ホーム連勝を狙う広島だったが、開始6分に痛い失点を喫した。
ミスが失点に直結した嶋田は、「試合の入りで中途半端なプレーを選択してしまったところは、自分の判断ミスだし、こんなに応援してに来てくれてる人がいる中で出るプレーじゃなかったと思います」と悔しさを口にした。
キャプテンのDF左山桃子やDF呉屋絵理子を負傷で欠く中、「後ろの選手が少ない中でセンターバックで出ているのに情けないプレーだった」という嶋田は失点後、「ここでしかミスを取り返せない」と球際のバトルなどで気持ちの入ったプレーを見せていた。
だが、22歳DFは「100パーセント切り替えられたかと言われたら、全然そうじゃなくて、いつもできてたことができなくなっていた場面もあったと思います」と振り返り、「やっぱりモモさんだったらと思うところがすごく多かったです」と心境を明かした。
広島は試合を通じて主導権を握って攻め続けたが、シュート精度を欠いて最後まで得点を奪えずに今季初黒星を喫した。嶋田は試合後、「自分のミスで試合を壊してしまった」と責任を背負った。
大卒ルーキーは昨季途中に加入してWEリーグで9試合に出場し、豪快なミドルシュートで2得点を記録。7月の東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会でなでしこジャパン(日本女子代表)デビューも飾って、順調なスタートを切った。
今季も開幕3試合連続でスタメン入り。左山が試合序盤に負傷交代となった前節は、急きょ右サイドバックから右センターバックに移ったが、緊急事態でも安定したパフォーマンスで勝利に貢献した。だが、本人は「もっともっとクオリティを上げていかないといけない」と自分のパフォーマンスには決して満足していない。
「今までは運が良かっただけで、自分の実力じゃないところもあったと思うし、みんなのおかげだったのが、モモさんやエリさんが抜けた時に代わりに入ったところでうまくいけていないので、プロサッカー選手としてしっかり切り替えていきたいです」
口調はおっとりしているが、言葉に込める思いは強い。「技術もメンタルもまだまだ未熟だと思いますし、これから上げていきたかった自分の価値を下げた試合だと思うので、まずは次の試合に向けてチームの力になれるように切り替えてやっていきたいです」と悔しさを糧に挽回を誓った。
取材・文=湊昂大