サッスオーロは26日、リヨンから元セルビア代表MFネマニャ・マティッチが完全移籍加入することを発表した。

 マティッチについては、リヨン加入時に2026年6月30日までの契約を結んでいたものの、今月15日には、クラブを通して双方合意の上での契約解除が発表されていた。
そのため、移籍金の発生しないフリートランスファーでサッスオーロへ加入する。クラブからの発表によると、契約期間は2026年6月30日までの1年間。特定の条件が満たされた場合、契約が1年間延長される条件が付随しているという。

 マティッチは1988年8月1日生まれの現在37歳。194cmの長身を誇る守備的MFだ。2004年に母国セルビアでプロデビューを果たすと、スロヴァキアのコシツェを経て、2009年夏にチェルシーへと完全移籍。チェルシー加入1年目は出場機会に恵まれず、2010-11シーズンにはフィテッセへのレンタル移籍を経験し、翌年夏に元ブラジル代表DFダヴィド・ルイス(現:パフォス)を獲得する際の取引の一部として、ベンフィカへと完全移籍した。

 ポルトガルの地で評価を高めると、売却からおよそ2年半後の2014年1月、チェルシーが買い戻しを決断。加入直後から主力に定着し、2年目にはプレミアリーグとキャピタル・ワン・カップ(現:カラバオ・カップ/EFLカップ)の優勝にも貢献した。2016-17シーズンにも不動の中盤としてプレミアリーグ制覇を経験。復帰後のチェルシーでは3年半にわたって主力として活躍し、公式戦通算154試合の出場で7ゴール19アシストを記録した。

 2017年夏には、チェルシー時代の“恩師”でもあるジョゼ・モウリーニョ監督(現:フェネルバフチェ)が率いるマンチェスター・ユナイテッドへ完全移籍加入。
中盤の主力として、5シーズンで公式戦通算189試合に出場し4ゴール11アシストをマークした。2022年夏にはマンチェスター・ユナイテッドを契約満了で退団し、ローマへの完全移籍が決定。再びモウリーニョ監督とタッグを組むと、1年間の在籍ながら、公式戦通算50試合のピッチに立ち、クラブのヨーロッパリーグ(EL)決勝進出にも貢献した。シーズン終了後にはレンヌへ完全移籍したものの、わずか半年でリヨンへ移籍。リヨンでは1年半にわたって主力を張り、公式戦通算58試合出場1ゴールを記録していた。

 また、セルビア代表としても長きにわたって活躍を続けており、FIFAワールドカップロシア2018では主力としてグループステージの全3試合にフル出場。これまでに国際Aマッチ通算48試合出場2ゴールをマークしており、2020年に代表引退を決断していた。

 マティッチ個人としては、ローマ時代の2022-23シーズン以来、3年ぶりのセリエA復帰となる。今シーズン、2年ぶりにセリエAの舞台へ戻ってきたサッスオーロは、23日に行われたナポリとの開幕戦を0-2で落としており、黒星スタートとなっていた。まずはセリエA残留を目指すチームに、経験豊富なベテランが加わることとなった。


【画像】サッスオーロのユニフォームに袖を通したマティッチ



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