェルシーはU-20イングランド代表MFカーニー・チュクエメカとU-20アルゼンチン代表DFアーロン・アンセルミーノに渡航許可を出した模様で、両選手ともにドルトムントへの加入に迫っていることが明らかになっている。
なお、昨シーズンの後半戦をレンタル移籍でドルトムントに加入していたチュクエメカは、今回完全移籍となる模様で、移籍金2400万ポンド(約48億円)に大幅な売却条項も付随する契約でクラブ間合意に達したという。一方、アンセルミーノは買い取りオプションなどが付随しない1年間のレンタル移籍で加入することになるようだ。
これにより、チェルシーの今夏の売却収入はリーグ最高となる2億7340万ポンド(約544億円)となり、移籍金支出の2億7700万ポンド(約551億円)とほぼ同額になったことが伝えられている。
それでも、UEFA(欧州サッカー連盟)から財務規則違反に対する罰則の一環として、チェルシーは今シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)で新加入選手を登録するために、今夏の移籍市場を黒字で終えることが求められている。
そのため、チェルシーは今後もフランス代表FWクリストファー・エンクンクや、セネガル代表FWニコラス・ジャクソン、イングランド代表FWラヒーム・スターリング、同DFベン・チルウェル、フランス代表DFアクセル・ディサシといった選手らの売却を予定しており、これらが完了した後に獲得交渉が停滞しているオランダ代表MFシャビ・シモンズ(ライプツィヒ)や、アルゼンチン代表FWアレハンドロ・ガルナチョ(マンチェスター・ユナイテッド)の獲得に向かうと見られている。
現在21歳のチュクエメカはアストン・ヴィラの下部組織出身で、2021年5月にトップチームデビューを果たした。その後、2022年8月に総額2000万ポンド(約40億円)と見られる移籍金でチェルシーに完全移籍で加入したが、加入から2シーズンは負傷の影響もあり、あまり出場機会を得られなかった。
そして、エンツォ・マレスカ監督が就任した2024-25シーズンは序列が大幅に低下してしまい、公式戦5試合の出場にとどまっていた状況から、今年2月にドルトムントにレンタル移籍となり、同クラブでは公式戦13試合に出場し1ゴールを記録。今夏開催されたFIFAクラブワールドカップ2025でも準々決勝で敗退するまで4試合に出場していた。
かねてより、チュクエメカは今季もドルトムントでプレーすることを望み、同クラブも獲得を狙っていたものの、レンタル移籍を希望していたドルトムントと、移籍金収支やレンタル枠の関係で完全移籍での売却だけを要求していたチェルシーとの間で交渉が進展せず。そんな状況から複数クラブから関心が寄せられていたが、最終的にはドルトムントに加入することになりそうだ。
また、現在20歳のアンセルミーノはボカ・ジュニオルスから1560万ポンド(約31億円)と見られる移籍金で昨夏にチェルシーに加入。半年間はボカ・ジュニオルスでのプレーを続け、今年1月にチェルシーに合流したが、負傷の影響で出場機会を得ることができず。トップチームではクラブW杯で1試合に出場したのみにとどまっており、出場機会を求めて武者修行に出ることが濃厚となっていた。